第3戦 5月27日(日) 鈴鹿サーキット
Rd.3 Report

第3戦は「サーキットの聖地」鈴鹿が舞台

 5月最後の週末である26から27日にかけておこなわれた2007年のD1グランプリ第3戦鈴鹿。レースウィークは好天の続いた今年の5月らしい、さわやかな陽気となり、スタンドは満員御礼となった。
今年で2回目となる鈴鹿でのレースは、本コースのダンロップコーナーから逆バンクにかけてを逆走する形で行われる。なお、この第3戦では日比野、野村両選手がシード権を獲得しており予選は免除されている。
 そして迎えた決勝日。単走アタックの最中にエンジンブローを起こしたマシンがあり、オイル処理のため一時アタックが中断されてしまったが、日比野選手は集中力を乱すそんなアクシデントにもめげず、アタック再開直後に100点満点の走りを見せる。野村選手もライン、角度などほぼ完璧な走りを見せ、99.95点という得点をマーク。野村選手は10位、日比野選手は5位で追走への出場を決めた。

勢いのある走りを見せる日比野選手

午後の追走、日比野選手の最初の対戦相手は、600PSオーバーといわれるインプレッサを操る田中一弘選手だ。日比野選手のAE86とは対極の性質を持つマシンだが、日比野選手は86の有利不利を見極め、見事田中選手をくだす。
 続いては野村選手と、AE86に乗る小師賢作選手の対決。自身のクルマと性質が違うからか、以前はNAの86を苦手としていたという野村選手だが、2本目の先行で小師選手を引き離し、そのまま勝負を決め駒を進めた。これで野村、日比野の両選手はベスト8進出を果たす。

野村選手と末永選手の争い

日比野選手の追走2回戦の対戦相手はBNR32を駆る手塚強選手。一本目は先行の日比野選手に手塚選手が接触! 日比野選手のクルマのリアバンパーが外れるというダメージだったが日比野選手はまったく動じず、何事もなかったかのように快走を続ける。続く二本目は日比野選手が後追いし、ぴったり角度をそろえて手塚選手のインに食い込み勝利を手にした。
 野村選手の2回戦の相手は末永正雄選手。過去の戦績としては野村選手が2勝しており相性はいいはずだが、この日の末永は勢いのある走りを連発し、手ごわい相手だ。野村選手が先行した一本目は引き分けだったが、二本目はスピードに乗った走りを見せた末永選手に離されてしまい、角度やスモークなどの要素は野村選手が勝っていたものの総合的には末永選手の勝利となった。

もちろん野村選手の走りも熱かった!

セミファイナルに進出した日比野選手は、今度はZ33をドライブする今村陽一選手と対戦する。一本目は日比野選手が後追いだったが、逆バンク以降で今村選手に離されてしまい6:4でリードを許す。しかし2本目はダンロップでミスをした今村選手に角度やスモークでさらにポイント差をつけ、6.5:3.5で逆転した。これで日比野選手にとっては三度目となる決勝進出で、悲願の優勝のチャンスを手にした。

末永選手と激しく決勝を争う日比野選手

しかし決勝の相手は野村選手や熊久保信重選手を下し、絶好調の走りを見せている末永選手。ぜひとも野村選手の敵をとって優勝したいところだが、そう簡単には行きそうもない。お互い駆け引きよりも勢いに乗った走りを身上とするスタイル同士だが、一本目は先行する日比野選手を末永選手が追いきれず6:4で日比野選手がリード。しかし続く2本目はリードで走りが守りに入ってしまったせいか、今度は逆に末永選手に突き放されてしまう。そして勝負はサドンデスへ。一本目は日比野選手が角度で、末永選手がインへの食い込みでポイントを稼ぎ両者引き分け。続く2本目は先行した末永選手が驚異的なスピードで日比野選手を突き放し、6:4で勝利する。

初優勝の日も遠くはなさそうだ。

これで優勝は末永選手、そして準優勝が日比野選手となるはずだったが、サドンデスの最中に日比野選手が斜行で末永選手に接触してしまい、末永選手がこれに抗議。レース終了後協議の結果日比野選手は危険行為で失格になってしまった。一日を通して日比野選手の走りそのものは積極的で素晴らしかっただけに、非常に残念な結果となってしまったが、次のレースでは気持ちを切り替えて今度こそ優勝を狙ってほしいところだ。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014