第4戦 7月30日(土)~7月31日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
【GT300】
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F458
ウエイトハンデに苦しみながらも7位入賞!
疾走するJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
昨年、GT300のダンロップユーザーとなった「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)。FIA GT仕様の「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」で、第1戦鈴鹿は予選2位、第4戦マレーシアではポールを獲得するなど光る速さ見せて、11月の特別戦では100km(22周)レースで2連勝をマーク。今季はFIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTCを新投入し、「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」として参戦する。
レースウィークにマシンが国内に到着するというデビュー戦だったが、初戦の富士では、雨足が変化する難しいコンディションながら、ベテラン田中哲也選手と若手の平中克幸選手の名コンビが2位入賞を決めた。延期開催された第1戦岡山では、一転したドライコンディションで2戦連続の2位入賞を飾った。フェラーリF458 GTC は、マシンが持つ本来のハイパフォーマンスとダンロップタイヤがベストマッチ。ポイントリーダーとして臨んだセパンでは60kgのウエイトハンデを搭載するが、3戦連続で2位入賞を果たした。厳しい性能調整を施され、優勝には手が届かないが、果敢な活躍を見せている。
激しい雨が降った予選日
今回、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、ウエイトハンデが合計90kg、新たに加算された性能調整のウエイト(50kg)と合わせて車重は1435kgとなった。土曜の午前8時25分に始まった公式練習は、小雨が降り続き、ウエットの走行となった。序盤から平中克幸選手のドライブするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が1分38秒877をマークして2番手。終盤には、さらなるタイムの更新が続き、平中克幸選手は1分37秒374の3番手でセッションを終えた。
午後に行われた予選1回目、コースは乾き始めてほぼドライでスタート。タイムアタックを担当した平中克幸選手は1分24秒922の6番手でスーパーラップ進出を果たした。
雨となったスーパーラップでは、5番目にアタックした平中克幸選手の順番の前に、少し小降りになったこともあって好タイムをマーク。決勝は2番手グリットからスタートすることとなった。「ボクがスーパーラップでアタックしたときは、雨が止んでコンディションがよかったんです。予選2位になれたのは、とてもうれしいですね。決勝はクルマが重く厳しい状況だけに、少しでも上位でゴールしてポイントを加算したいです」と語る平中克幸選手。
グリッドでスタートを待つ平中克幸選手
ウエットでスタートした決勝朝のフリー走行では、平中克幸選手のドライブするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458がコースアウトしてマシンを停める場面もあったが、大きなトラブルはなかった。
雨が降り出しそうな空模様ではあったが、ドライコンディションのままで決勝レースはスタート。スタートドライバーの田中哲也選手は、1コーナー手前で3番手の14号車にインから並ばれて、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は1コーナー進入で3番手に後退。1周目に4番手、2周目には5番手とポジションを落としたが、粘り強い走行を続けた。性能調整もあり、コーナーは速いがストレートは伸びないというマシン特性のため、コーナーで詰めても、ストレートで引き離されるというバトルを続けながら、田中哲也選手は早めのピットインで平中克幸選手に交代した。
「ストレートが遅いので、レースになるとどうしても守りになるので早めのピットストップで混雑を避けて、平中選手でプッシュして順位を上げるという作戦でした。でもファーストスティントをロングで行くクルマが多かったので、それに結構引っかかってタイムロスが多かったです」とレース後に振り返る福田洋介エンジニア。
それでも平中克幸選手は、激しいバトルを続けながら、7位でチェッカー。開幕から3戦連続で2位を果たしたJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、確実にポイントを加算して、ドライバー&チームランキングトップをキープした。
2番手スタートのJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
「クルマが重くなってきたので、ポイントだけでも獲れればいいなと思っていたら、そのとおりの7位でした。タイヤは毎戦よくなっています。ウエイトハンデは、オートポリスで半分、最終戦で全部降ろせるので、それまでに確実にポイントを稼ぎたいです。タイトルを目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします」と山本俊茂監督。
「クルマ自身は、性能調整とウエイトハンデを合わせて車重が1435kgとレーシングカーとしては前代未聞の重さになりましたが、ドライコンディションでも一発のタイムを出せて、スーパーラップに進出できました。ラップタイムだけでいえば4位は狙えたかなとは思いますが、レースなのでストレートの速いクルマを抜くのは難しかった。それでなんとか得た7位でした」と福田洋介エンジニア。
「レース前はドライでは厳しいレースになると予想していましたが、いざスタートしてタイヤが暖まったら勝負できる手応えがありました。序盤は勝負ができそうだったのでプッシュしたのですが、タイヤのいいところを使い切ってしまい、団子状態で走ることになりました。自分の思うラインで走れなかったので、タイヤカスを拾ってラップを落とすことになりました。でもタイヤは開発が進んでグングンとよくなっています」と大きな手応えを感じている田中哲也選手。
「前回のマレーシアに比べて、性能調整のウエイトとポイントのウエイトが加算されて、80kg重い状況で走ったのですが、正直フロントローに並べるとは思っていませんでした、富士でよかったレインタイヤが、ここでも威力を発揮してくれました。決勝では重さが効いてくると考えていましたが、7位でポイントも加算できてよかったです。タイヤは最後までグリップしてくれて、チェッカーの前の周にベストラップが出せました。4位か5位を狙っていただけに残念ですが、次のレースが楽しみです。シーズン後半戦に向けて、チャンピオンが獲れるような準備をしたいですね」と 平中克幸選手
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458とダンロップのさらなる進化に期待!
今回は7位でチェッカーを受けたJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458。1435kgという車重からすれば、素晴らしい結果といえるだろう。ダンロップタイヤと最新マシンのフェラーリF458 GTCは、日々進化を続けて高いパフォーマンスを発揮し続けている。
ドライバー&チームランキングは、ともにトップの座をキープしており、好調の波に乗って第5戦鈴鹿(8月20~21日)を迎える。チームの総合力と田中哲也選手と平中克幸選手のドライビングを武器に、タイトル獲得を目標にした戦いは続く。