第5戦 8月20日(土)~8月21日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)
【GT300】
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
4位入賞でランキングトップをキープ!
レース序盤のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
今季、FIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTC「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」を新投入し、GT300を戦う「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)。昨年からダンロップユーザーとしてFIA GT仕様の「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」で参戦する「JIMGAINER」、第1戦鈴鹿は予選2位、第4戦マレーシアではポールを獲得、11月の特別戦では100km(22周)レースで2連勝をマークした。
新型車の「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」は、レースウィークになってマシンが手元に到着するというデビュー戦だったが、初戦の富士では、雨足が変化する難しいコンディションで、ベテラン田中哲也選手と若手の平中克幸選手が2位入賞。ドライとなった延期開催の第1戦岡山では、2戦連続の2位入賞を達成。フェラーリF458 GTC は、マシンのハイパフォーマンスとダンロップタイヤがベストマッチ。ポイントリーダーとなった第3戦セパンでは60kgのウエイトハンデを搭載したが、3戦連続で2位入賞を決めた。
予選第1回目の出走を待つ田中哲也選手
今回、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、ドライバーの獲得ポイントによるウエイトハンデが合計98kg、前戦から新たに加わった性能調整のウエイト(50kg)と合わせて車重は1443kgとなった。土曜の午前9時55分にドライ路面で始まった公式練習。赤旗中断もあり、終盤には雨もパラついてウエットになった。路面温度が想定外に低かったために、タイヤのマッチングが合わず、タイムは伸び悩んだ。ここでは平中克幸選手の2分08秒555がベストタイムとなり、14番手でセッションを終えた。
午後に行われた予選は、今回はノックアウト方式が採用された。予選1回目(Q1)は全車が走り、予選2回目(Q2)にはトップ16台が進出し、予選3回目(Q3)にはトップ10台が進出してスターティンググリットを決定。ドライとなったQ1では、田中哲也選手が10番手でQ2への進出を決めた。ウエットとなったQ2では、平中克幸選手がタイムアタックを担当したが、一転してヘビーウエットとなった路面と、レインタイヤが思うようにマッチせず、13番手に終わり、Q3への進出を逃してしまった。
「今までとは違い、公式練習と予選は、ともに路面コンディションとタイヤがマッチしませんでした。でも明日もウエットレースになりそうなので、まだチャンスはあると思います。とにかく確実にポイントを獲りに行きます」と平中克幸選手は語った。
疾走するJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
決勝朝のフリー走行は、降り始めた激しい雨のためにヘビーウエットでスタート、途中で雨が止み、終盤には路面が乾き始めるという変化するコンディションとなった。ここではJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、クラス11番手というタイムだった。
午後3時15分といういつもより遅い時刻にローリングスタートが切られた。小雨が微かに残ったウエットコンディション、気温26℃、路面温度27℃と真夏の鈴鹿のスーパーGTとしては涼しいレースとなった。スタートドライバーの平中克幸選手はレインタイヤを装着。路面は次第に乾く傾向にあり、平中克幸選手からの報告も無線で聞き、急きょチームは早めのピットインで浅溝のインターミディエイトに交換して追い上げるという作戦に変更し、12周目という早めのタイミングで1回目のピットインを行なった。
ただ、この時にドライバーとチームのコミュニケーション不足もあり、ピット側はタイヤのみを交換する予定だったが、平中克幸選手はドライバー交代をすると思っており、ピット作業でのタイムロスの原因となってしまった。だが、浅溝のレインに交換した平中克幸選手は、ハイペースな走りでポジションアップ。4番手まで順位を上げて32周目にピットイン。再び雨が降ってきたために田中哲也選手はレインに変えてコースイン。しばらくすると再び路面は乾き始めて、3度目のピットインとなった59周目には、平中克幸選手はドライタイヤを装着してコースインした。
終盤には雨が降り出し、ポジションキープの走りとなったが、序盤の走りやライバルの脱落もあって、4位でチェッカーを受けた。開幕から3戦連続で2位、第4戦は7位、そして4位と着実にポイントを加算したJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、ドライバー&チームランキングトップを守っで、第6戦富士に臨む。
ピットインするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
「予選はダメでしたがレースは上出来。タイトル争いで最大のライバルとなる4号車の前でゴールできました。富士でも確実にポイントを獲りたいですね」と山本俊茂監督。
「季節外れに涼しかったのは想定外。フリー走行では、ある程度戦えるかなという手応えはありました。ウエットスタートとなり、最初のピット作業が、ドライバーとのコミュニケーション不足でバタバタしたこともあり、タイムロスをするなど、いまひとつのレースとなってしまいましたが、4位入賞というのはベストな結果だと思います」と福田洋介エンジニア。
「今回はウエイトが効いているせいか、ドライでもウエットでも速く走ることが、なかなか出来なかったのですが、その中では最善を尽くせた気はします。ピット作業や作戦にもミスがあり、なかなか思いどおりには行きませんね。次の富士も楽ではないと思いますが、ベストを尽くしたレースをしたいですね」と決意を語る田中哲也選手。
「今回は予選から苦戦しました。でもレースでは、ボクらの望んでいた雨量が少なく水たまりができないというコンディションになってくれたので、結果的には4位になれたと思います。4号車が後ろにいるという、ボクらが想像できる一番の結果になりました。今回のレースでは課題が結構あったので、さらにその辺の開発とテストをしないとシーズン終盤がきつくなると思います。1回多くピットに入りましたが、浅溝ウエットのパフォーマンスがとてもよく、その時走っている中では一番の速さで走れたので挽回することができました。予選では雨で苦しみ、決勝では雨に助けられました。次回もチーム一丸となってやれば、いいレースができると思う」と平中克幸選手はコメント。
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458とダンロップの さらなる快進撃を期待したい
今回は4位入賞を決めたJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、ドライバー&チームランキングでもトップをキープする。第6戦(9月10~11日)は、今季2度目となる富士スピードウェイでの戦いだ。ヘビーなマシンとなったことで、前回の富士とは大きく違い、厳しい戦いとなることは必至だが、確実にポイントを加算したいところだ。
第7戦オートボリスではウエイトハンデは半減、最終戦ツインリンクもてぎではノーウエイトハンデとなる。JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458、田中哲也選手&平中克幸選手、そしてダンロップのタイトル獲得へ向けた疾走は、さらに加速する。