第7戦 10月21日(日) 富士スピードウェイ
Rd.7 Report

野村選手単走

 ご存知ドリフト界のスーパースター“のむけん”、そして屈指のハチロク使いである日比野哲也選手を擁するダンロップワークス。惜しくもシリーズチャンピオン争いには絡めなかったが、ランキングは野村選手が4位で日比野選手が8位。最終戦の結果しだいではさらに順位を上げる可能性を残しており、来シーズンを占ううえでも重要な一戦だ。そして、初のシード入りを果たすなど2007年の成長株である猪瀬徹選手。今シーズンを締めくくる、そして来季へ向けてのアピールとなる激しい走りを見せてくれることだろう。

日比野選手単走

 見事な秋晴れの富士スピードウェイ。1回戦に臨んだ野村選手は、いきなりスピード/角度/ライン取りとも完璧な走りで100点を叩き出す。続く日比野選手も審査員に「減点するところがない」と言わしめる走りを見せ、同じく100点満点。シードに相応しいハイレベルなドリフトで会場を大いに涌かせた。またマシンをS15シルビアに戻した猪瀬選手は、予選を2位で通過。1回戦ではクリップが甘く減点されるが、185㎞/hのスピードを評価されベスト16に進出した。

野村vs猪瀬

 そして始まったベスト16、2組目はなんと野村選手と猪瀬選手の“同門対決”に決定した。過去の実績からいえば野村選手が有利だが、上り調子の猪瀬選手にもチャンスは十分にある。しかし、出走する直前に野村選手のシフトノブが折れたという情報が入る。野村選手は手負いのマシンを懸命にコントロールするが、上り調子の猪瀬選手を止めることはできなかった。300Rを接触せんばかりの勢いで懐に飛び込み、それが決め手となって猪瀬選手がベスト8に勝ち上がった。4月の第2戦はミッショントラブルによリタイヤするなど、富士スピードウェイとは何故か相性の悪い野村選手。2007年の最終戦を不本意な結果で終えることになってしまった。

日比野vs今村

 続いて、日比野選手がスタート地点に姿を見せる。対するは2003年のシリーズチャンピオン、今村陽一選手。前回のオートポリスでは野村選手を破るなど、追走にはめっぽう強いドライバーだ。ところが、野村選手に続き日比野選手にもトラブルという悲劇が襲いかかる。なんと、パワ―ステアリングのベルトが切れたというのだ。繊細なステアリング操作が求められるD1グランプリにおいては、致命的なダメージ。1本目はなんとか走行するが、さらにミッションにもダメージを抱え走行不能に陥ってしまう。1回戦は絶好調だったダンロップワークスだが、両者ともマシントラブルでその姿を消すことに……。

猪瀬vs末永

 唯一のダンロップ勢となった猪瀬選手。ベスト8は第3戦の覇者、FD3Sを駆る末永正雄選手だ。1本目は猪瀬選手が後追い。持ち味のスピードを活かし勢いよく飛び込むが、その後に挙動を乱してしまう。先行の2本目はミスなく決めるも、追走バトルの経験が豊富な末永選手はすぐ後方でスピードと角度をピッタリ合わせてくる。完敗だ。なお優勝は猪瀬選手を倒した末永正雄選手が、シリーズチャンピオンは川畑真人選手が獲得して2007年のD1グランプリは幕を閉じた。

シリーズランキング5位でシーズンを終えた野村選手

■野村選手コメント
まだまだ未熟だった、というのが正直な感想ですね。前半は昨シーズンの続きみたいな感覚で、シリーズチャンピオンばかりを意識していたんです。だけど、それが原因で空まわりしてしまいました。それがイッキに切り替わったのは第5戦のエビス。シリーズを狙うのがポイント的に厳しくなり、初心に返って「D1を楽しもう」と考えたんです。そうしたら初優勝。精神的にリラックスできたんでしょうね、コレは。そういった面も含め、自分に足りないモノが見えたシーズンでした。

阿部監督

■阿部監督コメント
D1は本当にむずかしい! 勝ちに執着する気持ちと楽しむ気持ち、このバランスが大切だと痛感しました。昨シーズンは1ポイント差でチャンピオンを逃したこともあり、前半は「少しでもポイントを」という焦りに似た気持ちがあったのは否めません。マシンも今年は「下手にイジるより慣れたセットのほうが確実」と、大きく変更しませんでした。それでライバル車の進化に付いていけなかった面もあります。来季の体制はまだ未定ですが、色々な意味で勉強することができました。
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ニュルブルクリンク2014