第8戦 10月17日(土)~18日(日) オートポリス(大分県)
Epson NSX、予選で苦戦するも安定した走りを見せて9位でフィニッシュ!
DUNLOP SARD SC430、序盤のアクシデントが響いて12位でチェッカー!
予選では思うようにタイムが伸びなかったEpson NSX
第7戦富士スピードウェイから5週間のインターバルを経て、全9戦中のラスト2戦として、2009年スーパーGTシリーズ第8戦(10月17~18日)が開催された。1周4.674kmのオートポリスは、99年にオールスター戦が初開催され、03年からシリーズ戦に組み込まれた。高速&中低速コーナーとアップダウンが続くテクニカルコースで、ブラインドコーナーもあり、アクシデント多い。路面は荒れているため、タイヤに掛かる負担も大きい。そのためGT500では、タイヤ交換のために2ピットストップ作戦を行うチームもある。
また今年は、開幕戦から第6戦までは獲得ポイント×2kgとして設定されたハンディウェイトが、第7戦と第8戦は獲得ポイント×1kg、最終戦ではノーウエイトハンデとなる。
今季ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」:Epson NSXと、2年目となる「LEXUS TEAM SARD」:DUNLOP SARD SC430の2チーム、2台にタイヤを供給して、レースを戦っている。
予選13位のDUNLOP SARD SC430
【GT500】
予選日の午前9時5分から10時50分まで行なわれた公式練習走行。セッション開始直前にパラパラと小雨が降り出し、ウエット宣言が出されたが、路面を濡らすまでには至らず、そのままドライコンディションで公式練習走行は進行した。前戦の富士スピードウェイでは、ウエットでの公式練習走行となり、ロイック・デュバル/Epson NSXと、アンドレ・クート/DUNLOP SARD SC430がトップ2のタイムをマーク。だが、今回は、セッティングを十分に合わせることができずに、Epson NSXは13番手、DUNLOP SARD SC430は14番手のタイムにとどまり、午後からの公式予選1回目に臨んだ。
午後12時40分にスタートした公式予選1回目は、完全なドライで争われた。Epson NSXは、ロイック・デュバル選手がタイムアタックを担当したが、タイムが伸びずに予選14位に終わった。前戦では今季初ポールを獲得したロイック・デュバル選手だったが、今回のレースは、クラス最後尾グリッドからのスタートという厳しい戦いとなった。
DUNLOP SARD SC430は、まずアンドレ・クート選手がコースイン。そして今季からGT500にステップアップした平手晃平選手がタイムアタックを担当。こちらもタイムが伸び悩み、予選13位で予選を終えた。2台ともにスーパーラップ進出は果たせなかった。
決勝ではスタートドライバーを担当した中山友貴選手/Epson NSX
決勝日の朝、晴れていたが部分的に雲もあり、気温10度、路面温度13度と、風が強く肌寒さも感じる状況だった。午前8時30分から30分間のフリー走行が行われ、Epson NSXは14位、DUNLOP SARD SC430は7位のタイムでセッションを終えた。
決勝スタート時刻の午後2時には、気温17度、路面温度は27度に上昇。上空にちりばめられた雲が風に流されて、青空と雲が刻々と入れ替わるという天候は朝と同様だった。
65周、300kmの決勝レースがスタート。14番手グリットからスタートした中山友貴/Epson NSXは、予選順位のままで1コーナーに進入。2周目には前方のアクシデントによって12番手にアップし、12周目には11番手に浮上。2ピットストップ作戦のEpson NSXは、21周目にピットインしてロイック・デュバル選手にチェンジ。42周目に2回目のピットインをして、そのままロイック・デュバル選手が最後まで走り切って、9位でゴールした。
「今日のコンディションは想定外でもあり、それにタイヤとマシンを合わせられずに、2ストップ作戦にしました。最後のスティントは手応えがあって、収穫のあるレースでした。2ストップとしては、ドライバーもチームもミスのない戦いでした」と振り返る中嶋悟総監督。
「スタートは落ち着いて行けましたが、後ろだったので信号が見えず少し出遅れました。前方の接触で順位を上げましたが、その前とは開いてしまいました。いろいろな状況に適応できるよう、引き出しを増やさなければというのが今後の課題です」と中山友貴選手。
決勝では接触のため大きくタイムロスしたDUNLOP SARD SC430
DUNLOP SARD SC430は、スタートドライバーのアンドレ・クート選手が、予選順位キープの13番手でスタートを切った。2周目には1台をパスして12番手に浮上したが、そのパスしたマシンに追突される形となり、リアに大きなダメージを負ってしまった。3周目にピットインしてマシンを修復し、トップから7周遅れでコースに復帰した。
平手晃平選手に交代後も、好タイムで安定したラップを刻んでいたが、序盤のアクシデントによるタイムロスは大きく、結局、7周遅れの12位で、レースはチェッカーとなった。
「レースでは、17号車が後ろから接触したために、多くのラップを失ってしまった。最終戦もてぎでは、マシンのセッティングを決めて、予選で上位に進出して、ポイントを獲得することはもちろん、再び表彰台に上がりたい」とアンドレ・クート選手はコメント。
「レースでは、アクシデントはありましたが、いいラップタイムでコンスタントに走れていました。予選で一発のタイムが出なかったので、厳しいレースになってしまいました。次のもてぎは、ダンロップとしても得意なサーキットなので、いい結果を残して、今シーズンを締めくくりたいですね」と平手晃平選手は、最終戦に向けての決意を語った。
11月8日、最終戦ツインリンクもてぎではダンロップ勢の今季初優勝に期待したい
今季、シーズン序盤は厳しい戦いが続いたダンロップ勢だが、第6戦スポーツランドSUGOではDUNLOP SARD SC430が2位入賞、第7戦富士スピードウェイではEpson NSXがポールポジションを獲得するなど、着実に調子を上げてリザルトを残している。今回は、用意したタイヤと、気温&路面コンディションとのマッチングが十分ではなく、セッティングを合わせ切れず、さらにアクシデントも加わり、その勢いに乗れなかった。
最終戦となる第9戦(11月7~8日)ツインリンクもてぎは、ストップ&ゴーが続くテクニカルサーキット。ダンロップ勢の今季のラストを締めくくるレースに注目したい。