第2戦 4月8日(日) 浅間台スポーツランド
難しいパイロンコースでも「DIREZZA 03G」は高いコントロール性を発揮
ダンロップユーザーが4クラスで栄冠を獲得!
4月8日、千葉県香取市にある浅間台スポーツランドで、2007年全日本ジムカーナ選手権第2戦が開催された。ここ浅間台スポーツランドは関東の代表的なジムカーナ会場のひとつで、ほぼフラットに舗装された奥行き230m、幅56mのフィールドを持つ。そこに多くのパイロンを置いて競技用のコースを設定するのが浅間台のスタイルだ。なお、2001年のシーズン開幕戦以来、6年ぶりの全日本ジムカーナ選手権の開催ということで、それに先立ち3月中旬から下旬にかけて路面の一部が改修された。今回は、ちょうどその改修部分にスタートラインから最初のパイロンが設置され、そこで270度ターン、180度ターンと2回行うことになっていた。このパイロンをクリアーするためには元舗装、旧舗装、新舗装という3種類のミューの微妙に異なった路面を一気に通過する必要があり、この地点でのブレーキングやターンの技術も、見せ所のひとつとなっていた。
決勝の前夜には雨が降ったものの、当日は朝から好天に恵まれ、最初に出走するN1クラスからドライ路面での戦いとなった。この時点で気温14℃、路面温度17℃という状況。午後に向けて日が差すようになれば、おのずと気温と共に路面温度も上昇することが予想された。現在の全日本ジムカーナでは、N車両とSA車両の各クラスは、1本目で使用したタイヤを替えることなく2本目でも使用しなければならないルール。そのため1本目の出走前のコンパウンド選択が、勝敗を分ける大きな要素となる。今回、ダンロップユーザーの多くが「DIREZZA 03G」の低温域用S1コンパウンドをチョイス。ただし前輪駆動車を使うN2クラスの選手たちは、前輪に中高温域用のM1コンパウンド、後輪にS1コンパウンドを選んだ。M1選択の理由は、当然午後の2本目で気温、路面温度共に上昇すること予想してのもの。結果として、午後1時前の段階で気温20℃、路面温度は30℃以上へと急上昇。N2勢のこの「賭け」は的中することになる。
黒岩選手の爽快な走り
N1クラスは、昨年のN1チャンピオンの早坂剛選手が、2本目の中間タイム計測ポイントまでトップの走りを見せていたが、直後にミスコースの判定を受けてゴールできず。平出勝俊選手が6位に入賞した。
N2クラスは、劇的な逆転優勝となった。昨年のN2チャンピオンの黒岩誉広選手は、今回の第2戦の直前に慣れ親しんだ愛車が使えなくなるハプニングがあり、急きょ別のクルマを借りて参戦してきた。ふだんとは違う状況でのタイムアタックとなったが、集中力を切らすことなく走りきり、2位の選手に0.64秒の差をつけて逆転優勝を果たした。
黒岩選手、N2クラス優勝
「午後の2本目に路面温度が上がるほうに賭けて、M1コンパウンドを選びましたが、1本目から予想以上にグリップ感があって驚きました。2本目もスタートから最終セクションのスラロームまで、グリップは安定していましたね。今回は代わりのクルマを用意してもらえて、とてもうれしかったです。優勝できたことで、少しでも恩返しできてよかったです」と黒岩選手。3位には西川純一選手が入賞した。
野島選手の走り
N3クラスでは、新たなダンロップユーザーが栄冠を獲得した。今シーズンから「DIREZZA 03G」を使うことになった野島孝宏選手が、シリーズ2戦目にして早くも優勝。自身にとって、初めての全日本戦での勝利となった。昨年のN3チャンピオンの田原憲選手がSA2クラスに移行したことで、野島選手がN3クラスのダンロップユーザーをリードしていく存在となることを期待したい。
野島選手、N3クラス優勝
「前後ともS1コンパウンドを選んでスタートしました。慎重になりすぎて抑えすぎないように注意しながら走りましたが、タイヤのフィーリングはよかったですよ。それに今回のようなパイロンコースでは回頭性の良さも大切ですし、「DIREZZA 03G」はタレることもなく、2本目でも手ごたえ十分でした」と野島選手。3位の吉田隆司選手は、うれしい全日本戦初入賞となった。
茅野選手、疾走
N4クラスは、まさにトップドライバーの同士のガチンコ勝負。その中が最後に抜け出したのが3年連続のN4チャンピオンの茅野成樹選手だった。1本目にパイロンタッチを喫した茅野選手だったが、難しいパイロンコースでも底力を発揮して、2本目はノーミスに近い走りを披露。ライバルを逆転した。
茅野選手、N4クラス優勝
「ここの路面はタイヤ攻撃性の弱い、タイヤにやさしい路面です。金曜から練習してデータも持っていましたから、今回はS1コンパウンドで行こうと最初から決めて臨みました。100分の1の世界での勝負では、やはり自分の気持ちを整理して、ふだんどおりの走りをすることが大切です。今日もしっかりと集中して「意地の一発」で勝ちました(笑)」と茅野選手。また、N4クラスはダンロップユーザーが大活躍で、3位古谷哲也選手、4位宮嶋一人選手、5位梅村伸一郎選手、さらに全日本初入賞の喜勢竜一選手が6位でゴールした。
田原選手の走り
SA1クラスは、2本目で川北忠選手が好タイムをマーク。一時はトップに立ったものの、最後に逆転されて2位入賞を果たした。
SA2クラスは、昨年のN3チャンピオン田原憲選手が今季初勝利。2本目にクラスで唯一の1分14秒台をたたきだして逃げ切った。
「今日はS1コンパウンドにちょうどいい温度レンジだったね。ターンが多くあるコースだったので、リアタイヤを傷めるケースも想定していたけれど、最後までコントロール性の良さと安心感は変わらなかったね」と田原選手。続く2位には、前輪駆動のインテグラを駆った鷹巣義幸選手が入り、ダンロップ勢の圧勝だった。
田原選手、SA2クラス優勝
SA3クラスは昨年のSA3チャンピオン川脇一晃選手が1本目で1分10秒台のトップタイムをマーク。だがパイロンタッチでペナルティを受けて順位を下げる。2本目に賭けたものの、タイムアップは果たせなかった。なお、4位には津川信次選手が入賞した。
スリックタイヤを使用する改造車で競うSCクラス。谷津伸樹選手が4位入賞。また、今シーズンからRX-8の改造車を駆る永井伸一郎選手が今季初参戦を果たしたが、残念ながら7位となった。フォーミュラカーのようなDクラスは、村上仁選手が3位に入賞した。
次の第3戦は、全日本ジムカーナ初開催となる愛知県の幸田サーキットYRP桐山が舞台となる。ゴールデンウィーク序盤で気候も良くなり、ジムカーナを思い切り楽しめる時季。ダンロップユーザーがどのような活躍を見せてくれるか、期待したい。