DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第6戦 9月8日(土)~9月9日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
Epson HSV-010、惜しくも14位完走に終わるが
次戦に生かせるデータを得られた一戦となった

新仕様タイヤを投入したEpson HSV-010

 9月8~9日、2012年スーパーGTシリーズ第6戦「FUJI GT 300km RACE」が開催された。全8戦で争われるシリーズは、ついにラスト3戦となり、チャンピオン争いも佳境を迎えた。今回は5月の第2戦に次ぐ、今季2度目の開催となる富士スピードウェイでのバトル。全長4563m、約1.5kmの長いメインストレートが大きな特徴であり、コース前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされた難しいコースだ。
 GT500クラスは、ダンロップユーザーとして8年目を戦う「NAKAJIMA RACING」が、3年目のシーズンとなるホンダのスーパーGT用マシンのHSV-010 GT、「Epson HSV-010」で参戦。
 GT300クラスは、今季、「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)からチーム名を変更した「GAINER」(ゲイナー)が、3年目のダンロップユーザーとして戦う。昨年は、FIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTCで、シリーズランキング2位を獲得。今季は、最新モデルのAudi R8 LMS Ultraを投入して、悲願のタイトル獲得を狙う。
 今回、ダンロップがサーキットに持ち込んだタイヤは、GT500クラスとGT300クラスともに、ドライ用はハードとミディアムの2種類。ウエット用は浅溝、深溝の2種類で、それぞれミディアムとハードを用意。8月に富士で行われた公式テストの結果、ミディアムながら、かなりソフト寄りのコンパウンドにすることで、グリップを高めた新仕様のタイヤを投入。今回が初走行となるため、ロングランは出来ていないが、予選前の練習走行で好感触が得られたため、両クラスともに、予選にはこの新ミディアムタイヤをチョイスして臨んだ。

Epson HSV-010はQ2進出ならず、予選14位

【GT500】
「NAKAJIMA RACING」は、チーム加入3年目のベテラン道上 龍選手と、4年目となる中山友貴選手が、今季もGT500クラスのダンロップユーザーとして戦う。ホンダHSV-010 GTは、2010年のデビューイヤーにチャンピオンを獲得。昨年はラジエターの位置をフロントから前輪の後方に移して旋回性能が進化。今季はボディやパーツの空力性能をさらに進化させ、ダウンフォースを保ちながらドラッグ (空気抵抗)を軽減し、トップスピードが高められている。
 今年5月の第2戦富士は500kmだったが第6戦は300kmで争われる。そして予選は第2戦はスーパーラップ方式だったが、今回はノックアウト方式を採用という違いがある。
 予選日は朝から好天となった。レースウィークの走り始めとなる公式練習は、9時40 分から11時40分までの2時間。Epson HSV-010をドライブする道上 龍選手と中山友貴選手は、予選へ向けてのタイヤ選択とセッティングを行い、13番手のタイムでセッションを終えた。
 予選は、前戦に続いてノックアウト方式が採用された。Q1(予選1回目)は上位11台、Q2(予選2回目)は上位7台が次のセッションに進出、Q3(予選3回目)でトップ7のグリッドが決定。
 天気予報では、予選中に雨がパラつく可能性も伝えられていたが、ドライコンディションで争われた。Epson HSV-010は、公式練習で好感触を得たソフト方向のミディアムを投入して、Q2進出を狙ったが、わずかに届かす14番手となり、予選14位が決定。Q2での中山友貴選手のアタックを見ることはできなかった。
「今回、予選で履いた新仕様のタイヤは、今までになく手応えを感じられたのですが、周りもレベルアップしていることもあり、Q2には進めませんでした。でも確実にレベルアップしているので、決勝では追い上げたいと思います」と道上 龍選手は決意を語る。
「今回の新しいタイヤは、公式練習で走ってみて、今まででより手応えを感じられるタイヤでした。一番よかったソフト目を予選に使いましたが、それをQ2でアタックすることができずに残念な結果になりましたが、レースでは挽回したいと思います」と中山友貴選手。

レース前の決勝グリッド、中山友貴選手、道上 龍選手、中嶋 悟総監督

 決勝日も快晴となった。朝のフリー走行では、予選と同じ14番手でセッション終了。
 66周、300kmで行われる決勝レースは、道上 龍選手がスタートドライバーを担当。14時に1周のフォーメーションラップがスタートし、再びメインストレートにマシンが戻ってレースはスタート。Epson HSV-010は、予選14位から1周目に12番手に浮上。だが、フリー走行で事前にマーキングされたタイヤ以外を履いて走行してしまい、ドライビングスルーペナルティを科されて、7周目には14番手まで後退した。
 22 周でピットイン、中山友貴選手にチェンジしたが、タイヤ交換作業が長引いてタイムロス。コースインした中山友貴選手は追走を開始したが、走行を重ねるにつれてペースが上がらなくなり、ピットの指示で再びタイヤ交換のためにピットイン。ペナルティと1回多いピットインもあって、トップに2周遅れの14位でゴールしたが、次戦へ向けての新仕様タイヤのデータを蓄積できたレースとなった。

最初のピットインで、スタートドライバーの道上 龍選手から中山友貴選手にチェンジ

「なんといっていいのかわからないほど残念な結果になりました。今回の出来事をよく精査し、次のオートポリスに向けて、チーム一丸となって全力で前進ます」と中嶋 悟総監督。
「これまでと違うタイヤでトライすることが出来て、新たな手応えを得られました。レースでは厳しかったですが、グリップレベルは上がっています。さらに改良してレベルアップし、今後のレースに反映していきたい。ボクなりに手応えを感じたタイヤで、どうやってタイムアップしていくかという課題が見えた一戦でした」と道上 龍選手は振り返る。
「新タイヤのパフォーマンスは高かったのですが、決勝までのデータ収集で早めにグリップダウンしそうなのがわかりました。道上選手が22周まで走って、残りを少し硬めのタイヤで走りだしたのですが、ちょっと違和感があり、ピットとやり取りした結果、タイヤを替えることを決めました。その時点で残り周回数は22周を切っていたので、前半のスティントで使ったソフト目のタイヤで走りました。周りと比べても負けてはいないのですが、初めてということもあり、今日のコンディションではロングスティントを走るだけの力がまだ足りなかったようです。トラブルとチームのミスも出てしまったり、とても流れが悪いレースになりました。でもその中で、小さく前進は出来たので、あきらめずに残り2戦を戦いたいです。予選も大事ですが、レースを安定してコンスタントに速く走れるクルマに仕上げていきたいです。とにかくトライするしかないので頑張ります」と中山友貴選手はコメント。

次戦オートポリスでは、どんな戦いを見せてくれるか

 第7戦(9月29~30日)の舞台は、2年のブランクを経て、昨年復活したオートボリスラウンド(大分県)。高速&中低速コーナーとアップダウンが続くテクニカルコース。路面改修が行われたため、昨年とは路面コンディションが異なっている。事前の公式テストは行われないため、ダンロップ勢が新舗装を走るのは、このレースウィークが初走行となる。
 タイヤに厳しいコースと言われるサーキットだけに、新舗装で予想外の展開となるかもしれない。道上 龍選手と中山友貴選手が、Epson HSV-010とダンロップタイヤの進化とともに、さらなるパフォーマンスを発揮してくれることを期待したい。





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ニュルブルクリンク2014