DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第3戦 6月15日(土)~16日(日) マレーシア・セパンサーキット
好調なGAINER DIXCEL SLSは3位入賞でランキングトップ
10号車は7位入賞を果たし、2戦連続でポイントを獲得!

レースをリードした2台のハイブリッド勢に続き、3位表彰台の平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手

 4年目のダンロップユーザーとしてGT300で活躍する「GAINER」(ゲイナー)。田中哲也選手と平中克幸選手がペアを組み、一昨年はFIA GT耐久仕様のフェラーリF458 GTCで、最終戦までタイトル争いを展開し、ドライバー&チームランキング2位となる。昨年はFIA GT3仕様のAudi R8 LMS Ultraを駆り、開幕戦岡山でデビューウイン。第2戦富士ではポールポジションを獲得。だが第2戦からの性能調整(POB/パワー・オブ・パフォーマンス)の影響で、トップスピードが抑えられ、厳しい戦いが続いた。第6戦まで連続入賞してタイトル争いに絡んだが、ドライバーランキング7位、チームランキング6位に終わった。
 今季、チームがタイトル獲得を目指して、「Mercedes Benz SLS AMG GT3」を新投入。名門チューナーのAMGが手掛けたGT3仕様。ヨーロッパのレースで活躍するマシンで、FRレイアウトだが、低重心で、前後バランスも良好で、パフォーマンスの高いマシンだ。性能調整次第ではあるが、タイトル獲得の大きな武器となるマシンである。
 今季は2台体制となり、11号車は平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手、10号車は田中哲也選手と植田正幸選手が担当。ビヨン・ビルドハイム選手は昨年までGT500でレクサスSC430やGT-Rで参戦し、フォーミュラ・ニッポンにも参戦していた実力派ドライバー。植田正幸選手はスーパー耐久の参戦やスーパーGTに参戦、「GAINER」からの参戦経験も豊富で、2008年には田中哲也選手と組んでスーパーGTに参戦している。
 第1戦岡山では11号車のGAINER DIXCEL SLSが予選3位から優勝を決めて、チームとしては2年連続で開幕戦を制した。10号車は、トラブルやアクシデントなどもあり15位。第2戦富士では11号車は6位、10号車は10位入賞という結果で、第4戦に臨む。11号車は開幕戦の優勝と第2戦の6位で50kgのウエイトハンデを搭載している。

予選4位のGAINER DIXCEL SLS

 ドライで行われた予選は、ノックアウト方式で行われる。15分間で争われるGT300クラスのQ1がスタート。11号車のGAINER DIXCEL SLSは平中克幸選手、10号車のGAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLSは田中哲也選手がタイムアタックを担当。平中克幸選手は7番手、田中哲也選手は4番手で、トップ13位までが進出できるQ2に駒を進めた。Q2は、ビヨン・ビルドハイム選手と植田正幸選手がタイムアタックを行った。2台は好調なアタックを続け、ビヨン・ビルドハイム選手は7番手グリッド、植田正幸選手は10番手グリッドを獲得した。
「土曜最初のセッションの公式練習では、走り始めた段階では正直言って苦戦を覚悟していました。コンディションとタイヤのマッチングとかクルマのセッティングの部分で結構苦労していたんですが、セットを少しずつ変えていくうちにクルマの状況はよくなっていきました。そして公式予選までのインターバルでチームミーティングを重ねて、最後に行ったセット変更がよかった。すごくいい方向にいって、コンディションの変化(公式練習に比べて公式予選は路面温度が5℃ほど低下)も、ダンロップタイヤを含めてボクらのパッケージによかったようです」と平中克幸選手は語った。

平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手

 300kmの決勝レースは、11号車はビヨン・ビルドハイム選手、10号車は植田正幸選手が、スタートドライバーを担当。ともにオープニングラップは、予選と同じクラス7番手と10番手のポジションをキープ。ビヨン・ビルドハイム選手は、ハイペースなバトルを展開しながらグングンと順位を上げた。植田正幸選手は順位を落としながらも、確実に周回を重ねて行った。
 ルーティンのピットインを終えた2台は、それぞれ平中克幸選手と田中哲也選手が果敢な走りで、ポジションをアップ。ダンロップタイヤと路面コンディションもマッチして、攻めの走りを展開。2台のハイブリッドマシンが激しいトップ争いを展開する後方に、果敢に攻めてポジションアップを続けた11号車のGAINER DIXCEL SLSがつけた。
 トップ2台の勢いには届かなかったが、平中克幸選手は3位でフィニッシュを飾り、見事にランキングトップをキープ。10号車の田中哲也選手と植田正幸選は7位に入り、2戦連続でポイントを獲得。「GAINER」にとっては、好調なレースウィークとなった。

