第4戦 6月7日(日) オートスポーツランドスナガワ
3戦連続の雨にも北の大地で確かな手ごたえを得た1戦


 早くも中盤戦に突入した全日本ジムカーナ選手権。第4戦となる今回は、北の大地北海道に戦いの舞台を移して争われた。極低温、ウェット、ウェットと続いた2009序盤戦。今回も朝から雨が降りしきるウェット路面。3戦連続で決勝が雨という、これまでの全日本戦でも例のない展開となった。ダンロップユーザーたちは、これまでの鬱憤を晴らすべくオートスポーツランドスナガワを全開アタック! 各クラスで接戦を展開した。
 フラットな河川敷に作られた、オートスポーツランドスナガワのジムカーナコース。外周を使った中高速区間の前半、それと対照的に後半はパイロンが置かれたテクニカルセクション。オーバーオールでも1分40秒前後というロングなコースが設定された。明らかにμが低くなる後半の面。どちらの区間にセッティングを合わせるか? 雨とはいえ高まるタイヤの温度に、コースマネジメントも必要になるなど各選手の思惑が交差する1戦となった。

「これからますます激戦になると思うけど(川脇)兄貴とワン・ツーを狙いますよ」と津川。次戦は得意のイオックスだ。

 激しい水しぶきを上げて走るジムカーナ車たち。午後になると雨も上がり始め、タイムアップする選手が増え始める。勝敗の行方は2本目勝負の様相を呈してきた。ダンロップユーザーの多くが03GのS1コンパウンドを装着。ウェット路面でのマキシマムアタックに備える。1分42秒373をたたき出し、1本目SA3クラスでトップに立った川脇一晃。
「スナガワはドライでもウェットでも、それほどタイムが変わらなかったりすることがあるんです。前回のSUGOほど気温も低くないので、先行を許すことはないでしょう。でも気を引き締めてトップを狙ってゆきますよ」というコメント帰ってきた。まず僚友の津川信次がスタート。ウェット路面をものともせず激しく攻める。たたき出したタイムは1分40秒484。異次元のタイムにパドックからも驚きの声が上がる。続く川脇がスタート。何とかしてクルマを前に進めたい! そんな気迫が感じられるアタックに会場の目が釘付けになる。だが、タイムは1分40秒617!わずかに津川に及ばない。

今シーズン初勝利に笑顔の津川。川脇とのコンビで前戦からのいやな流れをスッパリと断ち切り、もぎ取った勝利だ

 「今シーズン始まりから調子は悪くなかったんだけど、天気にやられてた? なかなか勝ち星に恵まれなかった。スナガワは路面が特殊で、タイムの予測が難しかった。だからこそ目いっぱい攻めて優勝できたのがうれしいですね。ウェットでも負けなかったことが大きいですね。これからポイントを重ねてトップを狙いますよ!」と津川。テクニカルセクションにターゲットを絞ってセッティングしたという言葉どおり、後半部分でのマージンを生かしての優勝。まさに津川と川脇ふたりでもぎ取った勝利といえるだろう。

GRBインプレッサの大橋渡。ドライバーとしての全日本初優勝に、うれしさもあふれた第4戦だった。

 前戦までの悪い流れを断ち切った津川。勢いに乗るダンロップ勢は、SCクラスでも活躍。GRBインプレッサに乗る大橋渡が、北の大地でドライバーとして初優勝!3位には谷津伸樹が入るなど、ダンロップ勢が活躍を見せた。

ドライバーとしての全日本初優勝に、大橋渡もニッコリ。プレジャーレーシングの選手たちも大喜びで祝福していた。

 「今まで自分が作ったクルマが勝ったことはありましたが、自分が運転して全日本で優勝したのは始めて。これもすべて皆さんのおかげです。あとはナンバー付き車とのタイム差を詰められれば最高ですね」とニッコリ。優勝した瞬間にプレジャーレーシングの選手たちからも、大きな歓声が上がっていた。クルマ的にもドライに向けてワイドサイズのタイヤもあり、ファイナルギアも出来上がっているとのこと。まだまだGRBインプレッサの活躍に期待できそうだ。

今回は5位入賞と復調の兆しを見せた田原憲エキシージ。大好きな夏に向け、活躍を期待しよう。

 N3クラスではロータスエキシージを駆る田原憲が5位入賞。この結果に満足することはないものの1本目には高速区間で、2本目にはテクニカル区間で好タイムを刻むなど復調の兆しを見せる。ドライ路面だった前日の公開練習では、トップとも遜色のないタイムで競り合った。
「マシンはだんだん仕上がってきている。あともう一歩というところだね。次はドライで戦いたいね」と田原。次戦のイオックスでの戦いに期待しよう。

地元北海道の高舘光洋が、今回は全日本で自己最上位となる3位。会場からも大きな歓声が上がっていた。

 N4クラスではランサー・エボリューションIXを駆る、地元北海道の高舘光洋が活躍。全日本常連組がウェット路面とセッティングに苦しむ中、その長いキャリアと安定したドライビングで3位に入る大健闘。激戦クラスでチャンピオンを争う選手とも。遜色のない走りを見せ、全日本での自己最上位となるリザルトに表彰式でも笑顔がこぼれる。


 3戦連続の雨という、前代未聞のシリーズが展開された序盤戦。これから第4戦イオックス、第5戦浅間台とパイロンコースが続く。チャンピオン獲得に向けての戦いは激しさを増してくるだろう。今回、各クラスで見られた復調の兆しが中盤戦で花開くことを期待して7月12日までの長いインターバルに入る。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014