第4戦 6月1日(金)~6月3日(日) MSCC東京ラリー
勝田範彦、土壇場の大逆転で今季3勝目をもぎ取る!
JN2では綾部が今季初出場、初勝利!
今季3連勝のスバルラリーチームジャパン
全日本ラリーは今回のMSCC東京ラリーで中盤戦の第4戦、今シーズン初めてのグラベルコースで開催された。舞台は福島県中部に位置する棚倉町周辺。コースレイアウトは2日間2レグ制でレグ1が棚倉町西側の今回最長距離14.54kmを含む3本のSSとサービスパーク付近のギャラリーステージがあるSSを使用、翌日のレグ2では東側3本とレグ1同様のギャラリーステージを組み合わせた全15SS、SS総延長は103.2kmとなっている。ダンロップ勢での優勝候補はランキングトップのインプレッサを駆る勝田範彦と同2位ランサーの石田正史がエントリー、ランキング3位の北村和浩は同日開催の全日本ダートラ参戦のため欠場となっている。勝田がポイントを伸ばし優勝戦線での主導権を握ることが出来るか、また石田が勝田にどこまで迫れるかに注目が集まっている。
5位のDL BRIG オサムランサー
レグ1スタート時の天候は晴れ、気温は18度。ダンロップ勢は「DIREZZA 86R」を装着、コンパウンドはDTを選択、スペアにもDTコンパウンドを2本搭載してスタートしている。SS1は14.22km、ここでのトップはランサーの奴田原文雄、勝田は3.7秒差の2番手タイムで追従している。ここで石田はコースアウトを喫し1分以上をロス、24位沈んだ。続くSS2では勝田が連続2番手タイムで総合2位を堅持、石田も4番手タイムで順位を上げてくる。SS3でも勝田は2番手で午前中のセクション1を2位で終わった。石田はSS3でロアアームを破損しリタイヤとなってしまうのだが、ここでランサーの鎌田恭輔が3番手タイムを記録、順位を5位まで上げてくる。45分のサービスタイムの後、午後のレグ1セクション2では勝田は奴田原とのタイム差を挽回すべくアタックをかけるのだが、一進一退のバトルを繰り広げ、結局この日はそのまま2位で終えることとなった。鎌田もひとつ順位を落すのだが6位に踏みとどまっている。
6位のシャフトブリッグラリーチーム
翌日のレグ2も朝から晴れ模様、コースのある山間部は10度すこしと肌寒い。残りのSSは7本、勝田は最初のSS9から勝負に出るのだがインプレッサの炭山裕矢と奴田原に次ぐ3番手タイムとうまく行かない。SS10でようやく奴田原を下し、若干挽回するのだが一気には縮まらない。鎌田はコースオフしてリタイヤとなった。そして続くギャラリーステージがある2.76kmのSS11、ここで奴田原がミッショントラブルでストップ、そのままリタイヤしてしまう。引き下がらない勝田と今回のサバイバルラリーに奴田原のマシンが悲鳴を上げたのかもしれない。これで首位に立った勝田はこのあとのSS12と14でトップタイムをゲット、2番手以下を大きく引き離し劇的な逆転優勝、今季4戦目で3勝とポイントでも大きなアドバンテージを手に入れることとなった。そして5位にはレグ1の8位から確実に追い上げ、ランサーの堀田信が、6位にはインプレッサの飯泉忠男がそれぞれ入賞した。今回はエントリー38台で完走が僅か17台というエントラント泣かせの凄まじい一戦だった。
JN2クラス優勝のDCCSダイハツブーンX4
JN2クラスではブーンX4で綾部美津雄がエントリー、チームメイトの小野寺清之と共に快調にSSを消化していく。しかしSS5で小野寺がマシントラブルによりリタイヤ。これで綾部は田中伸幸との一騎打ちの様相を呈してきた。SS7終了時点で田中が綾部にコンマ7秒上回っていたのだが、SS8で田中が転倒リタイヤを喫してしまう。これで楽になった綾部は翌日のレグ2でも無理することなく無難にまとめJN2クラスで独走の優勝を飾った。
優勝の勝田範彦選手
「今日はとにかくあきらめないで走り続けた。これが今回の勝因。」と語ってくれた勝田は75ポイント、ランキング2位の石田とのポイント差を31点に広げた。第4戦で早くも独走態勢に入ったのではと話を向けると、勝田は「まだ残り6戦あるので油断はできません。1戦1戦を大切に戦っていきます。」と頼もしく語ってくれた。