第2戦 4月29日(日) 富士スピードウェイ
Rd.2 Report
練習走行から気合の走行をする野村選手
エビスサーキットで行なわれた開幕戦から約1カ月、2007年のD1グランプリは富士スピードウェイに戦いの場所を移した。前回ベスト8に進出した2名のダンロップワークスは、シード権を獲得して予選は免除。悲願であるシリーズチャンピオンを狙う野村選手、そして「いつ勝っても不思議じゃない」と実力を評価される日比野選手、両者ともこのラウンドを制して勢いに乗りたいところ。
決勝日は4月29日。前日の荒れた天気がウソのような青空の下、練習走行がスタートした。「富士スピードウェイは苦手」という野村選手だが、お家芸の深い角度とタイヤスモークは健在。開幕戦の終了後に阿部監督が話していた、メンタル面のトレーニングが功を奏しているようだ。いっぽう日比野選手も軽量ボディにパワフルなエンジンという武器を活かし、本番さながらの走りでアピール。決勝戦へ向けての意気込みが伝わってくる。
日比野選手のパワフルな走り
スタンドを埋め尽くす大観衆のなか、1回戦がスタート。今年から1周のウォーミングアップが廃止されたため、タイヤが十分に温まっていない状態で1本目を走行しなければならない。まずは日比野選手。1本目と2本目こそ失敗に終わるものの、3本目で「ラインも角度も満点に限りなく近い」という走りを見せる。さらに野村選手も3本目に100点をマーク。これにより、2名のダンロップワークスが揃ってベスト16進出を決めた。
ミッショントラブルでも走る野村選手
ベスト16、日比野選手は手塚強選手と対戦。日比野選手が先行の1本目、手塚選手がヘアピン立ち上がりでわずかなミスを犯す。2本目は両者ミスなく5分だが、マシンの性能差を加味されサドンデスへ突入する。4本目になっても集中力を保ち、ミスのない走りを続ける日比野選手。対して手塚選手は4本目、ヘアピン立ち上がりで再びアンダーを出してしまう。それが決め手となり、日比野選手がベスト8に進出した。そして、古口美範選手と対戦した野村選手を悲劇が襲う。ミッションにトラブルが発生し、1/2/6速しか使えなくなってしまったのだ。その状態でなんとか走り出すが、手負いのマシンで本来の走りを望めるワケがない。残念ながら野村選手はベスト16で姿を消すこととなった。
日比野VS末永
日比野選手の次なる相手は、FD3Sを駆る末永正雄選手だ。ベスト8最初の対戦で起きたクラッシュのため、コースにはまだオイルが残っている状態。そのためウォームアップは2周に増やされ、コンディションを確認しながらの走行となった。1本目、300R出口で日比野選手が若干のアンダーステア。2本目に起死回生を賭けるが、タイヤスモークや角度といった迫力でもう一歩及ばない。僅差の勝負ではあったが、惜しくも準決勝へ駒を進めることはできなかった。次戦は5月26日~27日、鈴鹿サーキット。ダンロップワークスがみせる巻き返しに期待したい!
野村選手
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(Photo:M.Fujii / Text:Sato)