第1戦 3月31日(土)~4月1日(日) 岡山国際サーキット
予選10位から追い上げたEpson HSV-010
マシントラブルで無念のリタイア!
ウエットでは好パフォーマンスを発揮したEpson HSV-010
3月31日~4月1日、2012年スーパーGTシリーズ第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が開催された。開幕戦の舞台となったのは岡山国際サーキット。昨年も第1戦として予定されていたが、東日本大震災の影響を考慮して、5月21日(土)~5月22日(日)に延期され、開幕2戦目のレースとして開催された。
岡山国際サーキットは、2本のストレートと多彩な中低速コーナーが組み合わされたストップ&ゴーのテクニカルコース。追い抜きが難しいコースでもあり、集団での走行となりやすく、スリリングなパッシングシーンも展開される。タイヤと路面のマッチング次第では、多くのマシンに上位入賞のチャンスがあるコースでもある。
今季のGT500クラスは、ダンロップユーザーとして8年目を迎えた「NAKAJIMA RACING」が、デビュー3年目となるホンダの「Epson HSV-010」でトップを目指す。
GT300クラスは、今季「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)からチーム名を変更した「GAINER」(ゲイナー)が、3年目のダンロップユーザーとして戦う。昨年は、FIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTCを新投入して大健闘し、シリーズランキング2位に輝いた。今季は、最新マシンのAudi R8 LMS Ultraを新投入し、タイトル獲得を目指す。
Q2を走り終えた中山友貴選手と中嶋 悟監督
【GT500】
「NAKAJIMA RACING」は、チーム加入3年目のベテラン道上 龍選手と、4年目となる中山友貴選手が、今季もGT500クラスのダンロップユーザーとして戦う。の2010年に初登場のホンダHSV-010 GTは、デビューイヤーにチャンピオンを獲得。昨年はラジエターの位置をフロントから前輪の後方に移し、旋回性能を進化させた。今季は、ボディやパーツの空力性能を進化させて、ダウンフォースを保ちながら、トップスピードを高めるためにドラッグ (空気抵抗)を軽減させるという改良が加えられている。
岡山国際サーキットは、HSV-010 GTが得意とするテクニカルなコースでもあり、デビューイヤーの10年にはHSV-010 GTが制している。
レースウィークの初走行となる土曜日の公式練習は、午前9時から2時間の予定で始まった。前夜から雨が降り続き、コースは完全なウエット。途中、3回の赤旗中断があり、終盤には雨が上がるという難しいセッションとなったが、道上 龍選手は、1分34秒526をマークして、HSV-010 GTのトップとなる4番手につけ、雨に強いダンロップタイヤを印象づける走りを披露した。
今回の予選はノックアウト方式が採用された。GT500は、Q1(予選1回目)はトップ11台がQ2(予選2回目)へ進出、Q2ではトップ7台がQ3(予選3回目)へ進出し、上位決勝グリッドが決定する。午前の公式練習後には雨は上がり、日差しも照らしたが、午後2時45分から15分間に渡ってタイム計測される1回目の公式予選前には、一旦雨が降って路面を濡らし、路面は再びウエット状態となり、予選がスタートした。
Q1は、赤旗中断もあったが、アタックを担当した道上選手が1分30秒212をマークして3番手でHSV-010 GT勢の最上位につけ、Q2への進出を果たした。Q2でアタックを担当した中山友貴選手だったが、路面状況はウエットからドライへと変化。アタックを続けた中山友貴選手だったが、タイヤと路面コンディションが合わずに1分24秒279の予選10位となり、惜しくもQ3を逃してしまった。
「Q1はダンロップの得意とするウエットでしたが、ドライとなったQ2では思うようにタイムが伸びませんでした。マシンは着実に速くなっているので、決勝ではいい走りをしたいです」と道上 龍選手。
レース序盤、12番手を走るEpson HSV-010
決勝当日、朝のフリー走行は、ほぼドライの路面で午前8時20分にスタート。Epson HSV-010は、10位という予選と同じ順位で45分間のセッションを終えた。
午後2時にローリングラップがスタートした300kmの決勝レース。気温10℃、路面温度15℃と肌寒くはあったが、曇りながらも時折日も差すというコンディションとなった。
予選10位からスタートした道上 龍選手は、タイヤと路面とのマッチングが合わず、1周目に12番手までポジションを落とし、5周目には13番手となり、11周目にピットイン。タイヤ交換と給油を済ませて、再び追い上げるがペースは上がらずに苦戦。29周目に2回目のピットインをして中山友貴選手に交代。追い上げを見せる中山友貴選手だったが、ダブルヘアピンの進入で、他車とのアクシデントがあり、アウト側のグラベルを走行してコースに復帰。そのまま走行を続けたが、この影響でラジエターがダメージを受けてエンジンがオーバーヒート、ピットに戻って、そのままリタイアとなってしまった。
2ピット作戦となった2回目のピットインで、道上 龍選手から中山友貴選手にチェンジ
「開幕戦は完敗でした。次戦に向けて、とにかく前に進むだけです」と中嶋 悟総監督。
「オフシーズンに、昨年不足していたドライでのパフォーマンスを高めるためのタイヤ開発をしてきましたが、開幕戦では、その成果を生かすことができませんでした。序盤の状況から2ピット作戦に切り替えましたが、マシントラブルもあり、リタイアとなりました。次の富士は、500kmレースなので、とにかく上位入賞を目指して走ります」と道上 龍選手。
「マシントラブルでピットに戻って、リタイアとなりました。次は、いいレースをして結果を残せるように全力で頑張ります」と中山友貴選手はレースを振り返った。
開幕戦は厳しい戦いとなったが、第2戦富士では、どんなレースを見せてくれるのか
今回の岡山国際サーキットは、昨年までと同様にウエットでの手応えは十分にあったが、ドライでのパフォーマンスは、テスト不足もあり、今一歩及ばなかった。結局、マシントラブルに見舞われて、リタイアという厳しい結果となってしまった。
第2戦富士スピードウェイは、大型連休中の5月3日(木)が予選、4日(金)が決勝というスケジュール。ダンロップタイヤとEPSON HSV-010にとっての開幕戦は出遅れてしまったが、第2戦富士での巻き返しに期待したい。