DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第8戦 11月2日(土)~11月3日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
GAINER DIXCEL SLSは今季2勝目をマーク
ランキング2位でシリーズを終える!

見事優勝で有終の美を飾ったチェッカー後のGAINER DIXCEL SLS

 ダンロップユーザーとして4シーズン目となる「GAINER」(ゲイナー)。今季、チームが投入したのは、名門チューナーのAMGが手掛けたGT3仕様の「Mercedes Benz SLS AMG GT3」。昨年からスーパーGTに参戦するマシンであり、ヨーロッパのレースで活躍。低重心で前後バランスも良好、高パフォーマンスのFRマシンだ。さらに2台体制となり、ドライバーは11号車が平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手、10号車は田中哲也選手と植田正幸選手。ビヨン・ビルドハイム選手は昨年までGT500でレクサスSC430やGT-Rを駆り、フォーミュラ・ニッポンにも参戦していた実力派ドライバー。植田正幸選手はスーパー耐久の参戦やスーパーGTに参戦、「GAINER」からの参戦経験も豊富で、2008年には田中哲也選手と組んでスーパーGTに参戦している。
 第1戦岡山では11号車のGAINER DIXCEL SLSが、予選3位から見事な追い上げを披露して優勝を飾り、チームは2年連続して開幕戦を制した。また、今シーズンは特別にシリーズポイントが加算されるアジアン・ル・マン・シリーズ第2戦「3 Hours of Fuji」(9月20日~22日、富士スピードウェイ)が開催され、11号車が参戦して2位に入り6点を加算した。 平中克幸選手:ビヨン・ビルドハイム選手/GAINER DIXCEL SLSは、最終戦となる第8戦をドライバーランキングトップと10点差の3位で迎え、逆転チャンピオンの可能性を残した。だが、たとえ優勝をしても、ランキングトップの16号車CR-Zが4位以下というのがタイトル獲得の条件となる。

予選2位のGAINER DIXCEL SLS

 土曜の午前9時から2時間の公式練習はドライコンディションで行われた。最初は気温13度と低めだったが、セッションが終了する頃には気温18度まで上昇。ここでは平中克幸選手が1分49秒264のトップタイムをマーク。ランキングトップの16号車CR-Zがピタリと2番手につけ、最初の走行セッションを終えた。
 ノックアウト方式で行われる予選、15分間で争われるGT300クラスのQ1は午後2時にスタート。気温は16度、路面温度19度のドライコンディション。ビヨン・ビルドハイム選手の11号車GAINER DIXCEL SLSと田中哲也選手の10号車GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLSは、ともにQ1をクリア。
 午後2時45分から12分間のQ2がスタート。セッション終盤に平中克幸選手の11号車が1分48秒354をマーク。これを61号車BR-Zが更新して、平中克幸選手は予選2番手、植田正幸選手は予選11番手のタイムでセッションを終えた。
「ポールは獲れませんでしたが、いいポジションにつけました。決勝のためにタイヤも1アタックしかしていません。とにかくタイトルのためには優勝するしかないので、あとはライバルの結果次第なので、全力で優勝を目指します」と語る平中克幸選手。
「クルマのバランスはあまりよくなかったのですが、哲也さんがQ1で決めてくれたのですが、Q2ではボクが何回か失敗してしまいました。」と植田正幸選手。
「土曜日は、コンティションがよくなかったのが、走り出しから思ったイメージとは違い、ブレーキセッティングなどもいろいろと試していたので、あまりセットアップが進みませでした。予選に不安はあったのですが、タイムは思ったよりよくて、平中が2番手となったので、決勝に向けてはいいスタートが切れました」と小笠原康介エンジニア(11号車)。

ピットインするGAINER DIXCEL SLS

 250kmの決勝レースは、午後1時30分にフォーメーションラップがスタート。レース序盤はポールの61 号車BRZに、予選2位の11号車GAINER DIXCEL SLS /ビヨン・ビルドハイム選手、そしてランキングトップの16号車CR-Zが続いた。だが、GAINER DIXCEL SLSのペースは速く、5周目にはトップに浮上。16号車も10周目には2番手となるが、トップの11号車とは約10秒差となっていた。その後も11号車はリードを広げていった。
 11号車は25周でピットイン。平中克幸選手に交代するが、その後も好調な走りを続けて独走状態となり、今季2勝目を達成。16号車が2位に入ったためにランキング2位でシーズンを終えた。予選11位スタートの田中哲也選手と植田正幸選手の10号車は、12位という結果だった。

