第5戦 7月25日(土)~26日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
DUNLOP SARD SC430、快調な走りで今季初表彰台となる2位を獲得!
Epson NSX、ピットインのタイミングが天候の変化と合わず入賞を逃す!
DUNLOP SARD SC430を駆って、待望の2位表彰台を獲得した平手晃平選手とアンドレ・クート選手(左から)
スポーツランドSUGOを舞台に、2009年スーパーGTシリーズ第5戦(7月25~26日)が開催された。このコースは、高低差約73m、最終コーナーからメインストレートは上り10%勾配が続くなど、アップダウンの多いテクニカルサーキット。ストレートから1コーナー進入では、スリリングなパッシングシーンが展開され、迫力あるレースが楽しめる。
ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」:Epson NSXと、2年目となる「LEXUS TEAM SARD」:DUNLOP SARD SC430の2チーム、2台にタイヤを供給している。
今回、ダンロップがスポーツランドSUGOに持ち込んだドライ用タイヤは、ソフト、ミディアムの2種類。ウエット用は、溝の深さの違う2種類を用意。決勝レースは、Epson NSXがミディアム、DUNLOP SARD SC430はソフトを装着してスタートした。
予選1回目は思うようにタイムが伸びず、予選12位スタートとなったEpson NSX
【GT500】
ロイック・デュバル選手とルーキーの中山友貴選手がドライブするEpson NSX。今季は、コスト削減のために予選前日の公式練習がなくなり、マシンが走行できるのは予選日と決勝日の2日間のみ。予選日の午前9時45分から105分の公式練習がスタート。今回はドライコンディションでの走行となり、各車はマシンのセットアップを進めた。
Epson NSXは、ロイック・デュバル選手が5番手となり、午後に行われた公式予選1回目は、ロイック・デュバル選手がアタックしたが、タイムが伸びずに予選12位に終わり、トップ8に権利があるスーパーラップ進出は果たすことができなかった。
一方、GT参戦6年目のアンドレ・クート選手とGT500クラス初参戦の平手晃平選手がペアを組むDUNLOP SARD SC430は、午前の公式練習ではアンドレ・クート選手が10番手のタイムをマーク。午後の予選1回目は、2戦連続でタイムアタックを担当した平手晃平選手に代わって、今回はアンドレ・クート選手がタイムアタックに臨んだ。まず、平手晃平選手が予選基準タイムのクリアを目的にコースイン。そして、終盤のGT500単独走行セッションで6番手のタイムをマークして、見事に今季初めてのスーパーラップ進出を決めた。アンドレ・クート選手は、スーパーラップはミスなく走りきったが、タイムを更新することはできずに、予選1回目の順位キープの予選6位グリットを獲得した。
ウエットになってからは、平手晃平選手が安定した走りで健闘し、2位だチェッカー
決勝当日は、天候は良好だったが、レース中の降雨も予想される天気予報だった。午前9時45分からのウォームアップ走行では、DUNLOP SARD SC430は4位、Epson NSXは10位と、順調な仕上がりを感じさせるポジションとなった。
決勝レースのスタート時刻が迫るにつれて、最終コーナー方向の空は黒い雨雲に覆われ、それがサーキットへと流れていった。午後2時、300km、81周に渡る決勝レースがスタートすると同時に、路面を照らしていた日差しは、時折、雲に遮られるようになった。
DUNLOP SARD SC430は、スタートドライバーのアンドレ・クート選手が、1コーナー進入までに4番手に浮上。その後、GT-Rの1号車と激しい4番手争いを展開した。
26周目あたりから雨が降り始めて、義務周回数をクリアする27周目に、まずトップのGT-Rがピットイン。28周目には直前を走行していたGT-R・1号車もピットインし、アンドレ・クート選手のDUNLOP SARD SC430は3番手に浮上した。レースは、ピットインのタイミングと、浅溝か深溝かというレインタイヤのチョイスが、その後の展開を大きく左右した。
DUNLOP SARD SC430はドライタイヤで走れる限界までコース上で待ち、34周目終了時にピットイン。このコースのピットは狭いために、隣接するマシンとピットインが重なると、マシンをピットロードと平行にできず、斜めに止めることになり、出入りで大きなタイムロスとなる。運悪く隣接マシンとの同時ピットインとなり、10秒近いタイムロス。天候の回復を予想して、DUNLOP SARD SC430は、浅溝のレインタイヤを装着し平手晃平選手がコースイン。水量が多い路面コンディションだったが、平手晃平選手は果敢な追撃を開始。前車をパスして3番手に浮上し、攻めながらも、それを確実にキープしていった。
トップのSC430・6号車は深溝レイン、2番手のGT-R・1号車と3番手の平手晃平/DUNLOP SARD SC430は浅溝レインという状況でレースは進行。50周目あたりで雨は完全に上がり、コースは乾き始めた。SC430・6号車はペースをキープすることができず、71周目には平手晃平選手は2番手に浮上。そのままDUNLOP SARD SC430は、今季初表彰台となる2位入賞。平手晃平選手にとっては、GT500初表彰台でもあった。
11位となったEpson NSXだが、次戦へ向けての手応えをつかんだ一戦となった
「ここまで長かったけど、タイヤもマシンもいい状態になってきたので、これからはますます面白いレースができそうです。あのままドライでも、同じようなポジショニングができたでしょう。平手選手は、いい走りをしてくれましたね。この後、合同タイヤテストもあるので、鈴鹿では着実に戦い、富士では優勝を狙います」と加藤眞総監督はコメント。
「土曜の走り出しから、タイヤがベストマッチで、いい流れに乗ることができました。これで満足せずに、さらに上を目指して頑張って行きたいと思います」と平手晃平選手。
予選12位のEpson NSXは、ロイック・デュバル選手がスタートドライバーとなり、雨が降り出した27周目に深溝ウエットにタイヤのみ交換、そして41周目に再びピットインし、浅溝レインを装着。中山友貴選手にチェンジして、14番手でコースに復帰し、次第にペースアップして追い上げた。結局、トップから1周遅れの11位でフィニッシュ。
「結果的に、ピットインのタイミングが1回目は2~3周早過ぎて、2回目は遅過ぎでした。今回は厳しい条件だったので、そんなギャンブルをしなければならない状況でした。でもタイヤの手応えはよかったので、次は期待してください」と中嶋悟総監督はコメント。
「雨が降ってきてからは速く走ることができて、前車を抜くことができました。確実に走ることができ、次につながるレースになりました」と中山友貴選手は振り返った。
平手晃平選手がうれしいシャンパンファイト。さらなる活躍が期待される成長株だ
今季、着実な進化を見せるダンロップ勢は、DUNLOP SARD SC430が、待望の初表彰台となる2位フィニッシュ。Epson NSXは、タイヤに確実な手応えを感じながらの11位完走と、次戦以降に向けてのデータを収集することもできた。
次は全9戦の後半戦に突入する第6戦(8月22~23日)鈴鹿700km。テクニカルコースの鈴鹿サーキットを舞台にした、夕闇のチェッカーが名物の真夏の耐久レース。ダンロップ勢が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。上り調子なだけに楽しみな一戦だ。