第8戦 10月16日(金)~10月18日(日) 第37回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2009
JN-3クラス、今季5勝で村瀬太/宮部弘陽がタイトル獲得!
JN-4クラスでも勝田範彦/保井隆宏が逆転タイトルに向け大きな勝利を納める!


37回の歴史を誇るハイランドマスターズが岐阜県高山市周辺をメインに今年も開催された。

 全9戦で争われる全日本ラリー選手権の2009年シーズンも残すところあと2戦。その戦いの舞台となるのは岐阜県高山市周辺で開催されるラリーハイランドマスターズだ。このハイランドマスターズは今年で37回目を迎かえ、日本のラリーシーンを長年支え続け欠かせない大会の一つである。今年は2日間に渡りスペシャルステージが設けられ、昨年までのタイトなスケジュールから一転、今年はナイトステージの割合が少ない構成でドライバーやチームクルーに負担の掛からないスケジュールとなっている。また昨年同様に競技区間を舗装路とするターマックラリーとして開催され、昨年得た路面データなどの情報が今年はどの様に影響するか競技の展開からも目が離せない。
 開催当日、開催地の高山市周辺では午後からあいにくの雨の予報。それを確実かと思わせるかのように午前9時ごろには一時的に雨が降り出した。ラリースタートとなる午前11時の段階で空には雨雲が見受けられないが路面はウエットとSS5までのセクション1は各チームタイヤ選択に悩まされていた。

タイトル獲得に絶対必要な優勝をその手に納めた勝田範彦/保井隆宏。これで現在ターマック負け知らず。

 路面コンディションがウエットの状況で遂にDAY1がスタート。SS1 6.08kmの「駄吉林道上りI」で勝田範彦/保井隆宏(インプレッサ)がフォールショットとなる4分48秒0でステージベストを獲得。それに石田正史/澤田茂(ランサー)のダンロップ勢がワン・ツーで続き好調なスタートを見せた。続くSS2はSS1のリピートとなる「駄吉林道上りII」、ここでは石田正史がステージベストを奪い3番手の奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)に対し、勝田と石田正史の2台が少しながらその差を広げ始める。また勝田と石田正史に続きSS3・SS5のギャラリーステージ「高山スキー場I・II」0.54kmでは全日本ジムカーナからラリーへと参戦カテゴリーを換えた古谷哲也/横川野紀仁(ランサー)が細かなターンを必要とするコースの特徴に合った走りでステージベストをマークしここでもダンロップユーザーが活躍を見せる。そしてDAY1の後半戦となるセクション2では石田正史がSS6「駄吉林道下りI」6.05kmで5分07秒4のステージベストをマークし、7秒3あった勝田との差を2秒2にまで縮めダンロップユーザー同士で刺激し合い3位との差を更に広げる。続く今ラリー最長の「高山・大山線I(SS7)・II(SS8)」11.03kmでもトップを行く勝田が両SSを制し、雨が降ったりやんだりでドライバー達をほんろうしたDAY1を石田正史とのワン・ツー体制で走り終えた。

昨年に続きハイランドマスターズ連覇の勝田範彦。

 翌DAY2、戦いの場となるスペシャルステージは昨日の高山市東部から高山市南部へと移動。天候は雨の心配が要らないが、路面はウエットな部分とドライの部分とが入れ乱れる難しい状態の中SS9「無数河線I」5.79kmからスタート。ここでは4番手に着ける横尾芳則/安東貞敏(ランサー)が唯一の49秒台をマークしステージベストを奪う。しかしSS10「牛牧線I」7.20km以降はターマックを大得意とする勝田にコースコンディションが良くなり始めた好条件が合わさり、まさに水を得た魚の様にその速さが加速。残りの3つの各SSで2位以下に1秒以上の差を付けるステージベストを叩き出し第6・7戦の連勝に続き3連勝を達成。シリーズランキングトップを行く奴田原が2位に続き20ポイントあった差も15ポイント差まで縮まった。更に奴田原は有効ポイント数の関係もあって有利な様であってもその差は殆ど無いと言っていい。その最終戦の吉野ヶ里マウンテンラリーもターマックラリーで勝田にとって追い風になり期待せずにはいられないはずだ。

