第9戦 11月13日(金)~11月15日(日) FMSC吉野ヶ里マウンテンラリー09/佐賀
最終戦でもダンロップユーザーが大活躍!
そして各クラスのタイトル争いに決着が!


スタートゲートをくぐり各車がステージへと向かいスタートを切る。

 全日本ラリー選手権も、このFMSC吉野ヶ里マウンテンラリー09で最終戦を向かえ。約7ヶ月間に渡る2009年シーズンの熱い戦いが幕を下ろす事となる。メイン会場は今年も昨年同様にサービスパークを吉野ヶ里遺跡で有名な佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の吉野ヶ里歴史公園に設置され、歴史的舞台の間近で最終戦の闘いが繰り広げられた。
 ステージ全般は中速コーナーを主体としたレイアウトで、アベレージスピードが昨年よりやや高めの設定となっており、6.87km「サザンカ」と12.03km「カササギ」、このリバースとなる11.91km「カササギリバース」にギャラリーステージ1.3kmの「サザンカ スパ」を加えた4つのステージで今ラリーが構成されSS総距離は64.22km、移動区間(リエゾン)も含めた総走行距離は240.32kmとなっている。
 今回、最も注目すべきはJN-4クラスのチャンピオン争い。近年には見られなかったトップドライバー同士が僅差の状態で最終戦にまで縺れた展開となっている。ついにこの闘いに終止符が打たれる事もあってラリーファンや関係者には目が離せない大注目の一戦である。

今ラリー最長のSS5でステージベストをマークした勝田範彦/保井隆宏(インプレッサ)

 競技当日、心配だった雨も明け方には上がり、SS1がスタートする頃には路面はウエットではあるがドライ路面へと代わる事が予想される。ウエット路面の難しい状況の中、JN-4から競技がスタート。SS1「サザンカI」6.87kmでは今季初出場、地元の榊雅広/松井博和(ランサー)が地の利を生かしステージベストをマーク。3番手に石田正史/澤田茂(ランサー)が、6番手に勝田範彦/保井隆宏(インプレッサ)とダンロップユーザーがやや遅れてのスタートとなる。続くSS2「カササギリバースI」11.91kmも路面はまだウエットで、ここでは奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)がステージベストをマーク。SS3「サザンカII」6.87kmではまたも榊がベスト奪った。SS4までの前半戦、ウエットな路面状況のステージを終了して勝田が3位、石田が5位に付けまだまだ優勝可能な圏内に収まっていた。
 後半セクションは今ラリー最長のSS5「カササギI」12.03kmからスタート。路面も乾きだし、下り主体となったこのステージで、遂に勝田が9分07秒6のステージベストを獲得し、このまま逆転への勢いとなるか。しかしギャラリーステージとなるSS6・7の1.3kmと短い「サザンカ スパI・II」では奴田原がベストを獲得しその差がまた少し広がる。そして残すは最終のSS8、この時点でトップ奴田原と3位の勝田との差は18秒5。17時をまわってのスタートはやや暗い状況とあってまだ何があるが解らない。更には同じステージのSS5では勝田がステージベストをマークしている。そして全車がSS8を走り終えタイムが発表された。ステージベストは石田正史が9分09秒4を叩き出し最後の最後でステージベストを獲得。これに勝田が2.1秒遅れの9分11秒5で2番手、3位には奴田原が勝田にコンマ3秒遅れで続いた。結果は奴田原が2009年シーズンのタイトル獲得を決定。2位表彰台には勝田が入りシリーズランキングも2位を獲得。勝田のタイトル獲得はならなかったがシリーズの最後まで接戦を繰り広げ盛り上がったのは勝田の活躍があってのものである。来シーズンはタイトル奪回の活躍に期待が掛かる。

今シーズン、ターマックラリーで全勝達成の村瀬太/宮部弘陽(シビック)

