第7戦 9月19日(日) コスモスパーク
ダンロップ勢が7クラスを制覇!
2クラスでチャンピオンに輝く!



 2010シーズンの全日本ダートトライアル選手権は、今年も京都府にあるコスモスパークで第7戦を迎えた。全8戦で戦われる今シーズンは各クラスのタイトル争いで大詰めを向かえ、このコスモスパークでも激しい戦いが繰り広げられる事が予想される。今年で4回目の開催を迎える事となったこのコスモスパークは天候に恵まれ、気温は日中30℃を越すほどの暑さもみられた。コースレイアウトもコスモスパークの特徴をふんだんに取り入れ、3本のストレートを各マシンがハイスピードで駆け抜ける醍醐味が観客達を大いに沸かせる事となった。

野沢に続き2連勝を飾った森田英文(インテグラ)がN1クラスを制す。

 現在、タイトル争いで8ポイント差の中にダンロップユーザー4人がひしめき合う展開のN1クラス。そのトップに立つのは62ポイントを獲得する内藤聡(インテグラ)と同ポイントで並ぶ黒木陽介(インテグラ)の2人。これに僅か3ポイント差で追いかける本多智治(シビック)とトップに8ポイント差の森田英文(インテグラ)を加えた4人でタイトルを争っている。注目の1本目は、内藤が1分43秒台前半となる1分43秒104でトップタイムを獲得すると、黒木・本多も43秒台で上位につける。続く2本目では内藤が4人の中で最初にコースイン。その内藤は3秒近いタイムアップを成功させ1分40秒329をマークし1本目同様にトップに立つと、続く黒木が39秒台に入れ1分39秒804で内藤をかわし首位へ。そして1本目で3人に遅れをとった森田は2本目でなんと1分39秒644をマークし、2本目で意地を見せトップを奪う。残すは最終走者の本多、その本多は惜しくも40秒台に留まり順位は5位となってしまう。結果、森田が優勝を獲得し前戦の野沢に続いての連勝を達成。ポイントランキング4位だった森田が優勝を飾った事で更に混戦模様となり、最終戦へとタイトル争いが持ち越された。

昨年に続き伊藤益弘(ブーン)が地元京都で優勝を飾る。

 前戦でダンロップユーザー佐藤秀昭(ストーリア)のタイトル獲得が決まったN2クラス。既に佐藤がチャンピオンに決まったが、ダンロップユーザーの伊藤益弘(ブーン)と西田裕一(ブーン)での2位争いがまだまだ続くこのクラス。1本目、西田が1分40秒538でこれまでのトップタイムを塗り替えると、続く伊藤は惜しくも西田のタイムを上回る事ができなかったが2位につける。そして残る佐藤はこのコスモスパークでも好調さを見せ1分39秒301で2位の西田に1秒以上のタイム差を広げトップに立ち1本目を終える。2本目は1本目と同じく西田がそれまでのトップタイムを1分38秒019で更新し首位を獲得。西田と2位争いを演じる伊藤が2本目に挑戦。西田の出した38秒台を破る1分37秒186で見事、トップタイム更新を成功させた。残すは1本目でもトップに立っている最終出走佐藤がスタート。佐藤のタイムは1分37秒748と0秒562差で2位となり、優勝は今シーズン開幕戦のおおむた以来となる伊藤が2勝目を獲得。この京都が地元となる伊藤が今年も制し、シリーズ2位の座を優位とする嬉しい優勝を飾った。

クラススイッチ後、初年度でタイトルを獲得した北島広実(ランサー)。

 18台のエントリー全車がミツビシランサーとなったN3クラス。このクラスでもタイトル争いは大詰めで、現在トップは90ポイントを獲得する北島広実(ランサー)、2位には85ポイントの吉村修(ランサー)、3位に68ポイントの佐藤隆行(ランサー)の3人にタイトルの獲得が絞られる。1本目では佐藤が1分34秒468でトップタイムをマークすると続いて走行を行う北島が1分34秒489で僅かながら佐藤のタイムに届かない。そしてタイトルを争うもう一人の吉村は惜しくも途中棄権となってしまい1本目は佐藤がトップで終えた。

タイトル獲得に喜ぶ北島がその嬉しさをコメント。

 続く午後の2本目、北島と佐藤の戦いに他のドライバーが割って入る。クラス7番目を走行する矢本裕之(ランサー)が1分32秒418をマークし、トップタイムを32秒台へと突入させると、タイトル獲得の掛かった佐藤は32秒台をマークするが、1分32秒707と0秒289届かずこの時点で3番手となり、タイトル争いからは脱落してしまう。
この結果を知らず走行を開始した北島は、ここぞとばかりにタイムは31秒台へと突入させ1分31秒853でトップを獲得。そして1本目を途中棄権で終えた吉村は、2本目を無事ゴールするが1分32秒782、0秒929差で届かず6位という結果になってしまう。クラス全ての走行を終え、優勝は北島、そして佐藤は5位という順位となる。最終戦まで持ち越されると思われたタイトル争いは今年、このN3クラスへスイッチしたばかりの北島が優勝と共に獲得しチャンピオンへと輝いた。

