第1戦 3月20日(土)~21日(日) 鈴鹿サーキット
DENSO DUNLOP SARD SC430は、果敢な走りを見せて5位入賞!
Epson HSV-010は、アクシデントで後退するが、粘走で10位完走!

レース序盤、Epson HSV-010を先頭にした激しい7番手争いが展開された

3月20~21日、2010年スーパーGTシリーズ第1戦が開催された。舞台となる鈴鹿サーキットは、昨年、コースと施設がリニューアルされた。ドライバーにとっては、より安全に、観客にとっては、より快適なサーキットに生まれ変わった。コースは、低速と高速コーナー、長いストレートが組み合わされ、毎回、デッドヒートが展開されている。
今季のGT500は、ダンロップユーザーとして6年目を迎える「NAKAJIMA RACING」と3年目となる「LEXUS TEAM SARD」の2チームにタイヤを供給。マシンは、「Epson HSV-010」と、「DENSO DUNLOP SARD SC430」の2台。
GT300クラスは、今季新たに「JIMGAINER」が加わり、マシンは「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」というFIA GT仕様のフェラーリで戦う。
昨年から、コスト削減のために金曜日の練習走行が廃止され、レースウィークに走れるのは予選日と決勝日の2日間となった。今季は、タイヤの使用本数制限数は同じだが、予選前の公式練習が増やされ、開幕戦では2時間40分間の走行時間が設けられた。
今回、ドライ用はソフトとミディアムの2種類。ウエット用は1種類のコンパウンドで、浅溝と深溝の2種類を用意。予選では、GT500とGT300は、ともにソフトをチョイスした。

着実なペースで前車を追い上げて健闘したDENSO DUNLOP SARD SC430

【GT500】
今季、ホンダ勢は、昨年までのNSXに替えて、レース専用マシンの「HSV-010 GT」を新たに投入して、5チーム、5台のニューマシンが参戦。ダンロップユーザーとして6年目の「NAKAJIMA RACING」は、昨年までのロイック・デュバル選手に代わってベテランの道上 龍選手が新たに加わり、2年目となる中山友貴選手とともに、心機一転、開幕戦に臨んだ。快晴となった予選日の土曜は3連休の初日ということもあり、スーパーGTの予選日ではあったが、サーキットには2万2000人の観衆が訪れた。
午前の公式練習では、Epson HSV-010は7番手のタイムをマーク。午後のノックダウン予選では、道上 龍選手が、セッション1のタイムアタックを担当。トップ10がセッション2に進出できるが、Epson HSV-010は、コンディションにセッティングを合わせ切れずに11番手のタイムとなり、予選11位から決勝レースを迎えることになった。
ダンロップで3年目を戦う「LEXUS TEAM SARD」は、GT参戦7年目のアンドレ・クート選手と、チーム加入2年目の平手晃平選手という昨年と同様の体制。
「DENSO DUNLOP SARD SC430」は、開幕戦のレースウィークから2010年仕様のエアロパッケージが装着されたこともあり、午前中の公式練習では、マシンが決まらないままで、午後の予選に臨むことになった。セッション1は、アンドレ・クート選手がタイムアタックしたが、タイムが伸びずにセッション2進出ならず、予選13位からのスタート。

アクシデントなどで予想外のピットインを強いられてしまったEpson HSV-010

決勝当日、前夜からの雨は上がったが、風は強く、朝のフリー走行では黄砂も舞っていた。ダンロップ勢は、決勝を想定した走行は良好で、挽回できる手応えを感じていた。
午後2時にスタート予定の決勝レースは、強風と黄砂混じりの小雨という微妙なコンディションとなった。52周で争われる決勝レースは、1周目の130Rでトップグループがオーバーランするなど、オープニングから荒れた展開となった。道上 龍/Epson HSV-010は、1周目には8番手、2周目には7番手とポジションアップ。だが11周目のストレートエンドで、9番手争いを展開していた3台のHSV-010が関係するクラッシュが発生、セーフティカーランとなった。2台のHSV-010は戦列から去ったが、道上 龍選手のドライブするEpson HSV-010は、マシンにダメージを負いながらもピットへと戻ってレースに復帰。Epson HSV-010は、中山友貴選手に交代した後も、ハイペースで好調な走行を続けたが、60秒のピットストップというペナルティも科せられ、10位でゴール。
「予選が悪かったのが、すべてです。レース中のラップタイムはいいので、予選でいい場所に行ければ、戦えるレースになると思っています」と中嶋 悟総監督はコメント。
「今季初めてのレースでしたが、マシンは確実に進化しています。接触など不運があったので結果は残りませんでした。岡山はボク自身ポールを何回も出したこともあるし相性のいいコースなので、予選を頑張って、いい結果を残したいと思います」と道上 龍選手。
「今回、いろいろなことがありましたが、自分のスティントは、約20周、集中力を持って走れました。スタート時に、まわりにいた人たちが表彰台に立ったので、チャンスがあれば行けていたと思います。この悔しさを岡山にぶつけて頑張りたいです」と中山友貴選手。

レース前半、6番手をキープし、4番手で平手選手に交代したアンドレ・クート選手

予選13位のDUNLOP SARD SC430は、アンドレ・クート選手がスタートドライバーを担当。1周目には10番手となり、10周目には6番手に浮上。27周目には4番手で、給油とドライバー交代のためのピットイン。平手晃平選手のドライブでコースに復帰し、各車がルーティンのピットインを終えた時点では7番手を走行。その後も果敢なアタックを見せた平手晃平選手は、4番手争いに加わり、5位でチェッカーを受けた。
「今回は2人のドライバーが頑張った。去年は序盤は苦労したが、今年はいい幕開けになりました。いいレースをしたいという目標は果たせました。岡山では、予選でいいポジションにつける。まずは、そこからですね」と菅野純博監督は振り返り、決意を語った。
「レースは、とても難しいコンディションでしたが、タイヤはグリップ感が高くグッドでした。次の岡山は、性格の異なるコースだが、この勢いで行きたい」とアンドレ・クート選手。
「朝のフリー走行では、決勝レースを想定してガソリン満タンでレース用のタイヤで走ったら、いいラップタイムで走れたので、決勝では安定して走れると思っていました。結果的には5位でしたが、次につなげられるレースになりました」と平手晃平選手は語った。

2台にとって、次戦以降の活躍につながる確かな手応えをつかんだ開幕戦となった

新たなマシン、新たなドライバーが加わった今季のスーパーGT。開幕戦では、表彰台には届かなかったが、ダンロップ勢の速さを実感できる1戦となった。
スーパーGT第2戦(4月3~4日)の舞台となる岡山国際サーキットは、2本のストレートと低速コーナーが組み合わされたテクニカルサーキット。タイヤと路面コンディションのマッチング次第では、波乱の展開となるコースでもある。上昇気流に乗るダンロップ勢が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、注目したい。





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ニュルブルクリンク2014