第9・10戦 7月7日(土)~7月8日(日) 鈴鹿サーキット
第9戦は中嶋大祐選手がトップを守り切って、独走で今季3勝目を達成!
第10戦は坂本雄也選手がポール・トゥ・ウインで待望の初優勝をマーク!


第10戦のスタート。ポールの坂本雄也選手が好スタートを決めてトップをキープ

 7月7~8日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第5大会(第9戦、第10戦)が、第1大会以来今季2回目となる鈴鹿サーキットを舞台にして、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦と併催された。鈴鹿サーキットは、コーナーとストレートが組み合わされた国内屈指のテクニカルコース。予選前の7月5~6日には、第8回公式テストが開催され、計4セッションの走行が行われた。総合でトップタイムをマークしたのは、今季2勝をマークしてランキングトップをキープしている国本京佑選手。2番手は第6戦で優勝したケイ・コッツォリーノ、3番手には糸田川和亮がつけた。

第9戦でポールを決めた中嶋大祐選手

第9戦、第10戦予選

 土曜日の午前に10分のインターバルで行なわれたFCJ第9戦と第10戦の予選。それぞれ15分間の計測が行われた。第9戦の予選は、路面がウエットからハーフウエットに変わる難 しいコンディションとなった。マシンの走行で路面が乾きはじめて状態がよくなった終盤にタイムが次々と更新されていった。坂本雄也選手、田中誠也選手とトップが交代し、最後に中嶋大祐選手がトップタイムをマークしたところで、第9戦の予選は終了。SRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール-フォーミュラ)を卒業して、スカラシップでFCJに参戦している中嶋大祐選手にとって、鈴鹿は走り慣れたコース。開幕戦でポールから鮮やかなデビューウインを飾った中嶋大祐選手は、第4戦富士スピードウェイに次いで3度目のポール獲得。予選2位は田中誠也選手、予選3位は坂本雄也選手、以下、小林崇志選手、国本京佑選手、ケイ・コッツォリーノ選手と続いた。
 

第10戦のポールを獲得した坂本雄也選手

 10分間のインターバル後、第10戦の予選がスタートした。すると再び小雨が降り出して、路面は徐々にウエットコンディションへと変化していった。各車はドライタイヤからレインタイヤにチェンジしてタイムアタックを続けていった。ここでも激しいタイムアタック合戦が続いたが、ラスト5分でトップに立った坂本雄也選手が、そのまま初ポールを獲得。予選2位は山本尚貴選手、予選3位は田中誠也選手がつけた。予選4位は第9戦でポールの中嶋大祐選手、予選5位は小林崇志選手、予選6位は和田浩二選手というオーダー。
 第9戦、第10戦の予選は、2回ともに刻々と変化する路面コンディションとアクシデントで黄旗が出されたこともあって、タイヤチョイスやタイムアタックのタイミングなどにも大きく左右された難しいセッションとなった。

オープニングラップのシケインは中嶋選手、坂本選手、田中選手というオーダー

第9戦決勝レース

 予選が行われた土曜日の午後に12周で争われたFCJ9戦の決勝レース。雨は上がって路面はドライコンデションで争われた。ポールの中嶋大祐選手は、好スタートを決めてトップで1コーナーへ飛び込んだ。予選2位の田中誠也選手はスピードが伸びずに1コーナーで予選3位の坂本雄也選手に並ばれ、2コーナー立ち上がりでは坂本雄也選手が2番手に浮上。3番手田中誠也選手、ケイ・コッツォリーノ選手、国本京佑選手、小林崇志選手と続いた。

予選2位の田中選手は1周目の2コーナー立ち上がりで抜かれて3位に後退

 5番手の国本京佑選手は、3周目に4位、7周目に3位と順調に順位を上げていった。その前方では、中嶋大祐選手と坂本雄也選手のトップ争いが展開されていだが、9周目のデグナーでミスをした坂本雄也選手のペースが落ちて、国本京佑選手が急接近。果敢に攻めた国本京佑選手だったが、一転、シケインで勢い余ってコースオフしてしまい、田中誠也選手がピタリと追走する展開となった。10周目の1コーナーで田中誠也選手が再び3位を奪い返して、国本京佑選手は4位に後退、バトルは続いたが、トップ6のオーダーは変わらず、そのままチェッカー。安定した走りを披露した中嶋大祐選手が、ポール・トゥ・ウインで今季3勝目を達成。2位坂本雄也選手、3位田中誠也選手、4位国本京佑選手、5位小林崇志選手、6位ケイ・コッツォリーノ選手という結果だった。

