ドライバー
第1戦 3月9日(土) 鈴鹿サーキット 国際南コース
2013年もスラローム競技からシーズンイン
全日本ジムカーナ開幕戦でダンロップ勢が4クラス制覇!


全8戦となる今季の全日本ジムカーナ選手権。開幕戦の舞台となった鈴鹿は春の嵐に見舞われ、やや波乱含みの気候となった。コースはいわゆる「逆まわり」。走り込まれた路面とはグリップレベルも異なる。

昨年はトヨタ86/スバルBRZの登場に加え、電気自動車も本格的な競技参入の兆しが見え始めたモータースポーツ界。続く2013年は、 さらにその動きが加速化しそうだ。そのシーズンインは、今年もスラロームから。全日本ジムカーナ選手権、今年は日本モータースポーツ界における聖地のひとつ、鈴鹿でその幕を開けた。今季は、86/BRZのワンメイクとなるPN3クラスが新設された。ここにはスーパーGTにも BRZで参戦する山野哲也や、松本敏など全日本ジムカーナチャンピオン経験者も多数参戦。今回も16台を集める盛況で、今季の注目クラスとなりそうだ。 一方で、Dクラスは今季限りで廃止されることがJAFからアナウンスされており、最後のDクラス王者の栄冠を勝ち取るためのバトルも興味深い。また、ダンロップはこの開幕戦で、03GのソフトコンパウンドのS3をデビュー、注目を集めた。低気温向けのコンパウンドは、特に昼以降、天候が悪化した時にも威力を発揮し、SA3クラスで津川信次がS3コンパウンドにデビューウィンを献上、さっそくその効果が証明された。朝のコンディションは晴れ、昼過ぎには曇り始め、2本目SCクラス以降は雨となりウェットコースになった。鈴鹿南コースは今回、逆回りで使用。路面状況が変わるためライン取りも変更しなくてはならずかなりチャレンジングな設定で、中盤にパイロンセクションが設けられたほか、180ターンしてフィニッシュする斬新なスタイルを採用している。

昨年は有効ポイントで同率に並びながら、優勝数、2位入賞、3位入賞数でも決着がつかないほどの僅差で涙を呑んだ津川。今季こそはタイトルを獲得するという意気込みは誰よりも強い。

例年、激戦を展開するSA3クラスは、1本目からS3コンパウンドを投入した三菱ランサーの津川信次がただひとり、1分13秒台のトップタイム をマーク。雨が近づく2本目は、津川がパイロンタッチを喫する波乱となるが、2回の走行を通して13秒台をマークしたものは他になく、津川が開幕勝利に加え、S3コンパウンドのデビュー戦での勝利を果たした。昨年はチャンピオンと有効ポイント数で並びながら、上位入賞率の僅差でタイトルを逃した津川。今年こそタイトルを獲りたいという決意に燃えており、今季の活躍が大いに期待されるひとりだ。津川信次(DL☆itzz☆URGランサー)「今回デビューしたS3コンパウンドですが、装着できたのが今回はランサーのクラスしかありませんでした。そんな限られた中でデビューウィンを飾れてすごくうれしいですね。このS3は、限界領域のコントロール幅が広いところにあります。つまりスイートスポットが広い感じですね。これは、ミスが出にくいというメリットがあるとも言えます。特にその効果を感じたのが、ターンセクション。S2ではピーキーな感触があって、不安を感じていましたが、それが払拭されました。ライバルとの比較では特にターンが速かったですね。ことし は去年のような事がないように、がんばっていきたいです」

昨年、念願のSCクラス初タイトルを獲得したタイソン。シーズンオフに行った大幅な仕様変更にまだ慣れ切っていないと言いながらも、連覇に向けて 好スタートを切った。

改造範囲が広くパワフルなマシンによるダイナミックな走行が魅力のSCクラス。ランサーの牧野タイソンが、1本目で唯一13秒台をマーク。2本 目は、そのタイソンが4輪脱輪を喫する番狂わせが起きるが、タイソンの1本目のタイムを上回るものはなく、このままタイソンが開幕勝利を収めた。また、3位に高橋和浩(DLCB保険スタッフランサー)が入った。牧野タイソン(DL★PRS速心クスコランサー)「今回はコース設定が逆回りで、普段は走らない所がコースになっていたので、雨が降ってもグリップしやすかったと思います。逆にコースアウトしたところは正周りだったため、路面が磨かれていて滑りやすくなっていたのではないでしょうか。 つまり、それに気づくアタマが無かったって事なのですが(笑)。(脱輪の原因は)そういうことなんだと思います。まずは、この悪い部分の調子が続かないようがんばります」。

Dクラス最後の年を、ジムカーナ界のエキスパート的存在でもあるベテラン川村とのダブルエントリーで挑む村上。最後のDチャンプの座を目指し、順調な滑り出しを見せた。

Dクラスは12台がエントリー。そのうち、マシンを共有するダブルエントリーの村上仁、ベテランの川村徹が1本目で12秒台をマークし、1-2 と独占。その村上は、2本目でパイロンタッチを喫するが、1本目の村上を上回るタイムが出ず、村上の逃げ切り勝利となった。村上仁(LABOTEC☆DL☆TG)「今シーズンは斉藤孝行選手のTGに乗る事になったのですが、スタートするまで慌ただしく、間に合うかなと感じてもいました。今回は(小林)キュウテン選手が最後という事で、真っ向勝負したい気持ちもありましたが、何よりもスタートラインに立たせ てくれた周りの人たちに感謝する意味での20点なんだなぁと感じています。ことしは全戦で川村さんとダブルエントリーとなるので、ヒヤヒヤもので す(笑)。Dクラス最後の1年なので、楽しんで過していきたいと思っています」。

「慣熟歩行の時に雨がパラついてきた時にも、自分はドライで走るんだと信じ切っていました。2本目にはZIIの実力を120%引き出す走りができたと思います」と語る河本。窮地に立たされた状況で会心の走りを引き出した。

PN3が新設されたことで、86/BRZが抜けたPN2クラス。1本目はシビックの松本悟が唯一23秒台のトップタイムをマーク。松本は2本目で、さらに0.1秒を詰めてタイムアップを図るが、Zの河本がさらに0.335秒更新して開幕勝利。松本も3位に入った。昨年、クラス連覇を果たした河本。この勢いのまま、3連覇を目指すことが期待される。河本晃一(DLラボテックオーリンズZ)「シーズンオフにメンテナンスをしたんですが終わり切れず、チェックしようと思っていた金曜日の練習会は、緊急の仕事で参加できなくなってしまいました。土曜日の公開練習ではマシンセッティングはバラバラで、そのズレを競技当日の朝、無理矢理合わせ込みました。ですから、1本目の前半はひどい走りでした。それだけ追い込まれたなかでも、やるべき事が見えていたのは、昨年山野(哲也)さん や(松本)敏さんたちに鍛えてもらったおかげ。それを120%活かせたことが今回の結果につながったと思います。土曜日までのセッティングで走ると思っていたので、右足にそのタイミングを覚え込ませていたんですが、後半セクションに入った時にZIIの キャラクターを思い出したんです。『コギャルだ!』って(笑)。そこからはタイヤのポテンシャルを生かす走りができました。『クルマを信じてタイヤを使いこなせれば勝てる!』という去年の教訓が活きました」と河本。全日本ジムカーナ第2戦はその舞台を広島に移す。「ジムカーナin タカタ」は、4月13-14日、広島県のTSタカタサーキットで開催される。 
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle