第15・16戦 10月20日(土)~10月21日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
第15戦は予選2位の山本尚貴選手が待望の初優勝をマーク!
第16戦は山本尚貴選手がポール・トゥ・ウインで2連勝を達成!


第15戦で待望の初優勝をマークした山本尚貴選手をピットウォールで出迎える

 10月20~21日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第8大会(第15戦、第16戦)が、今季2回目となるツインリンクもてぎを舞台に開催された。オーバルとロードコースが併設される特徴的なツインリンクもてぎ。ロードコースは、ストップ&ゴーの続くテクニカルコースであり、抜きどころは少ないが、長い下り坂のダウンヒルストレートから90度コーナーへの進入、1コーナーのトップ争いが勝負どころのひとつとなっている。
 レースウィークの木曜と金曜(10月18~19日)に設けられた第11回公式テストは、各日ともに午前と午後の2セッションずつ、計4セッションの走行が行われた。今季、ツインリンクもてぎでは、4月と5月に2回の公式テストがあり、5月19~20日に第5戦と第6戦が開催されているので、これが約5カ月ぶりの走行となる。今回の公式テストは山内英輝選手が全4セッションでトップタイムをマーク。山内英輝選手は第3戦で決勝2位、第12戦でポールを獲得と、富士で速さを見せている。総合2位は第10戦鈴鹿で初優勝を飾った坂本雄也選手、3位には前回のもてぎ戦で初優勝を決めた地元の栗原正之選手がつけた。

第15戦の予選でポールの国本雄資選手

第15戦、第16戦予選

 FCJ第15戦と第16戦の予選は、それぞれ15分間の計測が10分のインターバルを挟んで行われた。予選当日は快晴、夜に降った雨の影響で早朝はウエット状態だった路面も予選が始まる午前11時30分には、完全にドライとなっていた。第15戦の予選は、各マシンが次々とタイムを更新。山本尚貴選手が4周目にマークした1分54秒006を、終盤に国本雄資選手が1分53秒976を叩き出して逆転し、3戦連続となるポールを決めた。予選2位は山本尚輝選手、予選3位は坂本雄也選手、予選4位は松井孝允選手、予選5位は栗原正之選手がつけた。公式テストでトップタイムをマークした山内英輝選手は予選6位からのスタートとなった。

第16戦の予選でポールの山本尚貴選手

 続く第16戦の予選は、やはり序盤から山本尚貴選手がトップタイムをマークして、周回を重ねるごとにタイムを刻んでいった。ラストアタックで坂本雄也選手が1分54秒256をマークしたが、山本尚貴選手が6周目に出した1分54秒041に届かず、山本尚貴選手がポールを獲得、2位は坂本雄也選手、3位は山内英輝選手、4位には国本雄資選手の兄であり今季2勝を飾ってランキングトップの国本京祐選手が入った。5位は小林崇志選手、6位は栗原正之選手という結果。タイヤの内圧変更が裏目に出て思うようにタイムが伸びなかったという第15戦でポールの国本雄資選手は予選8位に終わった。

1周目に3番手まで順位を落としながらも、逆転で初優勝を飾った山本尚貴選手

第15戦決勝レース

 12周で争われたFCJ第15戦は、土曜日の午後3時30分にスタートが切られた。ポールの国本雄資選手が好スタートを決めたが、予選4位の松井孝允選手がエンジンストールして最後尾に後退。上位グループは予選順のまま1コーナーに進入。続く2コーナーを立ち上がり3コーナーへのアプローチで、トップの国本雄資選手をアウトからパスしようと試みた山本尚貴選手だが、坂本雄也選手にパスされてしまい、山本尚貴選手は3番手に後退。その後は、このトップ3がテール・トゥ・ノーズでバトルを展開。勢いのある山本尚貴選手は、4周目の5コーナーで2番手を奪い返して、トップの国本雄資選手を激しく追った。

国本雄資選手を先頭にして、1周目の90度コーナーを立ち上がるトップ3のマシン

 6周目の1コーナー進入で、トップの国本雄資選手は、痛恨のシフトミスをしてエンジンをオーバーレブさせてしまう。FCJは、オーバーレブをさせると、自動的に10秒間、エンジンのレブリミットが低く設定され、アクセルを踏んでも思うように加速しなくなる。山本尚貴選手は、楽々と3コーナーまでにトップへと浮上。さらに、前方がクリアになった山本尚貴選手は、次の周にはレース中のファステストラップも叩き出して、選手権ポイントを1点加算することにも成功。その後は山本尚貴選手の独走となり、後方では国本雄資選手と坂本雄也選手の2番手争いが展開されることになった。だが、国本雄資選手が2番手を守り切って、レースはチェッカー。今季6回の表彰台を経験している山本尚貴選手が、待望の初優勝をマークした。また、後方から着々と順位を上げていた予選7位の国本京祐選手が、11周目には栗原正之選手のコースアウトもあって4番手まで浮上したが、3番手の坂本雄也選手には1秒以上届かなかった。

