第2戦 4月18日(土)~19日(日) 鈴鹿サーキット
Epson NSXは、ルーキー中山選手が健闘して9位!
DUNLOP SARD SC430は、追い上げを見せて10位
予選1回目は9位となり、惜しくもスーパーラップ進出を逃したEpson NSX
4月18~19日、2009年スーパーGT第2戦が開催された。舞台となる鈴鹿サーキットは、10月4日、3年ぶりに開催されるF1日本GPのために、グランドスタンドやパドックなどがリニューアルされた。また、一部のエスケープゾーンが広がり、約半分の路面舗装も新しくなった。今回のレースは、新生鈴鹿サーキットのこけら落としとなる記念すべき一戦として開催。鈴鹿サーキットは、低速と高速コーナー、長いストレートが組み合わされ、タイヤにとっては厳しく、ドライバーにとっては攻めがいのあるコースだ。
今季は、コスト削減のためにレギュレーションが変更され、金曜日の練習走行はなくなった。レースウィークにマシンが走れるのは予選日と決勝日の2日間という2デイズ開催。また、公式テストは、スーパーGT開幕2週間前に行われた岡山国際サーキットの1回だけ。さらにレース距離は300kmを基本に、昨年までの1000kmが700km、500kmが400kmとなる。さらに最終戦は250kmに短縮され、ノーウエイトハンデで戦われる。
今季、ダンロップは、ユーザーとして5年目を迎える「Epson NAKAJIMA RACING」と、2年目の参戦となる「LEXUS TEAM SARD」の2チーム、それぞれ車名は、Epson NSXと、DUNLOP SARD SC430の2台にタイヤを供給する。
今回、サーキットに持ち込んだタイヤは、ドライ用はミディアムとハードの2種類。決勝では、2台ともにミディアムをチョイスし、スターティンググリッドに並んだ。
DUNLOP SARD SC430は、予選1回目はタイムが伸びずに予選14位となった
【GT500】
今季、ロイック・デュバル選手の新パートナーは、07~08年全日本F3選手権に参戦して、初参戦のスーパーGTで、GT500に挑戦する21歳のルーキー中山友貴選手。今季、4年ぶりに岡山国際サーキットが舞台となった開幕戦はウエットで戦われた。予選11位のEpson NSXは、後半を担当した中山友貴選手が健闘して7位入賞を果たした。
そして1カ月後に迎えた第2戦。予選日の午前8時25分から行われた公式練習では、Epson NSXを駆るロイック・デュバル選手は11位のタイムをマーク。続く午後の予選1回目では、ロイック・デュバル選手がタイムアタックをしたがタイムが伸びずに予選9位に終わり、トップ8に権利のあるスーパーラップへの進出はできなかった。
ダンロップユーザー2年目のDUNLOP SARD SC430は、GT参戦6年目のアンドレ・クート選手と、フォーミュラ・ニッポンでも活躍し、昨年はGT300クラスで優勝も経験した平手晃平選手が、新たなパートナーとなった。開幕戦では、DUNLOP SARD SC430は、予選からマシントラブルに見舞われ、決勝レースでも終盤にトラブルでピットイン、そのままレースを終えることとなった。第2戦では、十分にセッティングが決まらないこともあって、公式練習と予選1回目はともに14番手となった。
決勝日は快晴、スターティンググリッドに並ぶEpson NSX
決勝当日は快晴となり、午後2時過ぎに52周で争われる決勝レースがスタート。予選9位のEpson NSXを駆るロイック・デュバル選手は、1周目に2台パスされて11番手までポジションを落とした。その後、予想外にラップタイムが伸び悩み13番手までダウンし、21周目に予定より早めにピットイン。ロイック・デュバル選手から中山友貴選手にチェンジしてコースに復帰。前を走るGT-Rをパスするべく、中山友貴選手は終始攻めの走りを展開。だが、残り4周で上位グループの3台のマシンが絡む多重クラッシュが発生。レースはセーフティカーランのままでチェッカーとなり、Epson NSXは10番手でフィニッシュ。レース後に1台がペナルティで降格となり、正式結果では9位となった。
「セッティングを合わせきれず、いい結果を残せませんでしたが、ポイントを獲ることはできました。次の富士では、さらにいい結果を目指します」と中嶋悟総監督はコメント。
「前のクルマとはラップタイムも変わらず、最後まで攻めましたが抜くことはできませんでした。次の富士はテストでも調子がよかったので期待してください」と中山友貴選手。
レース序盤、順調な走行で12番手に浮上したDUNLOP SARD SC430
GT500クラス最後尾となる14番手グリットからスタートしたDUNLOP SARD SC430。決勝朝のフリー走行では、4番手のタイムをマークし、決勝での活躍が期待されたDUNLOP SARD SC430は、16周目あたりからコンディションにタイヤがマッチせず急速にペースダウン、18周目には予定より早いピットインとなった。平手晃平選手にドライバー交代、タイヤを交換してコースイン。終盤はEpson NSXに続く14番手を走行し、終盤の上位グループのアクシデントとペナルティによる降格もあり、10位入賞。次戦につながるデータも収集し、さらなる上位入賞への突破口としたいところだ。
「まだセッティングがパーフェクトではないのが最大の問題。今回は柔らかめのタイヤでスタートしましたが、路面温度が想定以上になり、早めのピットインとなりました。今回はとりあえず完走して次戦に向けてのデータも取れました。前進するための通過点として、さらにタイヤやセッティングを煮詰めていきたいと思います」と加藤眞総監督。
「今季はGT500に乗れてうれしいですね。常にバトルができ、とても楽しいです。次は好きな富士だし、ダンロップとの相性もいいので、ぜひ期待してください。」と平手晃平選手。
今回のレースは、リニューアルに伴う路面改修や、気温が想定よりも高かったこともあって、レースがスタートすると、用意したタイヤにとっては厳しい状況となってしまった。だか、次戦の富士スピードウェイに向けてのタイヤテスト的な面もあり、レースでは2台ともに第1スティントは攻めた仕様のソフト目のタイヤを履き、第2スティントではロングランのできるハード目のタイヤを装着。後半は2台ともに若手ドライバーが担当し、200km近くを安定した形で走ることができ、多くのデータを収集することができた。
第3戦(5月3~4日)の舞台となる富士スピードウェイは、ダンロップにとっては実績のあるコースであり、ダンロップ勢のドライバーにとっても得意とするコースだ。今季初の400kmレースであり、2回のピットイン&ドライバー交代が義務となるなど、レース戦略的にも楽しめるレースとなる。着実に進化するダンロップ勢の飛躍を期待したい。