第9戦 10月3日(金)~10月5日(日) 第36回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2008/長野・岐阜
勝田範彦、16年目にしてラリーハイランドマスターズを初制覇!

ターマックラリーとなった事で更に自信を付けた勝田範彦。

 全10戦で争われる今年の全日本ラリーも残すはあと2戦。その第9戦は昨年と同じ戦いの舞台である、岐阜県高山市周辺を中心とするラリーハイランドマスターズだ。今回で36回目の開催を迎えるラリーハイランドマスターズは昨年まで続いた未舗装路を走るグラベルラリーから一転、舗装路を走行するターマックラリーとなって開催。当然、昨年までのコースとは違った林道を使用、各チームはデータを収集する為、競技前日に行われるレッキ(コースの下見)を念入りに行っていた。全日本ラリーで一番過酷とされていたラリーハイランドマスターズがグラベルからターマックに変更した事で、優勝争いにどの様な影響を与えるかに注目が集まる。また日没後にSSを走行するナイトステージが設定されており、最近では少なくなった暗闇を走行する戦いもラリーハイランドマスターズならではの醍醐味となっている。
 レグ1、このラリーハイランドマスターズは全部で12のSSで構成されている。ダンロップ勢の履くタイヤは全車「DIREZZA 03G」。舗装路での開催が初めてのラリーハイランドマスターズとあって、このハイランドの舗装路とダンロップタイヤのマッチングが良いものであって欲しい。JN4クラス、セレモニアルスタート後6.09kmの駄吉林道上りと下りを使用したSS1、SS2、SS3の3連続ステージでダンロップを履く石田正史/澤田茂(ランサー)がステージベストを叩き出しスタートダッシュを仕掛ける。しかし続くSS4高山スキー場Ⅱでは勝田範彦/保井隆宏(インプレッサ)と同タイムでステージベストを分け合い、熾烈なトップ争いを予感させる。そして一回目のサービス前となるSS5 駄吉林道下りⅡ 6.09kmでは石田がステージベストをマーク、ポイントランキングトップの勝田に対し5.8秒のアドバンテージを築きセクション1を終えた。
 20分間のサービスの後、SS6 駄吉林道上りⅡ 6.09kmからセクション2がスタート。ここでも石田の速さが増し2位勝田を引き離しに掛かるかと思われたが、チャンプ勝田が石田よりも3.5秒も速い4分35秒5のステージベストをマークし。サービス時のマシンチェックで問題が無いのを確認した勝田は本格的に戦闘モードのスイッチをオンに入れて来た。こうなった勝田を止める事は難しく、続くSS7 高山・大山線ショートⅠでもステージベストを出し石田を交わし遂にトップに躍り出た。勝田と石田、ダンロップユーザー同士の優勝争いと思われたがSS8 飛騨農園街道Ⅰ 6.30kmで石田がマシントラブルにより無念にもリタイヤとなってしまう。勝田はこのSS8でもステージベストをマーク、4連続のステージベストでセクション2を終了。
 セクション3は既に日が沈みナイトステージとなる。各車両には大型のライトポットが装着され、残る3つのSSに挑む。しかし、3つ行われるはずのSSだったが、SS8で起きたトラブルにより、同じコースを使用するSS10とSS12がキャンセル。唯一のナイトステージとなったSS11 高山・大山線ロング 11.0kmでも勝田がステージベストをマークし全SSが終了。ターマックラリーになった事で過酷さが無くなったと思われたハイランドマスターズであったが、終了してみれば毎年のラリーハイランドマスターズと変わらない過酷なラリーだ。この過酷さを見事、乗り切った勝田が優勝を果たす。今季シーズンの勝ち星をまた一つ増やし5勝目を飾った。

16年前に、ここハイランドでデビューし、ついに念願の優勝を飾った勝田範彦。

 勝田は表彰で「16年前に初めて参戦したのがこのハイランドでした。そして16年目にしてやっと優勝する事ができてとても嬉しいです」とコメント。コ・ドライバーの保井は土曜日が誕生日とあって、バースデーウィンがとても嬉そうだった。また、2位には高山仁/河野洋志(ランサー)が堅い走りで全日本初の2位表彰台を獲得。3位には島田雅道/横川紀仁(ランサー)が続き、表彰台はダンロップ勢で独占となった。

ドライバー的、マシン的にもハイランドとバッチリの相性をみせた村瀬太/宮部弘陽。

 JN3クラスを制したのは今シーズン初優勝の村瀬太/宮部弘陽(シビック)。全10SS中の7つでベストタイムをマーク。「クルマが本当に速かったお陰です。また、宿泊する宿の部屋が一位の間と、とても縁起が良かった事が勝因です」とコメント。

今回の優勝で最終戦にタイトル獲得の望みを繋いだ西山敏/多比羅二三男。

 JN1クラスでは西山敏/多比羅二三男(シティ)が6つのSSでステージベストを叩き出し、前戦のマウンテンラリーに続いて2連勝を達成。ポイントランキングでも2位に浮上し、最終戦でのチャンピオン獲得に期待が掛かる。
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Motercycle
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