第5戦 6月13日(金)~6月15日(日) MSCC東京ラリー2008/福島
石田正史今季2勝目!ダンロップ勢全5クラス中4クラスを制圧!!
レグ1後半から狙いすましたようにトップに浮上、完勝した石田正史
今シーズンの折り返し点である5戦目を迎えた、全日本ラリー選手権は関東地区からもっとも近い福島県棚倉町で開催された。ステージは前戦宮崎のひむかに続き、オールグラベルで初日のレグ1は7.88km、11.56km、ギャラリーステージの0.5kmを2周、最後に2.69kmを1回、翌日のレグ2では5.59km、5.01kmを2周、最後にギャラリーステージの0.5kmをこなしゴールするレイアウトで、全12SS、SSの総延長は64.27kmとなっている。
今回の優勝候補は、新型GRBインプレッサで現在ランキングトップの勝田範彦/晝田満彦と、ランサーを駆る石田正史/澤田茂のダンロップ勢に対し、奴田原文雄/市野諮(ランサー)、田口幸宏/佐藤忠宣(ランサー)、石田雅之/清田恵次(ランサー)が絡む計5台に絞られるだろう。ランキング争いも55点から31点のあいだに勝田、奴田原、田口、石田正史の4名がひしめき合っており、後半戦を占う上でも、注目の1戦になることだろう。
セリカ同士の対決、岡田との激闘を勝ち抜いた森博喜
初日のレグ1はサービスパークのあるルネサンス棚倉を午前8時にスタート、快晴で気温は早くも18度を超え梅雨のさなか過ごしやすい初夏の天候となっている。ダンロップ勢の勝田と石田正史は、ウェット時や浮き砂利に絶大な効果を発揮する「DIREZZA 86RW」の215/60R15をチョイスしてスタートした。
SS1「Manahata YamizoⅠ」の7.88kmは石田雅之と岩下英一/犬貝忠(ランサー)が6分56秒9の同タイムでステージベストを分け合い、石田正史がセカンドタイムで3番手、勝田は先頭スタートの浮き砂利掃除に手こずり、9番手スタートとなった。続くSS2「Inugami SakuradaiⅠ」は今回のラリー最長の11.56km、ここでも石田雅之が11分11秒0で連続ベストを記録、石田正史が5秒5差で2番手と両石田が気を吐いている。勝田はここでも浮き砂利が多い先頭スタートの不利を克服できず、8番手タイムに終わったのだが、順位はなんとか8位に上げてきている。ギャラリーステージの「RenaissanceⅠ」は0.5kmと距離が短いため順位に大きな変動はなく、この段階では石田雅之、石田正史、岩下英一のオーダーとなっている。
この後45分サービスをはさんでこのレグ2周目となるSS4で、石田正史が2番時計の奴田原を5秒引き離すステージベストをマーク、石田雅之のコンマ5秒差に迫ってきた。続くレグ1での勝負どころとなる、ロングステージのSS5では石田正史が連続ステージベストを決め1位に浮上する。ほぼイコールなコンディションとなったこのステージで先頭スタートの勝田は2番手タイムを記録、総合でも4位にジャンプアップしてきた。一方、石田雅之はスピン、奴田原、田口はバーストで失速、大きく順位を落とすこととなった。この後のステージは、この日2度目のギャラリーステージとロングステージであるSS2・5の一部を使用した、2.69kmのSS7 「Kanayama Inugami」。ここでも順位に変動はなく、1位石田正史、以下岩下、大嶋治夫/井出上達也(ランサー)、勝田のオーダーでレグ1を終了することとなった。
平塚のリタイヤの後、ダンロップトップの座を守り抜いた村田康介
2日目となるレグ2は早朝6時50分スタート、今日も天気は申し分なく、気温15度と朝はさすがに肌寒いのだが昼前には昨日同様20度を超えてくるだろう。石田、勝田は昨日と同様、浮き砂利用の「DIREZZA 86RW」の215/60R15をチョイスしスタートしている。この日最初のSS8 「Onazawa Ⅰ」で、奴田原がステージベスト、石田雅之、勝田が続いた。勝田はこのステージで遅れた岩下、大嶋を一気に逆転、2位浮上に成功する。一方1位の石田正史は大幅なアドバンテージがあるため、あえて無理はせず4番手タイムをマーク、着々と首位固めにはいっている。結局この後のステージでは上位陣に大きな順位変動がなく、石田正史が独走で第3戦京都に続く今季2勝目をゲット、レグ2からアタックをかけてきた勝田も2位に入賞し、ダンロップのワンツーフィニッシュとなった。これでポイントランキングは石田正史が奴田原を逆転、2位に浮上、勝田はランキング首位を堅持することとなり、ランキングでもダンロップワンツーで前半戦を終えることになった。
綾部美津雄は全ステージクラストップタイムをマークしJN1完全優勝
このほかのクラスでも、JN3で森博喜/藤綱和敏(セリカ)が岡田孝一/関根美智代(セリカを)2秒3差の僅差で下し、JN2ではレグ1を独走した平塚忠博/鈴木裕(ブーン)がリタイヤしたあと、同じくブーンを駆る、村田康介/地神潤が最後までこの座を守り抜いた。最少排気量クラスであるJN1でも超ベテラン綾部美津雄/森田茂利(ストーリア)が全ステージでクラストップタイムを記録し独走優勝を果たすなど、今回はダンロップユーザーの大活躍が記憶に残るラリーとなった。
次戦はいよいよ今季初めての北海道上陸、アジアパシフィックラリーとの併催イベントとなる「ラリー北海道」。北海道の大地を駆け巡るダンロップユーザーの走りとその活躍を期待したい。