平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手

「今日は、昨日より路面のコンディションもよくなり、セッティングを変えて感触もよくなり、レースでは安定して1分51秒台で走ることができました。マシンが軽くなってからもペースアップができるほど今回のタイヤは素晴らしかったです。平中選手に代わってもパーフェクトな走りができました。シリーズチャンピオンが獲れなかったのが悔しくて、それだけは残念です。JAF GPでは勝ちたいです」と小笠原康介エンジニア(11号車)。
「1年を締めくくるいいレースが出来ました。もてぎの合同テストの結果を踏まえて開発したタイヤが、最高のパフォーマンスを発揮してくれました。これはチームとダンロップタイヤの努力のおかげだと思います。最後に優勝して、ゲイナーとダンロップが速いということが見せられたので、とてもよかった。来シーズンは、まだ何も決まっていないのですが、チームもボク自身も絶対にチャンピオンになるという強い意志で、さらなる努力を続けていきます」と平中克幸選手は決意を語った。
「今回は、とても素晴らしい週末となりました。タイヤが、パーフェクトなパフォーマンスを発揮してくれました。レース中もコンスタントに速いラップを刻むことができました。タイトルを獲れなかったのは残念ですが、優勝ができてうれしいし、チーム、タイヤ、ファンに感謝しています。次の富士は、少し寒くなるでしょうが、ダンロップは、寒くてもグッドパフォーマンスを発揮してくれるので、いい成績を残したいですね。今年はチャンピオンには届きませんでした。いろいろな不運もありましたが、それがレースです。来シーズンは決まっていませんが、このパッケージングで参戦できるなら、ぜひチャンピオンを獲りたいです」と語るビヨン・ビルドハイム選手。
「10号車は、決勝ではいいペースで走れたのですが、予選のポジションが悪く、前を速いポルシェに抑えられたこともあり、なかなかポジションを上げられませんでした。11号車と同様に。タイヤのパフォーマンスはよかっただけに残念ですね。次のJAF GPは、スプリントレースなのでタイヤ勝負になるかなと思っています。2010年のJAFGPでは、2連勝したときは、タイヤが最後までパフォーマンスを発揮してくれました。今回も10号車と11号車の2台で上位を争いたいと思っています。次も今回のようなタイヤパフォーマンスが発揮できれば、ハイブリッド勢に勝てると思っています。そしてシーズンのうっぷんを晴らせたらなと思っています」と福田洋介エンジニア(10号車)はコメント。
「今年1年、精一杯頑張ったのですが、なかなか思いどおりの結果が残りませんでした。今回はタイヤもよかったのですが、それが結果に結びつけられずに、チームにも悪かったと思っています。クルマを仕上げられず、なかなかタイムが出なくて悔しいですね。JAF GPは優勝を目指して思いっきり頑張るだけです」と語る田中哲也選手。
「今日はタイヤのパフォーマンスがよくて、11号車がすごいラップタイムを刻んでくれて、ボクらもそれで行けると思っていたのですが、ポルシェを抜くのに手間取ってしまい、ポイント圏内まで行けませんでした。今回は、予選さえよければ、11号車と同じようなパフォーマンスが発揮できたと思います。JAF GPも全力で頑張ります」と植田正幸選手。

レース序盤からトップに立ち、リードを広げた

今季は、開幕戦と最終戦で優勝を飾り、着実にポイントを積み重ねていった。だが、平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手は、トップと5点差のドライバーランキング2位、田中哲也選手と植田正幸選手はランキング20位。チームランキングはトップと7点差の2位と、あと一歩でタイトルを逃すという形でシーズンを終えた。
 次はノンタイトル戦となるJAF GP FUJI SPRINT CUP(11 月23~24日)は、ノーウエイトハンデ、ピット作業がない100kmのスプリントレース。いつもとは違ったGTバトルが楽しめるレースだ。ゲイナーとダンロップの今季のファイナルバトルでの活躍に期待したい。





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ニュルブルクリンク2014