第6戦 8月22日(土)~23日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)
DUNLOP SARD SC430、厳しい戦いとなったが、粘りを見せて7位入賞!
Epson NSX、アクシデントがエンジントラブルを誘発し、惜しくもリタイア!
第5戦では2位入賞を果たしたDUNLOP SARD SC430
真夏の鈴鹿サーキットを舞台に、2009年スーパーGTシリーズ第6戦(8月22~23日)が開催された。例年、鈴鹿1000kmとして開催されるこの大会は、今年で38回目を迎える伝統の耐久レースであり、06年からスーパーGTシリーズの一戦に組み込まれた。
今年は、経費削減を目的とするシリーズのレース距離の短縮に合わせて、700kmレースとなった。250kmから400kmで争われる今季のスーパーGTでは最長であり、3回以上のピットインが義務づけられる。1周5.807km、テクニカルコースの鈴鹿サーキットを舞台にする真夏の耐久レースだけに、ドライバー、マシン、タイヤにとっては過酷な一戦だ。
今季ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」:Epson NSXと、2年目となる「LEXUS TEAM SARD」:DUNLOP SARD SC430の2チーム、2台にタイヤを供給している。
今回、ダンロップが鈴鹿サーキットに持ち込んだドライ用タイヤは、ミディアムとハードの2種類。ウエット用は、溝の深さの違う2種類を用意。決勝レースは、2台ともにハードを装着してスタート。ナイトセッションとなる最後のスティントでは、路面コンディションによってはミディアムを投入できるような準備をして実戦に臨んだ。
セッション3に進出して、予選8位となったEpson NSX
【GT500】
今季は、コスト削減のために予選前日の公式練習がなくなり、マシンが走行できるのは予選日と決勝日の2日間のみ。予選日の午前10時40分から105分の公式練習がスタート。ドライコンディションでの走行となり、ここで各車はマシンのセットアップを進めた。
ロイック・デュバル選手とルーキーの中山友貴選手がドライブするEpson NSXは、2人で計34周を走行し、ロイック・デュバル選手が10番手のタイムをマークした。
一方、GT参戦6年目のアンドレ・クート選手とGT500クラス初参戦の平手晃平選手がドライブするDUNLOP SARD SC430は、まず平手晃平選手がコースインして周回を重ねたが、デグナーカーブ立ち上がりでコースアウトしてマシン前部を破損。ピットへ戻ったが、修復のためにそれ以降は走行できずに、14周のみの走行に終わった。
今回の予選方式は、通常のスーパーラップ方式ではなく、F1と同様に3セッションで争われるノックダウン方式を採用。セッション1はGT500とGT300の混走が30分間、そしてクラス別専有走行がそれぞれ10分間。このセッションで全ドライバーが予選通過基準タイムをクリアする必要がある。セッション2とセッション3は、それぞれクラス別に10分間で、GT500はセッション2のトップ8がセッション3に進出し、その結果で決勝グリッドが決定。この2つのセッションは、同じドライバーは乗れないという制限もある。
午後に行われた公式予選では、Epson NSXはロイック・デュバル選手がアタックし、セッション2のトップ8に権利のあるセッション3に進出。ここではロイック・デュバル選手に代わって中山友貴選手がアタックしたが、タイムが伸びずに予選8位となった。
マシンの修復が間に合ったDUNLOP SARD SC430は、平手晃平選手が公式予選に臨んだが、セッティング不足もあって予選13位となり、セッション2への進出は逃した。
最後まで確実に走り切り、7位入賞を決めたDUNLOP SARD SC430
121周、700kmの決勝レースは、夕闇のチェッカーとなるように、午後3時にスタート。直前に小雨が降る場面もあったが、路面をウエット状態にすることはなく止んだ。
DUNLOP SARD SC430は、スタートドライバーのアンドレ・クート選手が、予選ポジションキープとなる13番手の走行を続けた。今回は3回のピットイン義務があるため、まず平手晃平選手に交代。そして再びアンドレ・クート選手に交代して12番手を走行中の85周目に2番手のマシンが炎上したことにより、セーフティカーランとなった。
セーフティカーランが解除となり、89周目にアンドレ・クート選手から平手晃平選手に再び交代して追走を開始、その後8番手までポジションアップ。110周目には7番手まで浮上し、そのまま夕闇のチェッカー。厳しい戦いなかせらも、ポイント圏内の7位となった。
「練習走行のクラッシュの修理が予選まで食い込む状態だったのが響きました。決勝では13番手付近の走行でしたが、最後にはポイント圏内の7位でゴールできました。次の富士では以前からの目標どおりに表彰台の頂点を目指して行きます」と加藤眞総監督。
「練習走行でのミスもあって、セッティングを詰めることができなかったのは残念でした。レースでは、最後までタイヤも十分なパフォーマンスを発揮して、7位で完走できました。次の富士では予選からトップを目指して頑張ります」と平手晃平選手。
決勝レースでは、エンジントラブルでリタイアとなったEpson NSX
一方、予選8位のEpson NSXは、スタートドライバーのロイック・デュバル選手が1周目に9番手へ後退。10周目のS字コーナーでは、周回遅れとなるGT300クラスと接触してコースアウト。コースサイドの草などがマシン前部に入り込み、オーバーヒート状態となって12周終了時にピットへと戻ったが、エンジントラブルのためリタイアとなった。
「GT300のマシンとの接触を避けようとしたロイック選手がコースアウトしてしまった。その時に草を拾ってオーバーヒートでリタイアとなりました。残念な結果ですが、クルマもよくなっているので、次はいい結果を出したいです」と中嶋悟総監督はコメント。
第7戦富士では、さらなるダンロップ勢の活躍が期待される
前回のSUGOでは、DUNLOP SARD SC430が2位入賞を果たすなど、着実な進化を見せるダンロップ勢。今回は、Epson NSXはリタイアに終わったが、DUNLOP SARD SC430は、7位で完走し、700kmのロングランを果たしたことで、次戦富士に向けての新たなデータを収集することもできた。
次は全9戦の山場ともいえる第7戦(9月12~13日)富士300km。前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされた難しいコースだけに、毎回、富士では激しいバトルが展開されている。ダンロップ勢の上位入賞が期待される注目の一戦となる。