第3戦 5月3日(日)~4日(月) 富士スピードウェイ
Epson NSXは、果敢に攻めて8位でフィニッシュ
DUNLOP SARD SC430は、2戦連続の10位!

決勝当日、朝のフリー走行で、ドライバー交代するEpson NSX

 5月3~4日、2009年スーパーGTシリーズ第3戦が開催された。舞台となる富士スピードウェイは、全長4563km、約1.5kmの長いメインストレートが特徴で、コース前半は高速セクションが展開し、後半のダンロップコーナーからはテクニカルセクションが続く。
 今季ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」:Epson NSXと、2年目となる「LEXUS TEAM SARD」:DUNLOP SARD SC430の2チーム、2台にタイヤを供給する。
 例年、5月の大型連休に開催される富士スピードウェイの大会は、500kmで争われる。だが今季はコスト削減の意味もあって今大会は400kmレースに短縮。また2回以上のピットインが義務化された。予選前日の練習走行が予選日に移動し、レースウィークにマシンが走れるのは2日間のみとなったため、マシンを煮詰める時間もタイトになっている。
 今回、ダンロップが用意したタイヤは、ドライ用はミディアムとハードの2種類。予選前の練習走行の手応えから、Epson NSXはハード、DUNLOP SARD SC430はミディアムをそれぞれチョイスして、予選に臨んだ。

セッティングが決まらず、予選タイムが伸びなかったDUNLOP SARD SC430

【GT500】
 今季、Epson NSXは、ロイック・デュバル選手と、新パートナーのルーキーの中山友貴選手がドライブ。全日本F3選手権からステップアップした中山友貴選手は、初のスーパーGTでトップカテゴリーのGT500に参戦し、着実なドライビングで健闘している。
 第3戦の予選日は、朝から快晴で、富士山もクッキリと姿を現した。午前の公式練習では、Epson NSXを駆るロイック・デュバル選手は8番手のタイムをマーク。午後に行われた予選1回目は、ロイック・デュバル選手がアタックをしたが、タイムが伸びずに予選11位に終わり、トップ8が進出するスーパーラップには届かなかった。
 DUNLOP SARD SC430は、GT参戦6年目のアンドレ・クート選手と、フォーミュラ・ニッポンをはじめ、昨年はGT300クラスでも活躍した平手晃平選手が、新パートナーとしてドライブ。開幕戦では、予選からマシントラブルに苦しんだが、第2戦では10位入賞を果たして、上位進出を目標とする第3戦を迎えた。今回は、平手晃平選手が予選でのタイムアタックを担当。セッション終盤に8番手のタイムをマークして自身のアタックは終了。最終的に、DUNLOP SARD SC430は、予選12位で決勝を迎えることになった。

Epson NSXの中山友貴選手(中)と ロイック・デュバル選手(右)

 決勝当日は、雲はあるが日も差しているというレース観戦に適した天候となり、サーキットには5万人の観衆が訪れた。午後2時に88周で争われる決勝レースがスタート。予選2位と予選3位のマシンがヘアピンで接触したことで、Epson NSXを駆るロイック・デュバル選手は、1周目には予選11位から9番手まで浮上。その後は、同じダンロップ勢のDUNLOP SARD SC430ともバトルを展開しながら周回を重ねた。
 30周目にピットインして、中山友貴選手に交代。アウトラップで、3号車のGT-Rにパスされて9番手でコースに復帰。その後、中山友貴選手は3号車を攻めながらのレースとなったが、3号車が先に2回目のピットインをすることで、2台の攻防は終了。
 60周目にピットインして再びロイック・デュバル選手に交代してゴールを目指した。ピットでの逆転はならず、再び3号車を追いながらの展開となり、終盤には100号車のNSXも交えてのバトルとなった。ロイック・デュバル選手は果敢な走りを続けながら8位でチェッカーを受けて、開幕戦から3戦連続入賞をマークした。
「ドライバーもチームもミスなく戦った今回の状況下では、8位というのはベストの結果でした。さらにポテンシャルを高めて、次のセパンでは、なんとしても表彰台に上がりたいと思っています」と中嶋悟総監督はレースを振り返り、次戦への決意を語った。
「レースではガソリン搭載量を少なくした状態で速いスティントを刻むという作戦でした。周回を重ねるにつれて路面がよくなり、アウトラップ抜かれた3号車との間合いも詰めながら走れました。前回の鈴鹿では、GT300に詰まってラップタイムが落ちることもありましたが、今回はGT300をうまく使うことができました。次のセパンは走った経験のないコースですが、全力で臨みます。トップとはまだ差はありますが、毎戦、着実にポイントを重ねて、次戦は表彰台を獲得できるように頑張ります」と中山友貴選手は語った。

ベテランらしい安定した強さを発揮する アンドレ・クート選手

 予選12位のDUNLOP SARD SC430は、決勝朝のフリー走行では5番手のタイムをマークするなど、順調な仕上がりを見せていた。決勝レースではアンドレ・クート選手がスタートドライバーを担当して、1周目は11番手に浮上。好調なバトルを展開したアンドレ・クート選手だったが、スティントの終盤には予想以上にペースが落ちたために、予定より少し早めにピットインして平手晃平選手に交代。同じSC430の38号車とバトルを展開しながら、10番手でアンドレ・クート選手にドライバー交代。その後も激しいバトルが繰り広げられた。ドライバー&チームは、ともにミスなく最後までレースを戦い、DUNLOP SARD SC430は、前戦に続く10位入賞を決めた。
「アンドレ選手も平手選手も頑張り、全力で戦った結果の10位です。毎回、朝のフリー走行では、いいタイムが出るのですが、それを予選で出すことができていません。もう1押しの強さが足りないので、さらに上へ行けるようにしたいです」と加藤眞総監督。
「今回は、クルマとタイヤのセッティングを合わせきれず、ボクがアタックした予選ではタイムが伸びませんでした。でもタイヤは着実に進化しています。ガソリンを積んだ決勝では、いいタイムも出せました。アンドレ選手はミディアムでしたが、その状況からボクはハードで行きました。今回もポイントを獲得でき、また進歩につながるデータを得ることができました。タイヤマネージメントもうまくできて、タイムを出しながら、予定より7周ほど長く走れました。次のセバンでは、スタートドライバーの経験もできる予定なので頑張りたい。セバンのタイヤは、この後のタイヤテストで最終的に仕上げる予定なので、引き出していいタイヤを造っていきたいです」と平手晃平選手。

厳しいコンディションの次戦は、路面とタイヤのマッチングが勝負の大きなポイントだ

 ダンロップ勢は、今回の富士スピードウェイを1つの目標にして開幕戦から戦ってきた。レースで入賞することはできたが、2台ともにスーパーラップ進出は果たせず、十分なパフォーマンスを発揮することはできなかった。今回得られたデータを検証して、次戦に向けての準備を進めることになる。第4戦(6月20~21日)は、シリーズ唯一の海外戦となるマレーシア・セパンサーキット。中高速コーナーとストレートが組み合わされたテクニカルコースを舞台にした注目の一戦となる。赤道に近く、高温多湿であるため、ドライバー、マシン、タイヤにとっては、ハードな戦いを強いられる。だがセパンは前半戦の山場となるレースだけに、さらなるダンロップ勢の活躍を期待したい。


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ニュルブルクリンク2014