DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第4戦 6月29日(金)~7月1日(日) 2012 ARKラリー洞爺
勝田/足立組、鬼神の追い上げで2位表彰台!
ランキングトップを守る!


昨年からARKラリーの舞台はこの洞爺湖町に移り、地元自治体の協力が強化されたようだ。金曜夜のセレモニアルスタートでは地元の子供達も声援を送ってくれる。

全日本ラリー選手権は今回の「2012ARK RALLY 洞爺」で第4戦。第2戦より3戦連続グラベルでの開催となり、ここから中盤戦に突入する。昨年は9月に第6戦で開催されたこのラリー、SS総距離が「ラリー北海道」に次ぐ100kmオーバーで開催されていたのだが、今年はゴールデンウィークに降った大雨で予定のステージが使用不能になったため約65kmに短縮されることとなった。これによりポイント係数が変更され昨年の係数2倍から1.5倍に減少、今後のチャンピオン争いに少なからず影響が出ることも予想される。サービスパークは昨年同様、洞爺湖湖畔にある洞爺湖文化センターに設置、6月28日金曜日の夜にはここでセレモニアルスタートも行われた。翌日の土曜日より競技がスタート、DAY1に4.53kmのSCALLOP、5.97kmのSTRAWBERRY、2.38kmのCHERRYを3回ループする9SS。翌日日曜日のDAY2では今ラリー最長の6.77kmのSEA TANGLE、3.21kmのPLUM、3.06 kmのPORKを2回のループで6SS、合計15SS、総延長64.88kmのステージが用意された。エントリーは全部で51台、トップカテゴリーにあたるJN4クラスには21台がエントリー。ランキングトップは52ポイントでダンロップユーザーの勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)、次いで41ポイントで奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)、3位には33ポイントで柳澤宏至/中原祥雅(インプレッサ)がつけている。そのほかで注目のダンロップユーザーは福永修/奥村久継(インプレッサ)、石田正史/草加浩平(ランサー)の2組。このクラスではどのような結末が待っているのか注目されるところだ。

久々に快走を見せた石田正史。DAY1で有利なスタート順だったとはいえ、DAY2もうまくまとめ見事3位表彰台に上がった。この活躍でついに復活を果たせたか。

DAY1の土曜日、サービスパークのある洞爺湖町は快晴。昨日同様27度位まで気温が上昇する勢いだ。ステージがある豊浦町はサービスパークから有珠山系をはさんだ西方の太平洋に面しており、車でわずか30分の距離ながら朝から曇り空で気温も上がらず肌寒いが、雨が降るほどではなく路面はドライコンディション。最初のSS1 SCALLOP1を制したのは柳澤、2番手は後方スタートの炭山裕矢/加勢直毅(ランサー)、4番手以降に石田、勝田と続いている。コースは浮き砂利が酷く先頭スタートの勝田はタイムが出ず苦しんでいるようだ。SS2 STRAWBERRY1では石田が2番手タイムを叩き出すのだが、勝田はここでも5番手といいところがない。結局勝田はSS3まで砂利掃除に徹するしかなく、トップの炭山から9秒7差の5位で最初のループを終わった。浮き砂利も消えた2ループ目、今度は深い轍が各選手を苦しめることとなる。4位石田と5位勝田はSS4でそれぞれ3位・5位とまだ攻め切れていない様子。続くSS5で勝田がようやく2番手タイムを出すのだが、タイム差が小さいため順位を上げるまでには至らない。同じステージで石田は4番手、その後も3番手から4番手をコンスタントにマークし2位の炭山を1秒2まで追い詰める3位でDAY1を終えた。一方、勝田は3ループ目のSS7で待望のステージベストをマーク、DAY1残りの2本のSSも2番手と3番手でまとめ2位を射程距離内に捉える4位まで挽回した。

勝田範彦のSS10は凄まじかった。前日終了後に語った「2位狙い」が嘘のようなスーパーアタックを見せた。勝田は18秒差の逆転優勝を本気で狙っていたのかもしれない。

天気予報では一時雨が予想されたのだが、朝からうす曇のなか、太陽が顔を出すコンディション。昨日のDAY1同様ドライコンディションの中DAY2はスタートした。しかし首位の柳澤と2位の炭山は昨日の勝田と同様、先頭ゼッケン特有の浮き砂利に苦しむなか、反撃を開始した勝田が今回最長のステージ6.77kmのSS10 SEA TANGLE1で柳澤を6秒9引き離す、5分5秒2のスーパーベストを叩き出し、炭山と石田を一気に抜き去り2位に浮上する。勝田は続くSS11・12でもステージベストと2番手タイムをマーク、一時は18秒3あった柳澤との差を8秒6にまで縮めてきた。勝田はこのあともSS13・14でも連続ベストを記録するのだが、柳沢/中原に6秒3届かず2位でゴールすることとなった。勝田はDAY2のDAYポイント1位をゲットしたことで手元計算だがポイントを67まで伸ばしランキングトップをガッチリキープ、得意なターマック2連戦に臨むこととなった。勝田は「もちろん勝ちを狙ってスタートしたのですが、DAY1のリザルトで今回は2位ゲット、ランキングトップキープを目標にしました。DAY2では納得できる走りが出来たのですが、DAY1でタイムが伸びなかったのが敗因ですね。次からのターマックでも頑張ります」と締めくくってくれた。

