第5戦 6月22日(金)~6月24日(日) ひむかラリー'07
最終SS、驚異の逆転劇!
勝田範彦、今季4勝目でシリーズ独走態勢へ!!


今季4勝目ラック名スバルSTi DLインプレッサ

全日本ラリー前半戦最後の第5 戦は2年ぶりとなる宮崎。今回のステージは全て新しいステージで、宮崎県北部山岳部の美郷町を中心に2日間2レグで開催、競技初日午前中に6.53kmのSSを3本、午後に今回最長の13.9kmを3本、2日目に3.45kmと4.35kmをミックスした5本の全11SSでSS総延長は80.34kmとなっている。ダンロップ勢の優勝候補は75点でランキングトップを独走中の、インプレッサの勝田範彦と同2位のランサーを駆る石田正史がエントリー、石田と2点差でランキング3位の北村和浩は同日開催の全日本ダートラに参戦のため、前戦福島に続き欠場となっている。チャンピオンに一番近い勝田がさらにポイントを伸ばすのか、それとも石田が勝田に一矢報いるのか、そこに注目だ。

4位のDLテインマルシェランサー

レグ1スタートの天候は曇りでたまに晴れ間も顔を出す天候、気温は24度で前日の雨の影響か蒸し暑い。勝田、石田はいずれも「DIREZZA 86R」の215/60R15を装着、コンパウンドはDT。スペアにもDTコンパウンドを2本搭載してスタートしている。SS1「笹の峠」は6.53km、トップタイムは6分53秒4でランサーの奴田原文雄、5.8秒差で石田が2番手、勝田はコース上の浮き砂利を掃除する先頭スタートのハンデもあり石田から1.4秒遅れの4番手タイム。続くSS2はSS1のリピートステージ、勝田はセカンドベストをたたき出し総合2位に浮上した。その勝田はSS3でも2番手タイムを記録、奴田原に続いての2位を堅持し、SS2で出遅れた石田も7位にまで挽回してきた。午後は曇りのままだが気温も27度まで上がり、迎えた今大会最長ステージ13.9kmSS4「山神」ではインプレッサの炭山裕矢が12分13秒3でトップタイム。勝田は3番手タイム。首位の奴田原がタイヤバーストで遅れ炭山が首位浮上、勝田は手堅く2位をキープしている。この後のSS5でも勝田は炭山に3.7秒負けるのだが、この日最終のSS6で11分52秒8のトップタイムをマーク、炭山との差を僅か2.8秒にまで縮めることに成功し、レグ1は2位で終わることとなった。一方7位まで浮上した石田はSS4からコンスタントに上位のタイムをマーク、4位まで返り咲くこととなり、明日が楽しみになってきた。

レグ2で追い上げる、ラック名スバルSTi DLインプレッサ

翌日のレグ2は気温21度とレグ1と大差ないのだが、早朝からの降雨で、コースはセミウエットコンディション。しかしダンロップ勢の勝田、石田はこれ以上雨が降らないと判断、レグ1と同じ「DIREZZA 86R」のDTコンパウンドを選択、レグ2最後のSSに挑んでいった。逆転優勝を狙う勝田は2位のためセカンドスタートと今回コースの浮き砂利掃除を担当する炭山に対しては有利なポジション。そしてその最初の3.45kmSS7「長迫」で勝田は3分23秒8のトップタイムをマークし炭山を逆転、難なく首位を手に入れた。続くSS8では石田がトップタイムで奴田原を猛追、勝田もセカンドベストを記録し炭山との差を1.1秒と広げた。しかし勝田はSS9・10でタイムが伸び悩みまさかの2位転落、炭山に対して逆に1.2秒のビハインドを負うことになった。残されたステージは最終のSS11、3.45km「長迫」リピートステージ。勝田は「逆転より絶対完走」で年間ポイント重視のアタックだったが、炭山を見事2.3秒上回り、最終リザルトは2日間走ってその差僅か1.1秒、この死闘を見事ものにした勝田が歓喜の最終SS逆転優勝を飾った。一方、石田は3位奴田原をSS10終了時点で3.1秒差まで追い詰めるのだが、追撃もここまで。結局4位でゴール10ポイントを獲得した。優勝の勝田は今季5戦で4勝目、ポイント争いは優勝4回、2位1回で95点、2位も石田で54点、今回欠場の北村も42点で依然3位キープしダンロップがランキングワンツースリーでシーズン前半を終了することとなった。

優勝の勝田範彦選手

「とにかく完走しよう、ノーポイントはNG、目の前に勝利が見えていてもあせらず確実に走る、コドライバーの北田と二人で何度も確認しました」「コースも日本離れしたハイスピードなステージもあり最高のコンディションでした」チャンピオンが見えてきたにもかかわらず、勝田は今回もきわめて冷静に語ってくれた。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014