勝利で2年連続のタイトルを決めた山崎利博(シビック)。

 ダンロップユーザーの山崎利博(シビック)と清野タカシ(シビック)が僅か1ポイント差でシリーズを争うSA1クラス。この2人のポイント次第では今回、タイトルが決まる可能性もあり、緊迫した戦いが1本目から繰り広げられた。その1本目では6番目に走行のノーシード勢、上野倫広(インテグラ)が好調でマークした1分40秒750のトップタイムは以降のシード勢でもなかなか破る事が出来ずにいたが、最終走者の山崎がこれを上回るタイム1分40秒429をマークしトップに立つ。

嬉しさを抑えた表情でコメントする山崎。

 2本目では予期していなかったノーシード勢の山下貴史(FTO)の出したタイム1分38秒543に苦戦を強いられ上野や清野までもがこのタイムを破れずにいる。優勝の期待が掛かった山崎が走行を開始。前半セクションでの中間計測では山崎が山下より0秒241速いタイムをマークし、勢いをそのままにゴールまで一気に走り抜けた山崎がマークしたタイムは1分38秒110。山下を0秒433差で破り今季4勝目を獲得。シリーズを争う清野が5位となった為、この時点で山崎のタイトル獲得が決定。これにより山崎は昨年に続きSA1クラス連覇を成し遂げた。

今シーズン2勝目を挙げた松田周一(ランサー)がシリーズ2位へとポジションをアップ!

 今大会10クラス中、最も多いエントリーを集めたSA2クラス。このクラスは既にダンロップユーザーの北村和浩(ランサー)がタイトルを決めている。今年のこのSA2クラスはシード勢とノーシード勢が入り乱れての戦いを多く展開し、他のクラスと違った戦いが見られるのが醍醐味とも言える。そこでこのコスモスパークでは1本目で唯一の32秒台となる1分32秒033でチャンピオンの北村がトップを獲得すると、これに続く33秒台のタイムには田上正彦(ランサー)、山野光司(ランサー)、松田周一(ランサー)と3人のノーシード勢が上位につけ優勝を狙う。この3人の中で午後の2本目に松田が一人飛び出す。ベストタイムを一気に1分31秒452に入れトップに立つと、続く選手達誰もがこのタイムを上回れずにいる。そして最後の北村でさえも1分31秒576をマークするが0秒124差で届かず2位。チャンピオン北村を破る走りを見せた松田が今季2勝目を挙げポイントランキングも2位へと順位を上げた。

大波乱の2本目を制した酒井洋二(アルト)が全日本初優勝を収める!

 今シーズン、第2戦以降は不成立が続いていたSC2クラスがこのコスモスパークで久々の開催を迎えた。6台での戦いとやや寂しい台数ではあるが始まって見れば、1本目から激しい戦いを展開。シリーズのタイトルを争うダンロップユーザーの2名、伊豆田浩三(セルボ)と岩田真理(ストーリア)は共に38秒台にタイムを入れ、1分38秒175をマークした伊豆田が岩田を交わし1本目をトップで終えた。続く2本目でもこの2人の戦いになると誰もが予想するが、クラス2番目を走行した酒井洋二(アルト)が1分37秒056で自身のベストタイムを更新しトップタイムも塗り替える。2本目では続くと思われたベストタイムの更新がどの選手もうまく行かず、1本目でトップだった伊豆田も1分39秒953と逆にタイム落としてしまう。伊豆田と同様に岩田も2本目のタイムを落としてしまい伊豆田が3位、岩田が4位という結果になる。波乱のSC2クラスを制したのは全日本初優勝を獲得する事となった酒井。思わぬ展開に自身も驚きの優勝劇となった。

チャンピオンを蹴散らし丹羽政彦(ランサー)が2勝目を獲得。

 前戦で谷田川敏幸(インプレッサ)のタイトルが決定したSC3クラス。今シーズンは惜しくもダンロップユーザーのタイトル獲得とはいかなかったが、このコスモスパークではダンロップ勢が活躍を魅せた。1本目では1分32秒416をマークしそれまでトップだった丹羽政彦(ランサー)のタイムを1秒以上も上回ったチャンピオンの谷田川にトップを奪われる。しかし2本目ではそうはさせまいとダンロップ勢が優勝を目指し果敢にアタックを開始する。ノーシード勢の最後を走行する梶岡悟(インプレッサ)が1分33秒536と1本目の谷田川のタイムを越える事が出来なかったが順位を上げて2位につける。1本目で2番手だった丹羽が走行を行い確実なタイムアップが見込まれない状況ながら1分30秒496をマークし、遂に谷田川のタイムを塗り替える事に成功。残す最終走者の谷田川はタイムアップとなるが丹羽の出したタイムには及ばず勝負あり。優勝を飾った丹羽は開幕戦以来の優勝で今季2勝目。シリーズ2位のポジションを確実なものとさせた。

 今年の全日本ダートトライアル選手権も残すは最終戦のみ。その舞台は広島県テクニックステージタカタとなる。最終戦までもつれた3つのクラスのタイトル争いでダンロップ勢のタイトル獲得が掛かっている。その3つのクラス全てでダンロップユーザーがチャンピオンに輝く事に期待したい。