DAY1でトラブルに見舞われた村田康介だったが、DAY2残りの6本で充分逆転できるシナリオが揃っていたのだろうか?自信にあふれた走りを見せたDAY2の村田は横綱相撲。

4WD、FR、FFと多くの駆動方式のマシンが参戦するJN3。グラベルイベントだけに唯一4WDを駆る村田康介/平山真理(ブーン)が優勝候補の最右翼。そんな周囲の予想と裏切ってDAY1最初のSS1では宇田圭佑/石川恭哲(インテグラ)が5秒6上回り、村田は2位スタートとなった。対する村田は続くSS2からSS4まで3連続ステージベストをマーク、宇田をコンマ8秒まで追い詰めるのだが、なんと村田はこの後のSS5で痛恨のスピンを喫してしまい6位に順位を落としてしまうのだが続くSS6再びステージベストをゲットし食い下がる。対する宇田は一時2位に30秒以上の大差をつけるのだが、SS8でミッショントラブルによりリタイヤしてしまう。これでトヨタ86を駆る三好秀昌/保井隆宏が首位に立つなど、目まぐるしく順位が変わっていく。DAY1終了後のサービスで村田は「スピンのあと足回りにもトラブルが発生し、トップとのタイム差は14秒と開いてしまったけど、明日は絶対逆転します」とまだまだ余裕のコメント。
翌日のDAY2になると村田は三好と14秒差の4位から反撃を開始。最初のステージSS10 SEA TANGLE1では5分27秒9のスーパーラップで14秒差を一発逆転しトップに浮上する。村田はこの後のステージでもSS14以外のすべてのSSでステージベストをマーク、結局2位の三好に15秒以上の差をつけ、公約どおりの今季2勝目を獲得しランキングトップを堅持した。

15本のSSで5人がステージベストを奪い合う展開。このなかで一番冷静な走りを維持し続けた上原淳が優勝を手繰り寄せた。今シーズンは他クラスからの転向組も増え、白熱のラリーが続いている。

今シーズンエントリー台数が増え毎戦白熱したバトルが繰り広げられているJN2。ディフェンディングチャンピオンの天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)を軸に高橋悟志/箕作裕子(ヴィッツ)、川名賢/安東貞敏(ヴィッツ)、岡田孝一/北川紗衣(デミオ)あたりがどのような作戦で闘いを挑んでくるのか、またそのほかにも虎視眈々と上位を伺うポテンシャルがある選手がいることから勝者の予想は極めて難しい。DAY1最初のSS1では3分54秒9で上原淳/漆戸あゆみ(デミオ)がステージベスト。いきなり予想が崩れ始める。SS2では天野、SS3上原、SS4天野とシーソーゲームが続き、この時点で天野が首位、1秒7差で上原が続いた。しかし轍が酷くなってきたSS5で天野が足回りのトラブルによりリタイヤを喫してしまう。このステージでのトップは大桃大意/露木明浩(デミオ)、上原との差を3秒1にまで縮め、JN3クラス同様順位の入れ代わりが激しくなってきた。このあとも激しいつばぜり合いが続き上原が首位、ベストはないものの各ステージをコンスタントにまとめてきた高橋が2位に入ってDAY1をダンロップワン・ツー体制に導いた。翌日のDAY2では川名が6SS中4SSでベストを獲るのだが、上原に追いつくことは出来ず、15本のステージを5人で奪い合った激闘は上原に軍配が上がり、開幕から4戦で4人目の勝者が誕生した。

ほんとうに松岡竜也と山口貴利の死闘は凄まじかった。軽量級クラスには厳しい路面の轍で、マシンは悲鳴を上げる寸前だったのではないだろうか。今回は二人に拍手!

今シーズンは開幕から全戦成立し、参加台数の増加にも貢献しているJN1。今回の優勝争いはグラベルだけに同じ4WDストーリアを駆る山口貴利/山田真記子と松岡竜也/縄田幸裕の2クルーに絞られる。DAY1が始まるとSS1から予想通り山口が飛び出すのだが、返す刀で松岡がSS2でステージベストをゲット。SS3も松岡が獲るのだが、SS4・5と山口がステージベストを獲り、まさにノーガードの殴り合いの体を成してきた。この闘いをDAY1最終のSS9まで繰り広げ、山口が5秒8差で初日首位をキープした。翌日のDAY2でもこの闘いは変わらず、山口がSS10・13・14を松岡がSS11・12でベストをゲット、山口が松岡に3秒1差で運命の最終ステージに突入する。ここでなんと松岡が山口を3秒5制するステージベストを記録、僅かコンマ4秒の大逆転、みごと松岡が優勝を手に入れることになった。
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Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014