第1戦 3月31日(土)~4月1日(日) 岡山国際サーキット
GAINER DIXCEL R8 LMS
予選3位から猛追を見せて、待望の初優勝を果たす!
優勝トロフィーを手にする田中哲也選手と平中克幸選手
3年目のダンロップユーザーとしてGT300で戦う「GAINER」(ゲイナー)。昨年はFIA GT耐久仕様のフェラーリF458 GTCを新投入し、田中哲也選手と平中克幸選手が最終戦までタイトル争いを展開したが届かず、ドライバー&チームランキング2位という結果を残した。
GT3仕様のニューマシン参戦で盛り上がりを見せる今季のGT300クラス。GAINERは、フェラーリから最新のFIA GT3仕様マシンであるAudi R8 LMS Ultraにスイッチ。3チーム4台が参戦するAudi R8 LMS。「GAINER」の投入した「Ultra」は、空力特性の改善やさらなる軽量化が進められた最新モデルだけに、高パフォーマンスが期待される。
ニューマシンは、3月初旬に日本に到着し、3月17~18日の岡山国際サーキットでの合同テストでシェイクダウンとなった。ウエットのセッションも多く、ドライでの十分な走行はできなかった。だが、「テストではいいフィーリングを得られました。今季はGT3仕様のマシンなので、開幕戦から性能調整のウエイトを搭載した昨年よりは好パフォーマンスを発揮できるでしょう。昨年逃したチャンピオンを獲るために全力で戦います」と田中哲也選手。
ウエットでも好調だったGAINER DIXCEL R8 LMS
走行時間の少ないGAINER DIXCEL R8 LMSにとっては、土曜日の公式練習は、データ収集のための貴重なセッション。ドライで走り込みたかったが、生憎のウエットコンデションとなった。ここでは田中哲也選手が駆るGAINER DIXCEL R8 LMSがトップタイムをマークして、ウエットでのタイヤパフォーマンスの高さを発揮した。
ノックアウト方式で行われた公式予選。GT300クラスは午後2時30分にスタート。15分間のタイム計測のQ1では天候が急変し、5分過ぎに雨が降り出し、コースは完全にウエット。GAINER DIXCEL R8 LMSをドライブする平中克幸選手は、序盤のアタックで2番手となり、Q2へ進出。田中哲也選手がアタックしたQ2は、ハーフウエットという難しいコンディションだったが、8番手のタイムをマークして、トップ10に権利のあるQ3進出を果たした。ドライとなったQ3では、最後まで激しいトップ争いが展開されたが、GAINER DIXCEL R8 LMSの平中克幸選手は、予選3位をマークした。
「先日の岡山合同テストでシェイクダウンしたばかりなので、ドライでの走行が少なく、予選や決勝のシミュレーションもできていない状態での3番手は悪くないです。セッティングさえ決まればポールも狙えると思います。明日はいい成績を残したいですね」と平中克幸選手。
トップのポルシェをパスしたGAINER DIXCEL R8 LMS
300kmの決勝レースは、ポールの911号車ポルシェがリードするが、予選3位の田中哲也選手のGAINER DIXCEL R8 LMSが着実な走りで、7周目には2番手に浮上。トップのポルシェの背後まで迫って、一足先に田中哲也選手がピットインして平中克幸選手にチェンジ。トップのポルシェがピットインを終えると、その差は15秒近くまで開いていた。アウディは燃費が悪く、ポルシェに給油時間で10秒近く余分に要した結果だった。だが、終盤になるにつれて、トップ2台の差は接近していった。ダンロップを履くGAINER DIXCEL R8 LMSはタイヤのタレがなく、燃料が軽くなるにつれてペースアップしていった。
グングンとテール・トゥ・ノーズになる2台は、71周目のバックストレートからヘアピン進入で逆転。そのままGAINER DIXCEL R8 LMSのデビューウインを達成した。
GAINEチームとしては、シリーズ戦ではダンロップを履いて3年目の初勝利となった。
GAINER DIXCEL R8 LMSのピットイン
「やっと勝てました。万年2位から脱出できました。今回はタイヤが最高でした。最後までタレずに、最高のパフォーマンスを発揮してくれました」と山本俊茂監督はコメント。
「混戦になるだろうという予想はしていましたが、逃げるポルシェをどれだけ追いかけられるかが勝負でした。アウディは予想以上に燃費が悪く、給油時間ではポルシェの方が10 秒近く早かったので、トップのポルシェがコースに復帰すると、15秒近く差が開いてしまいました。タイヤは前後バランスよく減って、コンスタントにタイムを刻むことができました。ドライでの走行が少なく、タイヤライフも読めなかったので、(田中)哲也さんには様子を見ながら攻めてもらい、行けるということで平中クンがプッシュしました。最後の最後までタイヤは良好で、ライバルがタイムダウンしても、こちらのタイムが落ちなかったのが勝因ですね。今回のタイヤはドライもウエットも素晴らしかったです」と小笠原康介エンジニア。
「昨年は2位ばかりでしたが、ようやく優勝できました。今回は勝てたけど、次からは不確定な要素もいろいろありますが、チャンピオンを獲るために取りこぼしだけはしないようにしたいです。」と決意を語る田中哲也選手。
「前半のスティントを見ていても、ポルシェとの一騎打ちになることは予想できました。
チャンピオンシップを考えるとノーポイントだけは避けたいのです。1ポイントでも多く獲れるように、次回の富士でもプッシュします」と平中克幸選手。
田中哲也選手と平中克幸選手
最新マシンのAudi R8 LMS Ultraを投入した「GAINER」は、ダンロップタイヤとともに迎えた3年目の初戦から好調なパフォーマンスを発揮して、初優勝を達成してレースを盛り上げた。
第2戦の前には、GT3マシンの性能調整も行われるので、ウエイトハンデと合わせて、どんな状況となるのかは未知数である。好スタートを決めた田中哲也選手と平中克幸選手が、第2戦富士スピードウェイでは、GAINER DIXCEL R8 LMSを駆って、どんな戦いを見せてくれるのか。見逃せない一戦となるだろう。