DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第1戦 4月6日(土)~4月7日(日) 岡山国際サーキット
【GT300】
ニューマシンの2台体制で臨んだGAINER DIXCEL SLS
予選3位から好走し、見事に開幕戦岡山2連覇を達成!

新加入のビヨン・ビルドハイム選手と2年連続開幕戦を制した平中克幸選手

 4年目のダンロップユーザーとしてGT300を戦う「GAINER」(ゲイナー)。一昨年はFIA GT耐久仕様のフェラーリF458 GTCを新投入し、田中哲也選手と平中克幸選手が最終戦までタイトル争いを展開し、ドライバー&チームランキング2位となった。タイトル奪取を目指した昨年はFIA GT3仕様のAudi R8 LMS Ultraにスイッチ。開幕戦岡山で予選3位からデビューウインを飾り、第2戦富士ではポールポジションを獲得。だが、第2戦から実施された性能調整(POB/パワー・オブ・パフォーマンス)でパワーが絞られて、空力も抑えられた影響は大きく、ストレートスピードが伸びずにコーナーでのパフォーマンスも万全ではなかった。それでも第6戦までは連続入賞を果たしてタイトル獲得の可能性を残したが、結局、ドライバーランキング7位、チームランキング6位という成績で昨シーズンを終えることとなった。
 今季は、さらなる可能性を求めて選択されたのが、「Mercedes Benz SLS AMG GT3」。名門チューナーのAMGが手掛けたGT3仕様のマシンで、ヨーロッパのレースで定評があり、スーパーGTには昨年から参戦しているマシンだ。FRマシンながら、重心は低く、前後バランスも良好で、現状ではパフォーマンスの高いマシンとなっている。だが、今後新たな性能調整が実施されることになれば、それが変化してしまう可能性もある。
 マシンは2台体制となり、ドライバーは平中克幸選手と田中哲也選手が、それぞれ11号車と10号車をドライブ。平中克幸選手とペアを組むのは、昨年までGT500でレクサスSC430やGT-Rで参戦していたビヨン・ビルドハイム選手。フォーミュラ・ニッポンにも参戦していた実力派ドライバーだ。田中哲也選手とペアを組むのは植田正幸選手。スーパー耐久の参戦やスーパーGTに参戦するドライバーで、「GAINER」からの参戦経験も豊富で、2008年には田中哲也選手と組んでスーパーGTに参戦するなど、息もピッタリな仲でもある。
昨年のAudi R8 LMS Ultraは、開幕直前のマシン到着となり、十分なテストができなかったが、今季のMercedes Benz SLS AMG GT3は、1台が1月末からサーキットでのテストが行われ、開幕前に着実にタイヤ開発とセッティングできる状態となっていた。

雨の予選で3位のGAINER DIXCEL SLS

 今季は、GT500と同様に、全戦がQ1とQ2という2回のノックアウト方式の予選となった。雨と強風が吹くという悪天候の影響で、予選1回のQ1は14時10分にスタート。15分間のQ1はトップ13台が、予選2回目のQ2へと進出して、上位の決勝グリッドが決まる。
 路面は水膜ができる悪コンディションとなり、序盤からコースアウトするマシンがあり、2周の計測でセッションは赤旗中断。その後、3回目の赤旗でQ1は終了となった。ビヨン・ビルドハイム選手がドライブするGAINER DIXCEL SLSは、3番手でQ2進出を決めた。10号車の GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLSは田中哲也選手が7番手でQ2進出を決めた。
 Q2も荒れた予選となり、平中克幸選手の11号車は3番手、植田正幸選手の10号車は9番手という結果となり、日曜日の決勝グリッドが決まった。
「公式練習で速かった61号車BRZと3号車GT-Rとの勝負だと思っていましたが、やはり速かったですね。路面状況を考えてユーズトタイヤでアタックした分、一発のタイムが伸びなかったようです。でもレースではウエットでもドライでもいい勝負ができると思います」と平中克幸選手は振り返った。

予選3位からトップに浮上し、レースをリードした

 300kmの決勝レースは、1周目に予選2位の3号車GT-Rがトップに浮上し、ポールの61号車 BRZは2番手に後退。3周目には予選3位のビヨン・ビルドハイム選手の11号車が2番手に浮上、そのまま好調に周回を重ねて、ついに11周目にはトップに浮上。その後は安定した走行を続けながら後続を引き離し、トップのままで47周目にピットインして平中克幸選手へとチェンジ。
 ピットでは、先に入っていた10号車のドアが閉まらないというトラブルがあり、後から入ってきた11号車の行く手を塞ぐ形になるヒヤリとする場面もあったが、すぐに10号車はピット内に引き込まれて修復されたため、11号車のタイムロスはなかった。ドライバーチェンジをした10号車もすぐにコースに復帰。その後は安定した走りで順位をキープし平中克幸選手&ビヨン・ビルドハイム選手組の11号車はトップでチェッカー、10号車も15位でゴールした。

ピットインするGAINER DIXCEL SLS

「今日は、マシンもタイヤも決まって最高のパフォーマンスを見せることができました。昨年に続いて開幕戦で優勝ができてうれしいですね。今季は2台体制なので、2台ともに好成績を残せるといいですね。次の富士も期待してください」と山本俊茂監督はコメント。
「今年は新車が早めに到着したこともあり、岡山に対しては早めにアプローチができたので、タイヤ開発も進んで、マシンのバランスも良好なままで、開幕戦に臨むことができました。ウエットに対してのテストは、あまり出来ていませんでしたが、平中克幸選手の頑張りで3番手に付けてくれました。先日の富士テストや今日のレースで得られたデータを基に富士でも、いいパフォーマンスを発揮したいですね」と小笠原康介エンジニア。
「今季は、ニューマシンとビヨン・ピルドハイム選手という新しい環境になりましたが、2年連続で開幕を勝ててよかったです。昨年の勝利と大きく違うのは、十分なテストを経てタイヤとマシンを開発しての勝利ということですね。昨年は不十分なテストでの初レースでしたから。開発してきたタイヤは、今回のコンディションにベストマッチで、最後までコントロールしながらタイムを刻むことができました。次の富士でも上位入賞を決めて、今年こそ、確実にシリーズタイトルを手にできるように全力で頑張ります」と平中克幸選手は決意を語った。
「今年は、マシンもタイヤも新たなパッケージとなりましたが、実績があるチームであり、チームメイトの平中克幸選手もよく知っているので問題はありませんでした。開幕前にテストも十分にできました。決勝では前にいた3号車と61号車はタイヤが厳しくなったようでペースダウンしたので、チャンスを逃さず抜くことができました。シリーズ最初にいいスタートが切れたので、このまま着実にポイントを重ねて、チャンピオンを獲りたいです」と語るビヨン・ビルドハイム選手。

チェッカー後に、コース上で微笑む山本俊茂監督、平中克幸選手、ビヨン・ビルドハイム選手

 今季、タイトル獲得を目指してMercedes Benz SLS AMG GT3をチョイスした「GAINER」。4年目となるダンロップタイヤとのマッチングも、さらに良好になり、待望のタイトル獲得を目指してチャレンジは続く。
 第2戦富士スピードウェイ(4月29~30日)では11号車には40kgのウエイトハンデが搭載される。あらたなGT3マシンへの性能調整が実施される可能性もあるが、このままダンロップとGAINERの快走に期待したい。





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ニュルブルクリンク2014