特別戦 11月2日(日) SSパークサーキットターマックコース
日本で最も多くカップを持つ『ミスターJAFカップ』宮嶋一人
路温が下がる中で刻んだスーパーラップで自己記録を更新!
秋晴れの中で行われた2008年JAFカップ。午後には気温が下がったものの、タイムアップするダンロップユーザーも多く見られた。
北海道から九州までを8地区に分けて開催される全国の地区戦。シリーズ戦で行われる地区戦の上位3位まで、全日本でシリーズ3位まで入った選手などが参加できるのがJAFカップだ(※一部推薦による参加もあり)。全日本戦が行われる以前は、日本一を決める大会として。全日本戦と地区戦のレベル差が大きくなってからは、地区戦々士の甲子園大会として。そして現在は、地区戦から勝ち上がった選手たちが、同一条件で全日本選手と走り比べをする大会へ。時代の流れのなかで、JAFカップは役割を大きく変えてきた。
今回のイベントの開催地は、福島県二本松市にあるSSパークサーキット。ここでのAFカップ開催は1996年以来、実に12年ぶりのこと。久しぶりの会場に懐かしさを覚えていたベテランの全日本選手たちも多かった。SSパークサーキットは、コントロールタワーを中心に舗装のサーキット/ジムカーナコース、そしてダートラなどが行われるグラベルコースを有する。今回のイベントはこのサーキットコースで開催された。
このJAFカップに参加する地区戦ダンロップユーザーに、心強いアドバイザリースタッフが登場。全日本ジムカーナN4クラスの茅野成樹とSA3クラスの津川信次が来場。慣熟歩行でのライン取りやタイヤの疑問に、これまでの実践の経験からアドバイス。初めての遠征などで参加してきた選手たちには、間違いなく心強い味方になったハズだ。
残念ながら九州からの参加は無かったものの、SSパークサーキットコースに全国から集まったのは160台。久しぶりに開催される会場とあって、コースへの慣れはイーブン。
スタートしてすぐに、池の周りを回る高速の周回路を2周。次いで数々の島周りを回る中低速セクション。後半セクションで8の字をこなしたあと、270度ターンしてゴールする。高速から低速まで、まんべんなく設定されたコースレイアウト。テンポの切り替えがうまくできないと、最後まで波に乗れないコースだ。深まる秋晴れの中、地区戦選手たちの挑戦がスタートした。秋晴れの中で行われた2008年JAFカップ。午後には気温が下がったものの、タイムアップするダンロップユーザーも多く見られた。
S1コンパウンドをセレクトした宮嶋。気温が下がった2本目でも、スライドを積極的に生かす走りでタイムアップした。これが宮嶋のスタイルに合っていたとのコメントだが、ファイナルタイムの1分20秒973は改造車のSCクラスのウィナーにも匹敵するスーパーラップだった。
各クラスで地区戦上位者VS全日本選手たちの戦いが展開されたが、N4クラスだけは状況が違った。全日本でも層が厚いこのクラスだが、今回のN4クラスは全日本枠での参加選手が一人もいなかった。各地区上位の選手たちだけの戦い。1本目に1分21秒691を叩きだし飛び出したのは、ダンロップユーザーで関東チャンピオンの宮嶋一人。これまでも全日本にシリーズ参戦し、上位に食い込んできたベテランドライバーだ。2位には中部地区チャンピオンの岡部隆一がつける。宮嶋が持つ記録がある。JAFカップ優勝者には、文字どおりJAFのカップが手渡される。宮嶋はこのカップ'01~'05年まで連続して獲得。通算で6個と最も多く所有しているドライバーだ。その強さを見せてか? 路面温度が下がった2本目、他の選手がタイムダウンする中でも宮嶋はタイムアップ! 1分20秒973とN4クラスただ一人の20秒台と、ライバルを寄せ付けず圧勝した。
表彰式では『7個目のJAFカップを入れる棚を買わなきゃ』と言って、会場を笑わせた宮嶋一人。全国の地区戦チャンピオンたちも、宮嶋との対戦を楽しみにしている。
「1本目はタイヤが食い過ぎるくらいの感じがしていたのですが、2本目は路温が低くなってボクのスタイルには合っていたみたいですね。それでこんなにタイムが出ちゃうなんて自分でもビックリ! これで7個目のJAFカップです。コレクターと呼んでください(笑い)。今日は、S1コンパウンドがベストマッチでしたね。中間まではみんなどっこいどっこいのタイムだったので、決勝のコースはターンが増えたのでありがたかったです。スタートしてからの高速周回コースは、走り慣れている人の勝ちじゃないかな?」
7回目のJAFカップ獲得ですが、あと何回獲りたいですか?
「こうなってくると、みんなボクに勝たないとJAFカップ獲ったと事にならないから! 次も絶対出てきてくださいね!! っていわれちゃうんですよ。JAFカップには、みんなに『来るな!』っていわれるまで出続けたいですね(笑い)」
ライバルたちと楽しそうに話す宮嶋。他地区のN4の選手たちもJAFカップで宮嶋との対戦を楽しみにしている。
全日本選手たちのほとんどが参戦してきたDクラス。2本目、タイムアップ合戦の中で健闘した村上仁が3位に入る。
全日本選手たちのほとんどが参戦してきたDクラス。シーズンの走り納めとなるのがJAFカップだ。タイムアップ合戦となった2本目。ダンロップユーザーたちは大きくタイムアップ。コンマ5秒ものタイムアップを果たした村上が健闘して3位に入る。