GAINER DIXCEL SLSが、トラブルに見舞われるも2戦連続表彰台を獲得
GT300クラスは24台の車両が参戦。予選Q1では11号車のビルドハイムが9位につけ、トップ13台が進出できるQ2へ駒を進めたが、朝の公式練習で出たギヤボックスのトラブルがここでも発生。車両の修復のためにQ2への出走はできなくなり、これで13番グリッドが確定となった。また10号車の山内は15位にとどまり、残念ながら今回もQ2進出はならず。さらにメカニックらがギヤボックスを分解して懸命な作業を続けるも、決勝レースまでにトラブルの原因を突きとめることはできず、不安な決勝を迎えることになった。
ピットに並ぶ2台のメルセデスSLS
500kmレースのスタートは、13位スタートの11号車がビルドハイム、15位スタートの10号車は山内が担当。4周目のストレートエンドで山内らと順位を争っていた車両がバランスを崩して激しくクラッシュ。車両のパーツや破片がコース上に散らばり、車両の回収とコースの清掃のためにセーフティカー(SC)が導入されることとなった。この時点でビルドハイムは既に9位まで順位を上げていた。さらにSCが解除されるとビルドハイムは追い上げを再開し、17周目には6位までポジションアップしていた。しかしその周に火災を起こした車両があり2回目のSC導入。ここでGT300クラスでは9台の車両がピットインして、早めのドライバー交代と燃料補給、そしてタイヤ交換等を行った。
一時は7位まで順位を上げた10号車だったが終盤にストップしてしまった
11号車は平中に、10号車は植田へドライバー交代。2台とも一旦大きく順位を落とす格好となったが、その後は順調に順位を回復。レースの1/3を過ぎた35周目あたりから他の車両も最初のピットインを開始。39周目には平中は4位、植田は入賞ラインの見える12位までポジションアップを果たしていた。しかし39周目のコカ・コーラコーナーで平中はGT500車両に接触され、スピン。幸いなことにそのまま360度ターンをしてコースに復帰。「後ろから来ているのは分かっていてラインも一台分空けておいたのに、まるでロケットのように当てられました。それでタイヤも切れてしまったしクルマのバランスも悪くなってしまいました」と平中。しかしそれでも平中は45周目には2位まで順位を上げた。しかしこのあたりからギヤボックスのトラブルがじわじわと出始めており、コーナーからの加速が思うようにできないようになっていた。
また植田も45周目には7位までポジションアップしていたが、こちらにもギヤボックスのトラブルが発生。さらにタイヤのグリップが急激に低下したこともありポジションを落とし、60周でピットインして山内に交代した。平中は62周でピットインしてビルドハイムに交代。
終盤にBMW Z4と激しいバトルを展開しスタンドを沸かせた11号車
ビルドハイムは10位でコースに復帰すると73周目には#4 BMW Z4の背後、5位まで順位を回復し、徐々にその差を縮めていった。79周目の1コーナーでは並びかけるも追い越すことはできず、なかなか前をうかがえない。77周目には表彰台圏内となる3位まで順位を上げたが、目の前の#4 Z4を抜きあぐねていた。そして94周目の1コーナーで勝負をかけるがブレーキは既に悲鳴を上げておりまたしても逆転ならず。96周目にクラストップの車両がスピンを喫してビルドハイムは2位。最後数周のトップ争いとなったが、チェッカーフラッグまでトップを奪うことはできず2位でチェッカー。2戦連続の表彰台を獲得することになった。
平中とビルドハイムは2戦連続で表彰台を獲得した
「2回目にドライブした時は既にギヤボックスのトラブルが出ていましたし、最後の15周ぐらいはブレーキが深くて思うようなコントロールができませんでした。タイヤのパフォーマンスも良く、良く追い上げていいレースができたと思いますが、やはり優勝したかったです」とビルドハイム。「ものすごくたくさんの試練がありましたが、勝てるパフォーマンスを見せることができました。3番、2番と来たので次こそ1番ですね」と平中も前向きに答えていた。なお10号車の山内はマシントラブルのために、9位走行中の終盤93周目にコース脇でストップ。残念ながら入賞は逃すこととなった。