第6戦 7月6日(金)~7月8日(日) ラリー北海道/北海道
今回も最終SSでドラマが!
石田正史が逆転、今季2勝目をゲット!!
今季2勝目のDLテインマルシェランサー
全日本ラリーも今回の「ラリー北海道」が後半戦への折り返し点。今回はアジアパシフィックラリー選手権第4戦との同時開催となっている。ステージは例年どおり北海道十勝地方の帯広、足寄、陸別近郊のグラベルロードを使い、名物のギャラリーステージ2.73km、SS1・5からWRC並みの最長距離29.11km、SS10・14まで全16SS、SS総距離232.42kmの北海道らしいハイスピードなグラベルラリーが繰り広げられた。注目のダンロップ勢は第5戦終了時点、95点でランキングトップを独走する、インプレッサの勝田範彦と同2位のランサーを駆る石田正史、それにランキング3位インプレッサの北村和浩が優勝候補に名を連ねている。ランキングトップの勝田がさらにポイントを伸ばしチャンピオンにリーチを掛けるのか、ストップ・ザ勝田に石田、北村が狼煙を上げるのか注目は尽きない。
2位のアーレスティ・DL・KYBインプレッサ
レグ1スタートの天候は晴れ、7月なのだが十勝地方の朝の冷え込みは厳しく気温は14度とかなり肌寒い。勝田、石田はいずれも「DIREZZA 86R」の215/60R15を装着、コンパウンドはDT。一方北村は「DIREZZA 86RW」の205/65R15、DTコンパウンドを選択、この判断の違いがどのような結果を生むのかチェックすべきポイントだろう。SS1「陸別1」はラリーJAPANでもおなじみのギャラリーステージ。トップタイムは2分15秒1でランサーの奴田原文雄、0.1秒差でインプレッサの炭山裕矢が2番手、石田正史は奴田原から5.3秒遅れの5番手タイム。続くSS2「ヤム・ワッカ1」はレグ1最長の23.26km、北村和浩は4番手タイムで総合4位に浮上、5位に石田正史、6位に勝田範彦と続き、午前中のSS4までこの順位が続き20分のサービスを挟んで午後のステージへと向かった。午後は気温が25度前後まで上昇、今日2回目のSS6「ヤム・ワッカ2」で石田正史が16分4秒3を記録、このラリー初のトップタイムをマーク、奴田原、石田雅之に続いて3位に浮上する。21.56kmのSS7「クンネイワ2」で勝田にパワーステアリングのトラブルが発生、2分以上をタイムロスし8位に順位を下げてしまった。結局レグ1は石田正史3位、北村が4位、勝田が9位で終わることとなり、ダンロップ勢はあすのレグ2での挽回を目指すことになった
ランキングトップのスバルラリーチームジャパン・インプレッサ
翌日のレグ2は昨日より冷え込み気温は12度、天気は快晴。序盤のSS9と10では上位陣に大きな変化はなかったのだが、14.90kmのSS12「メナン1」で1位の奴田原がマシントラブルによりリタイヤとなってしまう。これでオーダーは石田雅之、石田正史、北村、飯泉忠男の順となった。勝田は上位タイムを連発、7位まで浮上してきている。サービス後のSS13「シノチアキ2」では勝田が4分26秒6のステージベストをゲット、石田正史が2番手で続き、いよいよダンロップ勢の追撃が始った。続く今回最長のSS14「シルペケル2」でも勝田が唯一平均速度100kmオーバーの連続ベストを記録、ついに6位にまで挽回する。石田正史も連続2番手でトップの石田雅之にじわりじわりと詰め寄り、プレッシャーを与え続けている。そして最終ステージのSS16、このプレッシャーに音を上げるかのように、トップの石田雅之はゴールまであとわずかのところで橋の欄干にヒット、コースを塞いでリタイヤしてしまう。これでこのステージはキャンセルとなり競技終了となったが、トラブルを抱えながらも最後まで集中力を切らさず、我慢強く走りきった石田正史が逆転で今季2勝目をマークすることとなった。2位には北村が入り、ダンロップのワンツー。2レグでトップタイムを連発して追い上げた勝田は、5位まで挽回してこのラリーを終え貴重なポイントを獲得した。これでランキング争いは首位の勝田と石田正史、北村との差が縮まりダンロップ勢同士の白熱の後半戦がこれからも繰り広げられることとなった。
優勝の石田正史/宮城孝仁組
最後まで冷静に走りきり優勝した石田正史は、レグ1ではロアアームを曲げるなど他チーム同様、数々のトラブルがあったが、「チームスタッフのお陰で優勝することが出来た。これでシリーズも面白くなりますヨ。」とニッコリ。2001年以来、この地でのラリー2勝目となった。
今季初優勝のDCCSダイハツブーンX4小野寺清之
JN-2クラスではブーンを駆る小野寺清之が終始安定した走りを見せ、他を寄せ付けず今季初優勝、2位にもブーンの村田康介が入り、ダンロップがワンツーフィニッシュを飾っている。