第9戦の表彰台、2位の坂本選手、優勝の中嶋選手、3位の田中選手(左から)

「前回のレースから調子が悪かったのですが、予選が雨になったことで流れが変わって調子を取り戻すことができました。明日は4番手なので、スタートかオープニングラップで前に出られるようにして勝ちたいと思います」と中嶋大祐選手。2位の坂本雄也選手は、「中盤にミスをしてからなかなかペースを上げることができませんでした。少しアクセルオンが早くてデグナーの2個目で飛び出してしまいました。国本選手が来て、シケインでブレーキバトルになりましたが、ポジションを守ることができました。その後は差が縮まらずに、あのワンミスがすべてだったと思います」とレースを振り返った。

ポールから好スタートを決め、終始レースをリードした坂本選手は初優勝を決めた

第10戦決勝レース

 前日とは違い、太陽が顔を出す好天となった日曜日。FCJ第10戦は、2番目のサポートレースとして開催された。17周で争われる決勝レースは、ポールの坂本雄也選手が好スタートを決めて1コーナーを目指した。途中、後続を押さえ込むようにイン側に切り込むが、予選2位の山本尚貴選手はスピードが伸びずに、予選3位の田中誠也選手と予選4位の中嶋大祐選手に抜かれて4番手まで後退して1コーナーに進入。ウエットコンディションの予選でポールを獲得した坂本雄也選手は、ドライとなった決勝レースでもハイペースでラップを刻んで、1周目から1秒以上も後続を引き離してレースをリードしていった。

スタートミスで4位に後退した予選2位の山本選手は、バトルの末、3位でゴール

 その後は、坂本雄也選手と田中誠也選手によるトップ争いに注目が集まった。終盤になり、坂本雄也選手のミスもあって2台は急接近したが、やはり田中誠也選手もミスのために追い詰めることができずにチェッカーとなり、坂本雄也選手が初優勝をマーク。一方、中嶋大祐選手は序盤からペースが上がらず、3周目のヘアピンで山本尚貴選手に抜かれて4位に後退。その時点で前方が大きく空いた山本尚貴選手は、ファステストラップを更新する速さで2番手の田中誠也選手を追走したが、トップ2台は速く、そのまま3位でフィニッシュ。4位中嶋大祐選手、5位栗原正之選手、6位山内英輝選手という結果で、FCJ第5大会は幕を下ろした。

第10戦の表彰台、2位の田中選手、優勝の坂本選手、3位の山本選手(左から)

 待望の初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った坂本雄也選手は、「今シーズンなかなかいい結果が残せずに苦労していました。これまで支えてくださった方々に、やっと勝てたことを報告したいです。とてもタフなレースでした。中盤から少し集中を切らし、後ろの田中選手に気を取られ、少し失速してしまいました。あとは実力というより、プライドと意地で走っていたと思います。結果的には勝てましたが、走りにはまだ課題があります」とコメント。
「スタートで山本選手の前に出られのですが、坂本選手がスタートからすごく速くて、1周目から離されてしまったのがきつかったですね。結果的には昨日も今日も表彰台に乗ることができました。次の富士は、前回勝ったときと同じ走りができれば、勝てると思います」と2位の田中誠也選手。「スタートを昨日も今日も失敗してしまい悔しいです。ただ、今日は昨日までの失敗の原因を改善したのが行き過ぎての失敗だったので、意味ある失敗だったと考えて、気持ちを切り替えました。レース中にはファステストも取れて速さをアピールすることができました。これから努力して、後半戦では勝てるようにしたいと思います」と3位の山本尚貴選手。

 第10戦終了時点でのポイントランキングは、1位国本京佑(118点)、2位田中誠也(114点)、3位井口卓人(85点)、4位山本尚貴(82点)、5位中嶋大祐(76点)とトップ5に変動はなかったが、今回、2位&優勝とポイントを伸ばした坂本雄也(56点)が5位に浮上し、7位栗原正之(52点)、8位ケイ・コッツォリーノ(48点)となっている。
 次回、FCJ第6大会(第11戦、第12戦)は、8月25~26日、富士スピードウェイでフォーミュラ・ニッポン第6戦と併催される。
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ニュルブルクリンク2014