第6戦 7月24日(土)~8月22日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)
予選4位のEpson HSV-010は、惜しくも7位でゴール
DUNLOP SARD SC430は、健闘するも8位でチェッカー
好調な滑り出しのEpson HSV-010
真夏の鈴鹿サーキットを舞台に、2010年スーパーGTシリーズ第6戦第39回インターナショナル ポッカGTサマースペシャル(8月21~22日)が開催された。このレースは、今年で39回目を迎える伝統の耐久レースであり、08年までは1000kmレースとして開催されていた。06年からスーパーGTシリーズの一戦に組み込まれ、昨年からはシリーズ最長の700kmレースとして争われる。3回以上のピットインが義務となる。1周5.807km、テクニカルコースの鈴鹿サーキットを舞台に、ドライバー、マシン、タイヤにとって、過酷な真夏の耐久レースとなった。
今回、ドライ用タイヤは、GT500クラスとGT300クラスは、ともに2種類。GT500は、32号車がソフト側、39号車はハード側と分かれ、GT300はハード側をチョイスした。
予選6位のDUNLOP SARD SC430
【GT500】
今季、ダンロップを装着して戦う、「NAKAJIMA RACING」のEpson HSV-010と、「LEXUS TEAM SARD」のDENSO DUNLOP SARD SC430。「NAKAJIMA RACING」は、新加入のベテラン道上 龍選手とスーパーGT参戦2年目となる若手の中山友貴選手、「LEXUS TEAM SARD」は、ベテランのアンドレ・クート選手と、チーム加入2年目の平手晃平選手というラインナップで臨む。前戦までの成績 (第6戦までは前戦までの獲得ドライバーズポイント1点を2kgに換算) によって搭載されるハンデウエイトは、Epson HSV-010は6kg、DENSO DUNLOP SARD SC430は18kgを搭載する。
土曜の予選日は快晴となり、午前10時5分からの公式練習から気温32℃、路面温度42℃と高くなった。Epson HSV-010は道上 龍選手が5番手、DENSO DUNLOP SARD SC430はアンドレ・クート選手が9番手のタイムをマークした。
昼には気温35℃、路面温度49℃と上昇。予選1回目は午後1時25分にスタート。DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が5番手、道上 龍選手が10番手。
3時20分からの予選2回目、今回はノックダウン方式が採用され、3セッションに分けて争われた。ダンロップ勢は、好調さを発揮して、2台ともにセッション3まで進出を果たした。Epson HSV-010は道上 龍選手が4番手グリッド、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が6番手グリッドを獲得し、決勝での上位入賞が期待された。また、このレースは、夕闇のチェッカーが特徴でもあるため、午後6時30分からは、ナイトセッションの公式練習も行われた。
4回ピット作戦でリードしたEpson HSV-010
決勝日も好天に恵まれ、9時55分から45分間に渡って行われた朝のフリー走行では、早くも気温34℃、路面温度45℃まで上昇した。このセッションでは、DENSO DUNLOP SARD SC430は6番手、Epson HSV-010は10番手で、決勝レースに向けてのマシンチェックを終えた。
121周、700kmの決勝レースは、夕闇のチェッカーとなるように、午後3時にローリングラップが始まり、午後3時5分にローリングスタートが切られた。暑さのピークは過ぎてはいるが、依然として気温34℃、路面温度49℃とハードなコンディションとなっていた。
道上 龍選手がスタートドライバーを担当した予選4位のEpson HSV-010は、ポジションをキープしたまま、17周終了で早めのピットインとなった。他チームより1回多い4回ピット作戦で、上位入賞を狙っていた。実際、各車が1回目、2回目、3回目のピットを終えるごとに、Epson HSV-010はトップに立っていた。97周目、最後となる4回目のピットインをしたEpson HSV-010は、中山友貴選手から道上 龍選手に交代してピットアウトをしたが、マシンが動き出した時点で、ピット作業ミスのために右リヤタイヤが脱落するというトラブルが発生して大きくタイムロス。7番手でコースに復帰することになり、Epson HSV-010は惜しくも7番手でチェッカーとなった。
一方、予選6位のDENSO DUNLOP SARD SC430は、アンドレ・クート選手がスタートドライバーとなり、11周目には5位、18周目には4位と着実にポジションアップ。平手晃平選手、アンドレ・クート選手、平手晃平選手と交代するオーソドックスな3ピット作戦で刻んだ。だが次第にタイヤと路面コンディションのマッチングが悪化し、中盤からは厳しい戦いを強いられたが、終始攻めのレース展開を見せながら8位で夕闇のチェッカーを受けた。
厳しいレースとなった平手晃平選手(左)
作戦どおりの戦いを展開したが、7位に終わったEpson HSV-010。
「応援ありがとうございます、富士に期待してください」中嶋 悟総監督。
「昨日の走行でソフト側のタイヤがよかったので、ピットを1回増やして、他のチームとピットでも、コース上でも、あまり重ならないようにしてタイムを稼ごうという作戦でした。最後のピットインで、作業ミスがありましたが、レース的にはいい戦いができたと思っています。次の富士では、さらに、いいレースができると思います」と道上 龍選手は語った。
「予選では、Q2を担当しましたが、いいアタックができました。レースは残念な結果になりましたが、次戦につながるレースができたので、次はHSV-010には厳しいサーキットですが、いい結果を残せるように頑張ります」と中山友貴選手。
そして中盤から厳しいレースとなったDENSO DUNLOP SARD SC430。
「今回、予選はよかったのですが、決勝ではタイヤと路面がマッチせず、各スティントのラスト10周がきつかったですね。富士では上位を狙います」と菅野純博監督は振り返った。
「フリー走行までは調子がよくて、今回は表彰台に届きそうな手応えがありましたが、決勝ではマッチングが悪く、速いラップタイムを刻むことはできませんでした」とアンドレ・クート選手は語った。
「今回は思うような走りができず、とても残念でした。次回は表彰台を目指して頑張りたいと思います」と平手晃平選手。
ダンロップ勢の富士での反撃に期待したい
今回、予選から確かな手ごたえを感じさせたダンロップ勢だが、レースでは残念なピットミスやマシンと路面コンディションがマッチしない場面もあり、表彰台のチャンスを逃してしまった。第7戦富士(9月11~12日)では、今回のレースで得られたデータと8月に行われた富士スピードウェイでのテストと合わせ、さらなるポテンシャルアップが期待される。
第7戦は、全車のウエイトハンデが半減されるために、強いマシンが速さを取り戻し、さらに厳しい戦いが予想される。前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされた富士は、毎回、好バトルが展開されるだけに、ダンロップ勢がどんな戦いを見せてくれるのか注目したい。