 前戦のハイランドマスターズでタイトルを獲得している村瀬太/宮部弘陽(シビック)が、この吉野ヶ里マウンテンラリーでもその強さを見せ付けた。今シーズンここまでのターマックラリー全てで勝利を収めてきた村瀬はこの吉野ヶ里マウンテンラリーも勝つ気満々の雰囲気がその走りからよく伝わって来ていた。SS1のウエットな路面でも村瀬がクラスクラスベストをマークしスタートダッシュに成功。その後村瀬は立て続けにSS2・3・4を連続で奪取。この時点で2番手に対し22秒1にまでその差を大きく広げて前半戦を終了。

満面の笑みで記者会見に向かう村瀬の頭にはチャンピオンキャップが輝く。

 続く後半戦はSS5からスタート。この時点で路面はほぼドライコンディション、全車がタイムを伸ばし始めるもSS5とSS6を村瀬がクラスベストをマーク、6ステージ連続でクラスベストを獲得する。しかしSS7のギャラリーステージでは同じダンロップユーザーの森博喜/藤綱和敏(セリカ)、岡田 孝一/石田 裕一(セリカ)にタイムを上回られ、クラス3番手となってしまう。最終のSS8では村瀬がクラスベストを奪い返し8つのSS中、7つのSSでクラスベストをマーク。文句無しで村瀬が最終戦でも勝利を収め、2009年シーズンをターマック全勝を飾った。

天候によって変わる路面状況ながら全SSでクラストップをマークした天野智之/井上裕紀子が今季3勝目!

 JN-1.5クラスは7台がエントリー。そのうち4台がダンロップユーザー、クラス優勝に大きな期待が掛かる。その期待に応えダンロップユーザーの一角、天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)がSS1、ウエット路面の厳しい状況ながら2位の大井こずゑ/竹下紀子(コルト)に対し11.5秒のアドバンテージとなる5分52秒2のクラスベストをマーク、幸先良いスタートを切る。続くSS2・3・4でも天野の速さは更に加速しクラスベストを獲得、SS4を終えた時には2位に対し27秒4ものアドバンテージを築いていた。

最終戦を優勝で飾り記者会見に向かう天野智之。

 後半戦以降は各ステージの路面が乾き始めた事と45分間のサービスで各車調整を済ませタイムアップを果たしてきた。残りのSS4つで天野はクラスベストを逃すものの、前半戦で築いたタイム差を最後まで守りきり全SSを走り切る。結局、2位との差を45秒6残し今季2勝目を獲得。2位には同じダンロップユーザーの島田雅道/和泉孝明(フィット)が今季2度目の表彰台を獲得。ダンロップワン・ツーフィニッシュを飾ってのシーズン終了となった。

一年ぶりにタイトルを奪回する事となった西山敏。

 JN-1クラス、ダンロップユーザー同士のタイトル争いは前戦のハイランドマスターズが不成立となった事で、この最終戦にまで縺れ込み、ついに決着の時を迎えた。現在55ポイントを獲得してシリーズリーダーの立つ西山敏/多比羅二三男(シティ)、これを5ポイント差の50ポイントで追いかける山北研二/馬瀬耕平(シティ)。競技はポイントランキング3位の明治慎太郎/田崎彩夏がタイトル争いをする二人を従える形で終始リードする。2番手に付ける西山はトップの明治に届かないものの3番手の山北には徐々にその差を広げて行く。SS6終わりには西山と山北の差は3分以上に広がり最終のSS8までを両者は無事に走り終えて、結果は山北の上位でゴールした西山が一年ぶりとなるタイトルを見事奪回、ダンロップユーザーがJN-1クラスの上位2つを独占する結果でシーズンを終えた。


 この吉野ヶ里マウンテンラリーで今シーズンが無事終了。JN-3クラス、JN-1クラスでダンロップユーザーがチャンピオンに輝く活躍を見せてくれた2009シーズン。来シーズンは約4ヶ月間のインターバルを挟み佐賀県は唐津でツール・ド・九州2010in唐津から来シーズンがスタート。今シーズンを終えたばかりではあるが、各チームの闘いは既に始まっている。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014