第8戦 10月12日(日) テクニックステージタカタ
2008シーズン、最終章!
ダンロップ勢が激戦を制し3クラスを制覇!


清清しい秋晴れが広がる安芸高田市テクニックステージタカタ。

 2008年シーズンの全日本ダートトライアル選手権もついにここ広島県は安芸高田市にあるテクニックステージタカタで最終戦を向かえる事となった。このコースでの最終戦は2004年から定番の会場となっており、テクニカルなコースレイアウト故に、高度なドライビングテクニックが要求され最終戦に最もふさわしい会場だ。このコースの特徴と言えば、硬質なダート路面で砂煙が上がりやすく、コース内には立体交差も設定される実に珍しい会場である。決勝当日は朝から好天候に恵まれ、2008年シーズンを締めくくるには申し分のないシチュエーションとなった。気になるダンロップユーザーがチョイするタイヤは硬質な路面を得意とするSP SPORT 91-Rを選択し戦いに挑む。

前戦に続き2連勝で今シーズンを締め括った佐藤秀昭(ブーン)。

 毎回、上位にダンロップ勢がひしめき合い優勝争いが繰り広げられるN2クラス。前回のコスモスパークで、2008年のタイトルを決めた原宴司(ブーン)がその時の勢いをそのままにトップタイムをマーク。午後の2本目、コースは浮き砂利も履けて硬く締まった路面へ変化、それに合わせタイヤもSP SPORT-85Rをチョイス。この選択が功を奏しダンロップユーザーはタイムアップを遂げることとなる。1本目に続く勢いでチャンプ原の優勝が濃厚かと思われたが、同じダンロップタイヤに同じブーンX4を駆る佐藤秀昭(ブーン)がそれに立ちはだかる。唯一、佐藤の出した2分00秒台(2分00秒701)に原も届かず、佐藤が前回のコスモスパークに続き、2連勝を達成、2008年シーズンを見事、優勝で締めくくった。2位にはチャンピオンの原、3位にはポイントランキングでも3位の伊藤益弘(ブーン)が入り、ダンロップのワン・ツー・スリーで今シーズンを終えた。

苦戦を強いられた柴田一洋(インテグラ)だが、見事タイトルを獲得。

 この最終戦も荒れた展開となったSA1クラス。ノーシード勢がトップタイムをマーク、まだ決定しない優勝争いを更に混沌とさせる。このクラスでタイトルが掛かったダンロップユーザーの柴田一洋(インテグラ)だが、ここタカタテクニックステージのコースに苦戦を強いられ、2本のアタックを終え14番手に順位を下げてしまう。タイトルを争うライバルの山崎利博(シビック)も優勝を逃し4番手で競技を終える。14位の結果だった柴田だがライバル山崎の不調もあり、見事、今シーズンのSA1クラス、シリーズチャンピオンの称号を手にする事となった。

最後は優勝で文句無しのチャンピオンに輝いた笹本俊(シビック)。

 SC1クラスはランキングトップの笹本俊(インテグラ)と2位の工藤清美(シビック)のダンロップユーザーに加え、山本拓志(インテグラ)の3名にタイトル獲得の可能性を残し、この最終戦を迎える事となった。ポイントランキングトップではあるがシード権が無い笹本が、この3名の中で最初に走行を行う。しかし、笹本の前走者がトラブルに見舞われた事で再出走となりクラスの最終走者となった。これにより山本がこの3名の中で先に走行を開始、意地の走りを見せトップタイムをマーク。続く工藤は山本に負けじと果敢に攻めるがそのタイムは3番手となってしまう。残る走者は再出走の笹本のみ、その笹本の走りからは終始落着きが感じられ、中間計測でもトップタイムをマーク。続く後半の高速セクションも難なく走り切りゴールラインを通過。気になるタイムが会場内に響きわたった。そのタイムはトップの山本をコンマ644秒上回り、見事、優勝を獲得。これにより文句無しのタイトルを獲得した。

ノーシードの伊豆田浩三(アルト)が地元タカタで今季2勝目をマーク。

 小清水昭一郎(ミラジーノ)、鈴木功敏(ストーリア)、青木辰之(ミラ)の3名でタイトル争いが繰り広げられるSC2クラス。この3名での優勝争いになると思われた、この最終戦だったが、これに割って入る選手が登場。それはダンロップタイヤを履く伊豆田浩三(アルト)だ。伊豆田はこのタカタテクニックステージが地元とあってどうしても勝ちに行きたい。その思いが通じたのか見事にトップタイムをマークする。そしてチャンピオン争いをする小清水、鈴木、青木の3名は伊豆田のタイムをやぶり、是が非でも優勝でタイトルを決めたい。しかしこの3名でも伊豆田のタイムを破ることはかなわず、結果、最終戦を地元の伊豆田が優勝を果たし第2戦のおおむた以来となる今季2勝目を手にした。

小清水昭一郎(ミラジーノ)が2年ぶりにタイトルを奪還!

 ポイントランキングでもトップの小清水が2位に入り自力でタイトルをその手に納めた。
小清水は2006年以来、2年ぶりとなるタイトル奪還を果たした。

最終戦で今季初優勝を手にした梶岡悟(インプレッサ)

 地元勢の活躍が目立つこの最終戦。SC3クラスで広島が地元と言えば、ダンロップタイヤを履く梶岡悟(インプレッサ)だ。しかしこのクラスには、シーズンの殆どで勝利を納め、既にタイトルを決定している谷田川敏幸(インプレッサ)が立ちはだかる。午前中の1本目、梶岡がトップタイムをマークするも直ぐに谷田川が更新しトップタイムを奪われてしまう。しかし梶岡の地元であるこのタカタテクニックステージでそう簡単に勝たせる訳にはいかず、勝負所となる2本目で梶岡はSP-SPORT 91Rを履き、唯一49秒台突入する1分49秒399のトップタイムをマーク。続く炭山義昭(ランサー)も何とか49秒台にタイムを伸ばすが、1分49秒858でわずかに届かない。最終走者の谷田川も49秒台に突入するもコンマ435秒でフィニッシュ。梶岡が地元で嬉しい今季初優勝を飾った。表彰時のコメントでは「他のクラスでも地元勢が優勝していたので自分も優勝できてよかったです。」と久々の優勝を喜んでいた。


 2008年シーズンを終えて見れば、9クラス中、6クラスでダンロップユーザーがタイトルを獲得する良い結果であったが、来年はこれ以上にダンロップユーザーが活躍する年であって欲しい。