10号車のGAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLS

「今回は上々の結果を残すことができました。これまでもレースラップ(決勝でのペース)は決して悪くなかったのですが、予選で下位に飲み込まれてしまうと、どうしても自分のペースで走ることができなくなり、結果的に本来のパフォーマンスが発揮できないのです。今回もランボルギーニの前に出るまでは2分08秒から09秒台でしか走れなかったのに、前に出たら07秒台から08秒台で走れましたから。今後の課題はやはり予選で前に行くこと。それができれば決勝では十分に上位で戦えます。今日の結果がそれを証明していると思います。ただ、ハイブリッドの上位2台の速さは別ですね。だから11号車の3位はもう、我々としてはパーフェクトな内容だったと思っています」とレースを振り返る小笠原康介エンジニア(11号車)。
「決勝は、スタート前にはコンディションがどう変化するのか読み切れなくて心配もしていたのですが、結果的にはコンスタントなラップを刻むことができました。あれだけ走り始めで苦労していたにもかかわらず3位表彰台を奪うことができました。密かには狙っていたんですが、実現するのはすごく難しいかなと思っていたのです。終わってみたら、コンディションとダンロップタイヤがすごくマッチして、それが結果につながったのかなと思います。今年はチャンピオンを獲るために、この後のレースもチームとビヨンと力を合わせて、コンスタントにいい結果を出していきたいです」と平中克幸選手は決意を語った。
「表彰台に上ることができてハッピー。ボクのスティントでは、走り出しがとてもハードな状況だった。前を行くクルマに行く手を塞がれたようで、自分本来のペースでは走れなかった。それに相手のペースに合わせざるを得なくなって、結果的にタイムロスしたところも少なくなかった。でもダンロップタイヤがいいパフォーマンスを見せてくれて、最後には逆転することができた。後半を担当した平中さんもグッジョブでした。ボクたちのクルマは大きなウエイトハンディを積んでいたし、前を行くホンダの2台のハイブリッドは“異次元”で、とても追いつくことはできなかった。だから今日の3位は、考えられる中ではベストリザルトだったんじゃないかな」と語るビヨン・ビルドハイム選手。
「この週末は、いい流れでゴールを迎えることができました。決勝レースも、あっという間に終わった感じで、とても時間が短く、また時の経つのが早かったように感じました。結果以上に内容のあった決勝でしたね」と福田洋介エンジニア(10号車)。
「公式練習ではあまりクルマの状態もよくなかったんですが、公式予選までにはチームが頑張って、まずまずの状態に仕上げてくれました。その公式予選では、ボクが走ってQ1突破したら、Q2では植田さんが頑張ってトップ10グリッドに残ってくれました。結果的にはそれも大きかったですね。決勝も7位入賞という結果だけでなく、例えばレースラップが速くなっていたりとか、内容がとてもよくなっています。この順位を手放しで喜んでいてはいけないと思いますが、10号車は一歩ずつよくなっている。それを自分自身でも実感できたし、見ていたお客さんにもアピールできたんじゃないかな。これからもさらに一歩ずつよくなるよう、植田さんと一緒に頑張ります」と田中哲也選手。
「(田中)哲也さんが、予選で頑張ったと評価してくれたけど、じつは公式練習での哲也さんの走りをデータロガーで確認し、なんとか帳尻を合わすことができただけです(苦笑)。決勝は久しぶりにスタートと前半のスティントを担当させてもらいましたが、クルマ的にはいいペースで走れたと思います。ただ自分としてはいくつかミスがあって、そのたびにビヨンから離されていったことが印象に残っています。まだまだ甘いんでしょうね。そのミスをなくしていくことで、もう1つ上のステップに上がれるような気がしています」と語る植田正幸選手。

ダンロップとGAINERの快進撃は続く

「GAINER」は開幕戦を2年連続で制し、Mercedes Benz SLS AMG GT3で第2戦6位、第3戦3位と順調な滑り出しを見せている。
 ドライバー&チームランキングトップで、第4戦(7月27~28日)スポーツランドSUGO(宮城県)を迎えるという、一昨年と同じ状況となっている。その年は惜しくもランキング2位に終わっているが、この勢いをキープしたまま、今年こそ悲願のタイトル獲得を達成したいものだ。
「GAINER」とダンロップタイヤのさらなる躍進を期待したい。





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ニュルブルクリンク2014