メルセデスSLS、10号車が今季最高位の4位ゴール
GT300クラスには今回も24台の車両が参加した。「GAINER Rn-SPORTS SLS」(10号車=植田正幸/山内英輝)、「GAINER DIXCEL SLS」(11号車=平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)の2台がダンロップタイヤを装着してエントリー。ポイントリーダーの11号車は搭載ウエイト上限の100kg、また10号車は2kgのハンディウエイトを搭載しての参戦となった。
予選9位を獲得した10号車。決勝レースも期待がかかる
30日朝の公式練習では、軽量な10号車が8位、ウエイトの重い11号車は13位。公式予選Q1は、気温30℃でスタートした。15分間のセッションは、残り6分となった時点で一台の車両がコースアウトを喫し赤旗中断となったが、10号車の山内が6番手タイムをマークしてQ2進出を果たした。しかし11号車の平中は、重い車両に手こずり18位となりこれで決勝レースのグリッドが確定した。13台が残ったQ2では、10号車の植田が9位となり、こちらも決勝グリッドが確定となった。
ハンディウエイトの軽量な10号車はこの鈴鹿で上位入賞の大チャンス
決勝レースのスタートドライバーは10号車が山内、11号車がビルドハイム。気温は27℃、路面温度は31℃と前日の予選より低くやや涼しい。しかし序盤16周でビルドハイムがピットインして路面とのマッチングが合わなかったタイヤを交換し、平中に交代。また5位まで大きく順位を上げていた10号車の山内も予定より早い21周でピットインしてタイヤを交換し植田に交代することとなった。平中と山内は徐々に順位を回復し、35周目には平中が8位、植田が10位と2台ともポイント圏内に。平中は39周でピットインするとタイヤ交換と給油のみで再びコースへ。植田も44周でピットインすると、タイヤ交換と給油を済ませ山内に交代した。
思うようにペースを上げることができず苦しい展開を強いられることになった11号車
予定の4回ピットが5回に増えたことで、作戦の軌道修正を強いられた2台だったが、軽量な10号車は徐々に本来のペースをつかみ、76周目には山内が7位へ。しかし11号車はウエイトに苦しみ、65周でビルドハイムに交代してもなかなかトップ10に食い込むような走りができない。しかしそれでも諦めずに周回を重ねていった。
ポイントリーダーとして意地の10位入賞を果たした11号車。これでシリーズ2位となったが、チャンピオンは十分に狙える距離だ
終盤の99周目に11号車のビルドハイムがピットインして平中に交代。80周からドライブしていた10号車の植田も、101周目にピットインして山内に交代した。レース終盤の126周目に11号車は最後のピットインでビルドハイムに交代し、13位でコースへ。5位まで順位を上げていた10号車の山内も132周目に最後のピットインをして、ドライバーはそのままに8位でコースへ。ゴールが近づくにつれ上位陣にもトラブルが発生するようになると、2台のメルセデスSLSは少しずつ順位を上げていった。150周目に5位となった10号車の山内は、次の151周目に一台を抜き4位となりその順位を守ってチェッカー。開幕戦以来の入賞を果たした。11号車のビルドハイムも150周目にはポイント圏内の10位まで順位を上げてゴール。貴重な2点を追加した。
チェッカーを受けてピットロードでスタッフらの出迎えを受ける10号車と11号車。10号車は今季最高の4位
「序盤からしんどいレースになりましたが、今回のレースは軽くてチャンスでしたし、ここしばらく悔しいレースが続いていたのでホッとしています。終盤に山内が頑張ってBMWを抜いて4位に上がってくれました。うれしい!」と植田。一方ポイントリーダーを譲り2位となった平中は「クルマのバランスは悪くなかったのですが、重量とタイヤの相談をしながらの走りで厳しいレースになりました。それでも10位で2点を取れたのでまだツキはあるのかもしれません。次のタイはウエイトも軽くなるし予選日は誕生日なので、バースデーポールを狙って頑張ります」と気持ちを切り替えていた。