現行車両のシビックでチャンピオン獲得の村瀬太/宮部弘陽。

 JN-3クラス、ここまでのターマックラリー4戦全てで勝利を納める村瀬太/宮部弘陽(シビック)がこのハイランドマスターズでも勝利を飾り、村瀬はドライバーでのダンロップユーザータイトル獲得一番乗りを果した。その村瀬はDAY1のSS1スタート時、雨はすぐあがると予測し走り出すが、予測に反して雨はあがらずウエット路面に苦戦しクラス8番手のタイムとなってしまう。しかし続くSS2からウエット路面を意識した走り方に換え、SS4まで3連続でクラスベストをマーク。SS5のギャラリーステージ(540m)では同じダンロップユーザーの香川秀樹/舟木一洋(インテグラ)が村瀬をコンマ1秒上回りクラスベストを獲得。DAY1残りのSS6・SS7・SS8の3つ全ては村瀬が奪い。DAY1終わり2番手に対して1分13秒5と大幅なアドバンテージを築く。翌DAY2でも村瀬の速さは衰えず4つのSSでもクラスベストをマーク。結局、12のSS中、10のSSでクラスベストを獲得した村瀬がターマックラリーでは現在負け知らずとなる5勝目を挙げ念願のチャンピオンに輝いた。

シリーズ5勝で村瀬太/宮部弘陽が念願のタイトル獲得。

 JN-3クラスへステップアップを果し2年目にして念願のチャンピオンを獲得。表彰式では終止、笑みが絶えずにいた。残す最終戦の吉野ヶ里マウンテンラリーもターマックラリーとあって村瀬の活躍に期待が掛かる。

高橋悟志/箕作裕子が3連勝を達成! 最終戦での逆転タイトルに大きな期待が掛かる!

 JN-2クラスは現在、第6戦の久万高原ラリーと第7戦の新城ラリーで2連勝中の好調高橋悟志/箕作裕子(レビン)が勢いをそのままにここハイランドマスターズへ乗り込む。その高橋はDAY1のスタート直後のSS1ではクラス3番手タイムで出遅れはしたものの、続くSS2「駄吉林道上りII」でクラスベストとマーク。セクション1では同じダンロップユーザーの松原敦/川北幹雄(シビック)に金成昌幸/原田晃一(シビック)を交えた三つ巴の戦いを展開。そしてサービス後のセクション2、松原が惜しくもこのトップ争いから離脱。ここから高橋と金成の一騎打ちが始まる。雨の降る下りのSS6では金成にクラスベストを奪われるものの、高橋も負けじとSS7・SS8と連続でクラスベストを叩き出し遂に金成のタイムを上回りトップに立つ。翌日のDAY2はスタート時から路面はドライとあって高橋がSS9でもクラスベストをマークしアドバンテージを広げる。SS10では金成がクラスベストで高橋に喰らい付くが残り2つのSS11・SS12は高橋が制し、見事クラス優勝を獲得。これで高橋は第6戦以降3連勝で今回欠場のシリーズランキングトップの田中伸幸に対し3.4ポイント差まで詰め寄る。今回の優勝は最終戦での逆転タイトルに向け大きな一歩となる一勝。また同じダンロップユーザーで同じ愛知県を地元とするJN-4クラスの勝田範彦と第6戦以降は同じ様に勝ち星を挙げている。


 この第8戦ハイランドマスターズを終えて、ドライバーではJN-3クラスの村瀬太がダンロップユーザーでタイトル獲得一番乗りを果した。最終戦はJN-4クラスの勝田範彦、JN-2クラスは高橋悟志が逆転でタイトルを狙い、JN-1クラスでも現在トップを行く西山敏のタイトル獲得が掛かった大一番。この3クラスで是非ともダンロップユーザーがタイトルをその手に納めてシーズンを締めくくって欲しい。
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Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014