第3・4戦 3月31日(土)~4月1日(日) 富士スピードウェイ
第3戦はポイントリーダーの国本京佑選手が優勝
第4戦は中嶋大祐選手がポール・トゥ・ウイン!!
ポールから飛び出した国本選手
3月31日~4月1日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第2大会(第3戦、第4戦)が、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕戦と併催された。舞台となる富士スピードウェイは05年にリニューアルオープン、今年はF1日本グランプリも開催される近代的なコースに生まれ変わった。前半はメインストレートから続く高速セクション、後半はタイトコーナーが続くテクニカルセクションという性格の異なるコースが組み合わされている。ここでは、3月4~5日に2007年FCJ第1回テストが開催されている。各ドライバーは、4日はドライ、5日はウエットという路面コンディションで、計6セッション(各1時間、計6時間)のフリー走行を行った。そして、鈴鹿サーキットでの第2回テスト、第3回テスト、2007FCJ開幕戦(3月17~18日)を経て、第2大会(第3戦、第4戦)を迎えた。
レースウイークは、第4回テスト(3月29~30日)からスタート。29日はドライで2セッション、30日はウエットからドライへと変化する路面コンディションで3セッションのフリー走行が行われた。29日と30日の両日でトップタイムをマークしたのは第1戦2位の井口卓人選手、両日で2位につけたのは第1戦3位、第2戦優勝でポイントリーダーとなった国本京佑選手。開幕戦でポール・トゥ・ウインを決めた中嶋大祐選手は、29日は10位、30日は15位と、ベストなセッティングが見つからないままで2日間のフリー走行を終えることとなった。
国本選手
●第3戦、第4戦予選
土曜と日曜に各1レースが開催されるFCJ。その予選は、土曜の午前中に、15分間の計測が2回、10分のインターバルで行われる。3月31日、午前9時5分、FCJ第2大会(第3戦、第4戦)の公式予選がスタートした。
まず、第3戦の予選では、序盤から次々とコースレコードを更新しながらトップが入れ替わっていった。結局、最後に1分42秒015をマークした国本京佑選手がポールポジションを獲得、予選2位は山内英輝選手、予選3位は李 康太選手、27台中23台がコースレコードを更新する激しい予選となった。
10分間のインターバルで、第4戦の予選となった。ここでも序盤から国本京佑選手がトップタイムをマークしたが、中盤には中嶋大祐選手が、1分42秒202のトップタイムを叩き出した。さらに終盤に向けて、各ドライバーの激しいアタックが続いた。だがラスト5分、1台のマシンがダンロップコーナーでスピンしてコース上にストップしたために、予選は赤旗中断。残り5分間で再開されたが、中嶋大祐選手のタイムを誰も破ることはできず、中嶋大祐選手の第4戦でのポールポジションが確定した。予選前日までのフリー走行ではセッティングが決まらずに低迷していた中嶋大祐選手は、第3戦の予選でも試したセッティングが合わずに14位に終わった。だが、第4戦の予選で変更したセッティングが、ピタリと決まったという。2位は国本京佑選手、3位は山内英輝選手、4位には井口卓人選手がつけた。
優勝国本選手・2位山内選手・3位井口選手
●第3戦決勝レース
15周で争われるFCJ第3戦の決勝レースは、土曜の午後1時15分にスタート予定だったが、フォーメーションラップから戻った1台のマシンがエンジンストールしたために、レースは仕切り直し。1時28分に1周減算の14周でスタートが切られた。
ポールの国本京佑選手がトップで1コーナーに進入したが、背後には山内英輝選手がピタリと追走。コカ・コーラコーナーで、国本京佑選手のインを突いた山内英輝選手がトップに立った。その後、山内英輝選手と国本京佑選手のトップ争いに注目が集まった。レース終盤。ペースの上がらない山内英輝選手に国本京佑選手が肉迫し、13周目のネッツコーナーで激しくインを攻めた国本京佑選手が、ついにトップを奪った。左フロントのアームが曲がったという山内英輝選手は抜き返すことはできずに、レースはチェッカー。国本京佑選手が今季2勝目を達成。3位には、予選6位から好スタートを決めて1周目に3番手に急浮上した井口卓人選手が入った。
今季2勝目の国本選手
「スタートは決まったが、Aコーナー(コカ・コーラコーナー)でインを刺されて、ずっと追いついていくだけで精一杯だった。後半は山内選手のペースが落ちてつらそうに見えたので、 なんとか抜くことができた」と国本京佑選手。
「国本選手を抜くのは1周目しかないと思っていたので、Aコーナーで思い切って行きました」とレースを振り返る2位の山内英輝選手。
レース序盤からアクシデントが続発、6台がリタイアするという荒れたレースとなった。
中嶋選手
●第4戦決勝レース
土曜の午後から天候が崩れて夜には豪雨が降ったが、FCJ第4戦の決勝レース当日は雨も上がって快晴。日曜の午前9時30分、コースが部分的に濡れたセミウエット状態で21周のレースはスタート。ポールから飛び出した中嶋大祐選手が1コーナーを制して、それを予選2位の国本京佑選手が追った。レースは、この2台のトップ争いに終始した。前半の高速セクションが速い中嶋大祐選手がリードを広げれば、後半のテクニカルセクションに強い国本京佑選手がすぐ背後に迫って最終コーナーを立ち上がるという展開が続いた。中盤までは余裕があったという国本京佑選手は、レース終盤に勝負を仕掛けようとチャンスを待っていたが、最後には自分もつらくなってペースを上げられず、結局、逆転できないままでチェッカー。
中嶋選手の背後に迫る国本選手
また、見どころとなったのは、3番手争いだった。予選7位から1周目に5番手、4周目に4番手と順位をアップした田中誠也選手が、井口卓人選手とバトルを展開。10周目の1コーナーで井口卓人選手のインを突いた田中誠也選手だったが、この時には大きくラインを外してパスすることはできず。その後も、攻め続けた田中誠也選手は、ついに15周目に3位に浮上。レース中のベストラップをマークしていた田中誠也選手だったが、トップ2台とのタイム差は大きく、3位のままでレースを終えた。
「コーナーが連続する最終セクションはボクが遅くて詰められてしまうので、まだまだ改善しなくてはいけない」と語る中嶋大祐選手。
「昨日からいい流れで来て、絶対に勝つつもりでスタートしました。前半に行けたのに自分の方が速いだろうと待ったのが敗因だと思います。次のもてぎでは練習からいい流れを作って、両方とも優勝したい」と2位の国本京佑選手。
優勝中嶋選手・2位国本選手・3位田中選手
第4戦終了時点でのポイントランキング1位は国本京佑(72点)、2位は井口卓人(47点)、3位は中嶋大祐(42点)となっている。次回、FCJ第3大会(第5戦、第6戦)は、5月19~20日、フォーミュラ・ニッポン第3戦(ツインリンクもてぎ)と併催される。