第8戦 9月12日(金)~9月14日(日) 第19回FMSCマウンテンラリー'08/福岡・佐賀
勝田範彦、4勝目!
2年連続チャンピオンを決める!!
今年は、サービスパークをステージ近くの吉野ヶ里歴史公園に変更、ステージとの距離がグッと近くなったコンパクトなレイアウトはギャラリーからも好評
前戦、北海道の赤井川から3週間のインターバルで開催されることとなった、FMSC吉野ヶ里マウンテンラリー'08。今年はサービスパークを吉野ヶ里遺跡で有名な佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の吉野ヶ里歴史公園に設置、サービスパークからステージまで大変アクセスしやすいレイアウトを採用している。ステージはツイスティな低速コーナーが連続する10.91kmの「トム・ソーヤ」、中速コーナー主体の6.87km「サザンカ」と、これを逆走する6.38kmの「サザンカリバース」の3か所を使用、これを組み合わせた全8SS、 SS総距離65.51km、移動区間(リエゾン)も含めた総走行距離は235.86kmとなっている。今回の優勝候補は、2年連続チャンピオン目指しランキングトップを快走する勝田範彦/北田稔(インプレッサ)と、これに対抗するのがランキング2位石田正史/澤田茂(ランサー)、同4位奴田原文雄/小田切順之(ランサー)だろう。このラリーの結果次第では残り2戦を残して、勝田の2年連続チャンピオンが決まることも予想されることから、多くの注目が集まったラリーとなっている。
他を全く寄せ付けず優勝した勝田範彦はSS1のタイムを見て「今日は勝てるゾ!」と確信。その速さは全8SS中7SSでステージベストを奪うなど、もう別格!
ラリーカーがサービスパークを出発する午前8時、天気は曇り、気温は23度だが湿度がかなり高く蒸し暑いコンディション。この日、途中からは雨の予報もある中、ダンロップ勢は、「DIREZZA 03G」をチョイス、各車ステージに向けサービスパークをスタートして行く。最初のステージSS1は今回最長の10.91km「トム・ソーヤⅠ」、ここで勝田が9分26秒3のステージベストを記録、幸先のよいスタートを切った。これに続く2番手は3秒4差で石田が入り、3番手には地元九州からのエントリー、吉谷久俊/高田新二(ランサー)が続き、ダンロップのワンツースリーが早くも形成された。対する奴田原はペースが上がらず17秒2差の5番手に沈んでいる。次のSS2は6.38km「サザンカリバースⅠ」、ここでは石田が勝田を0秒2上回ってステージベストをゲットする。3番手には連続で吉谷が入り、セッティングもばっちり決まり絶好調のようだ。
全日本初めて2位入賞の吉谷久俊。地元とはいえ常時3番手あたりのステージタイムはかなりの実力。ぜひ全日本レギュラードライバーに加えたいひとり。
3秒2差でトップを走る勝田は、1回目のサービス終了後からいよいよエンジンに点火、この後の各SSでステージベストを刻みながら後続を確実に引き離していく。中でもSS4「トム・ソーヤⅡ」では2番手の石田を7秒以上引き離すスーパーラップを記録、トータルで10秒以上のアドバンテージを手に入れる。そのあとのSS6「トム・ソーヤⅢ」でも勝田がステージベストを奪うのだが、2位の石田はここでターボトラブルにより大きくペースダウン40秒以上ロスしてしまい、吉谷と入れ替わるかたちで3位に転落することになる。結局勝田は最終サービス後のSS7とSS8でもステージベストを奪い、石田がゲットしたSS2以外のすべてのSSでステージベストをマーク、誰も寄せ付けることなくぶっちぎりで今季4勝目を上げ、残り2戦を残し2年連続の全日本ラリー総合チャンピオンを獲得することとなった。2位には吉谷が、3位には石田が入りダンロップ勢が表彰台を独占するかたちになった。
今季初勝利の西山敏。今回の優勝でもランキングは3位のままなのだが、トップ廣瀬とのポイント差の短縮に成功。
JN1クラスでは西山敏/多比羅二三男(シティ)がSS1からSS5までステージベストを連発、序盤から後続を引き離す。一方、JN1クラスランキングトップの廣瀬康宏/中村信博(シティ)はSS7とSS8でステージベストを記録するのだが、時すでに遅く、9秒2差で西山が今季初勝利、これでJN1クラスランキング上位3人のタイトル争いは一段と読めなくなってきた。