2位の国本雄資選手、初優勝を決めた山本尚貴選手、3位の坂本雄也選手

「今日のレースは、1周目から全力でアタックした結果、1コーナーでも3コーナーでもオーバーランをしましたが、その気合があったので、坂本選手をパッシングでき、国本選手のミスを誘うことができたと思うので、結果的に1周目から攻めたことがよかったと思います。先輩ドライバーなどに、今までは小さくまとまって、いい子に走っていたという指摘を受けて、自分でも壁や殻を打ち破らないといけないと思っていました。地元でたくさんの方に応援をいただいたことも力になって、すべてのことがうまくかみ合って優勝につながったのだと思います。明日はポールポジションからスタートできるので、気持ちを切り替えて、明日も優勝できるように頑張ります」と地元で初優勝を決めた山本尚貴選手。
「今日は4連勝がかかっていて、しかもポールからのスタートだったんですが、優勝することができずに残念です。山本選手からのプレッシャーは強かったのですが、100%の力を出して頑張りました。後半は坂本選手からプレッシャーを受けていましたが、最後まで山本選手を抜いてやると思って走っていました。明日は8番手からのスタートですが、自分の力を出し切って、上位を目指して頑張ります」とレースを振り返り、明日への決意を語る国本雄資選手。
「最近、悪い流れが続いてしまったのですが、この表彰台は自分にとってもチームのみんなにとっても、最終戦に向けてモチベーションを高める上でも、意味があったと思います。明日はプッシュして必ず自分に勝って、一番でチェッカーを受けたいと思います」と坂本雄也選手。

ポールの山本尚貴選手が好スタートを決めて、トップで1コーナーを目指す

第16戦決勝レース

 前日にも増して好天となった日曜日に、18周で争われた行われた第16戦。決勝レースは、フォーミュラ・ニッポンのフリー走行、インテグラ東日本シリーズに続いて、午前11時20分にスタート。初優勝を飾り、さらにポールからスタートの山本尚貴選手は、好調の波に乗ってレースをリード。予選トップ5は、そのまま続いたが、今度は予選6番手の栗原正之選手がエンジンストールで上位争いから大きく脱落してしまう。トップの山本尚貴選手は順調に周回を重ねてレースをリード。その後方では、坂本雄也選手と山内英輝選手の2番手争いと、国本京祐選手、小林崇志選手、井口卓人選手による4位争いが展開されることになった。だが、井口卓人選手は4周目にコースアウトでリタイア。9周目の90度コーナーで山内英輝選手が2番手に浮上。11周目には勢いが鈍った坂本雄也選手を国本京祐選手がパスして3番手に浮上し、後続の小林崇志選手にも抜かれて、坂本雄也選手は5番手に後退。8周目にはファステストラップもマークした坂本雄也選手だったが、マシントラブルのために惜しくも12周でリタイア。

独走で2連勝を決めた山本尚貴選手

 レースは、安定した速さを発揮した山本尚貴選手が、ポール・トゥ・ウインで、うれしい2連勝を飾った。一方、9周目に2番手に浮上した山内英輝選手はトップを猛追したが、山本尚貴選手のペースは速く、結局、5秒623差まで詰めたところでチェッカー。また、序盤から続いていた国本京祐選手と小林崇志選手のバトルは、後続のプレッシャーに負けることなく、国本京祐選手はミスなく走り切って3位でゴールし、小林崇志選手は4位となった。5位は千代勝正選手、6位には第15戦で2位の国本雄資選手という結果だった。

2位の山内英輝選手、見事に2連勝達成の山本尚貴選手、3位の国本京佑選手

「昨日に続き、地元で連勝できてうれしいです。応援してくださったすべての方に、感謝の気持ちで一杯です。スタートは今までで一番といっていいほどうまく決まり、1周目から全力でプッシュして、絶対に守りに入らないという気持ちで走りました。その結果、最後には大きなギャップになって、最高の形で勝てたんじゃないかなと思います。ただ、途中でミスもあり、完璧ではなかったので、最終戦では完璧な走りをしたいですね。ランキングにはこだわらずに勝ちだけを狙い、結果としてシリーズチャンピオンがついてきたらいいかなという感じで、残り2戦を全力で戦い、来年につなげられるような走りをしたいと思います」と2連勝を達成した山本尚貴選手は語った。
「ガレージやファンの皆さんが応援してくれた結果がこうなったと思うので、この場をお借りして感謝したいと思います。トップとは差があって、後半はファステストラップを狙おうと切り替えてプッシュしていました。途中、S字で飛び出してしまったりもしたんですが、攻める気持ちで行けたので、よかったと思います。今回は連日練習走行でトップタイムを出してきて、予選でつまずいてしまったので、次の鈴鹿では予選でうまく走れるようにしたいと思います。練習から予選と決勝のシミュレーションをしっかりしていって、準備をちゃんとしたいと思います。トップからスタートすれば、必ず勝てる力はあると思っています」と語る山内英輝選手。
「今回は練習から流れが悪くて、悩みましたが、いろんな人からの力をいただいて表彰台に立てたことは、自分にとってプラスになったので、たくさんの方に感謝したいです。まだシリーズランキングも1位だし、次回の鈴鹿で、いい流れを作って、連勝してチャンピオンを決めます。山本選手が連勝したからと意識せず、27台の中で自分より速い人がいたら、いつもそれより上に行くようにして、常にトップにいたいと思っていますし、誰にも負けないと信じて走るだけです」と国本京佑はコメント。

 第16戦終了時点でのポイントランキングは、1位国本京佑(161点)、2位山本尚貴(155点)、3位田中誠也(119点)、4位国本雄資(111点)、5位中嶋大祐(109点)、6位井口卓人(107点)。2連勝を飾った山本尚貴選手がランキング3位から2位に浮上。第15戦2位、第16戦6位の国本雄資選手がランキング6位から4位にアップした。今回はノーポイントに終わった井口卓人選手がランキング4位から6位に後退となった。
次回、FCJ第9大会(第17戦、第18戦)は、11月17~18日、今季3度目となる鈴鹿サーキット(三重県)を舞台にフォーミュラ・ニッポン第9戦と併催、ともに今季最終戦となる。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014