第3戦 5月24日(土)~25日(日) 鈴鹿サーキット
Rd.3 Report
BLITZ DUNLOP ER34
古口美範が第2戦・富士スピードウェイで初優勝を遂げ、勢いに乗るダンロップワークス。第3戦は5月24日~25日、三重県は鈴鹿サーキットで開催された。野村謙、古口美範の2名はシードのため、走行は決勝日の1回戦から。予選に挑むのは日比野哲也、猪瀬徹、一柳和人の3名だ。予選が行なわれた24日は朝から雨が振り出し、コースは完全にウエット。より繊細なマシンコントロールが要求される、厳しいシチュエーションとなった。
日比野選手予選
審査はダンロップコーナー~逆バンク~S字と、コースを逆走する形で行なわれる。ダンロップコーナーへの進入は下り坂となるため、スピードの調整が難しい。ドライ路面のためにパワーを上げた中堅どころが苦戦するなか、400ps級の下位ゼッケン組が高得点を次々にマークする。ダンロップワークスは日比野が99.8点、一柳が99.5点、猪瀬が99点を獲得し、3名が揃って決勝に進出した。おまけに、一柳の進入速度は2番手となる108㎞。ライン取りや角度も問題なしで、このままなら決勝でもいい成績が期待できそうだ。
古口選手1回戦
決勝の25日、ゲートオープンの時刻には雨もすっかり上がり、雲の切れ間からは青空も見え始める。おかげで、1回戦はなんとかドライ路面で迎えることができた。最初に登場したのは野村。1本目から「減点しようがない」とコメントされる走りをみせ、いきなり100点満点をゲットした。3本目も100点満点を叩き出し、無難に1回戦を突破する。日比野も微妙なステアリングの修正こそあったものの、3本とも99.80点以上。大応援団の声を受けた一柳も3本目に100点満点を獲得して、なんと野村を上まわる6位でベスト16進出を決めた。しかし古口は17位とわずかに届かず、猪瀬はマシントラブルで2本目以降は出走できず。惜しくも1回戦で敗退した。
一柳選手VS上野選手
ベスト16にまず登場したのは、熊久保信重と対戦する日比野。1本目はパワーに勝るランエボに引き離され、2本目は“追走王”との異名を持つ熊久保に、接触と紙一重の食い込みで圧倒されてしまう。日比野もミスこそないものの、迫力で及ばずベスト8進出は果たせなかった。続いて、初のベスト16となる一柳。ベテランの上野高広を相手に一歩も引かない走りを披露し、1本目はわずかながらもアドバンテージを得る。しかし2本目の後追い、一柳はドリフトが大きく戻る痛恨のミス……! 惜しくもベスト16止まりだったものの、今回の経験を糧に一柳はさらなる成長を遂げるはずだ。そして野村は、内海との4回にも及ぶサドンデスを制してベスト8に。
野村選手VS黒井選手
野村がベスト8で対戦するのは、チーム・トーヨーの同門対決を制した黒井敦史。まずは野村が先行の1本目、ダンロップコーナー下りで黒井を引き離し5.5:4.5と若干ながらポイントで上まわる。そして2本目、逆バンクの振り返しまでは凄まじい食い込みで野村が圧倒的にリード。しかし、審査区間が終わる直前でマシンが大きく流されてしまう。このミスでポイントは振り出しに戻り、サドンデスに突入する。3本目を完全なイーブンで終え、勝負が動いたのは4本目。後追いの野村は進入で黒井のインに深く食い込んだものの、その後インカットというミスを犯してしまう。これは取り返しようがない……。ダンロップワークスのエース野村謙、残念ながら第3戦はベスト8で姿を消すこととなった。
野村選手、出陣!
優勝は逃したものの、一柳和人が初めてベスト16に進出するなど、明るい材料も多かったダンロップワークス。次のラウンドは2年ぶりに開催される東京・お台場でのエキシビジョンマッチ、そして6月28日~29日の岡山国際サーキットだ。D1グランプリが行なわれるのは今回が初めてで、当然ながらデータも何もない状況。それだけに、いつも以上の混戦は必至だろう。押しも押されもせぬベテランの野村と古口、着実な力を身に付けた中堅の日比野の猪瀬、さらに急成長を遂げた一柳ら若手ドライバーの活躍を期待したい。
ダンロップのエース野村選手
「サドンデスが多いのは別に苦じゃなかったんだけど、ベスト8ではちょっとやりすぎました。エキシビジョンマッチのお台場、そして第4戦の岡山ではもっとイイところを見せたいと思います」と野村謙。ブリッツの阿部監督は、「岡山国際サーキットは、当然ですが初めてのコース。とはいえクルマは完成しているので、タイヤの空気圧を調整するくらいで問題ないのでは」と自信をのぞかせる。