第3戦 5月21日(金)~5月23日(日) RALLY HOKKAIDO FIA Asia-Pacific Rally Championship併催
超ロングステージのラリー北海道!
JN-4クラスの石田が2位、勝田が3位と表彰台の2つをゲット!
北海道ならではのフラットダートを疾走する石田正史/竹下紀子(ランサー)。
全日本ラリー選手権は前戦の九州から一気に本州を飛び越え、雄大な大地が広がる北海道の十勝地方へ移動し第3戦「RALLY HOKKAIDO 2010」が開催。昨年まではシーズン中盤に開催されていたこのラリー北海道だが今年は大幅にシーズンのスケジュールが変更され3戦目とやや早い開催時期となった。このラリー北海道は毎年アジアパシフィックラリー選手権と併催されており、海外から多くのチームがこの北海道へと集まり毎回レベルの高い走りが繰り広げられる。このラリー北海道の見どころと言えば雄大なコースならでは、グラベル路面をハイスピードで駆け抜けるシーンだ。通常の全日本選手権で走る距離の倍以上となるラリー北海道はSS総距離230.87km、総移動距離は958.08kmに及び、いかにひとつひとつのステージが長いかが解る。そのSSは全部で18ステージ、これを三日間に分けられ初日のDAY1Aでは夕方のセレモニアルスタート後にSSが一つ行なわれ、続く二日目のDAY1Bは10のSSと最終日のDAY2に7つのSSが行なわれる。
1・2戦共にマシントラブルに悩まされた石田正史/竹下紀子(ランサー)がこのラリー北海道で2位表彰台を獲得。
多くの観客が見守るセレモニアルスタートで遂に競技がスタート。この後に続く最初のSS1「オビヒロ1」1.20kmでは昨年のチャンピオン奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)が
1分01秒5でトップに立つ。ダンロップ勢では3位に福永修/奥村久継(ランサー)が最上位に付け初日を全車リタイヤも無く無事に終える。
本格的に競技は二日目のDAY1Bから始まり、いきなりのロングステージSS2「シピリカキム リバース1」25.12kmへと挑む。ここでも奴田原がステージベストをマークし、この後の各ステージでも奴田原の快走が続きトップを譲る気配がない。ダンロップ勢では石田正史/竹下紀子(ランサー)に勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)の2台が着実に順位を上げ、SS5 25.12kmの「シピリカキム リバース2」を終えた時点では石田が2位、勝田が3位と奴田原追撃の体制を築いていた。続くSS6「クンネイワ リバース2」22.43kmでもステージベストを奴田原に奪われ、離されはするものの石田、勝田が続き奴田原に喰らいつく。SS7「リクベツ2」2.73kmでは石田がタイムをおとし勝田との順位が入れ替わるがSS8 25.12kmのロングステージで奴田原に続く2番手タイムで勝田を交わしすぐさまクラス2位へと戻る事となった。SS9では途中、夕立と思われる突然の雨に各車タイムを落とすなか、遂に石田が13分02秒1で奴田原のタイムを上回るステージベストを獲得。2分以上に広がった差をひっくり返すまでは行かないものの奴田原のパーフェクトウィンを阻止する事となった。帯広に戻ってのSS10は奴田原が獲得するも連続するSS11では石田が今ラリー2度目のステージベストで奴田原にその存在を大きく知らしめる。DAY1Bを終えて奴田原に2分以上のアドバンテージを築かれてしまうが、特にグラベルラリーは何が起こるか解らないラリー。石田と勝田はこれを信じて明日の最終日に備える。
3位入賞でシリーズトップはキープする勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)。
最終日のDAY2はSS12から始まる、この時の気温は10度を下回り肌寒さが感じられるなか各車がスタートを切った。帯広市街のすぐ北に位置する6.29kmの「オトフケ(シノチアキ)1」では奴田原と福永が同タイムの4分30秒0でこのステージのベストを両者がマーク、ダンロップ勢が奴田原へ大きなプレッシャーを与え最終日が始まった。続くSS13「アショロ(ヌプリパケ)1」12.73kmではステージ内は霧で覆われ視界が奪われてしまう状況ながら石田がステージベストを獲得。SS14「ホンベツ1」10.78kmでようやく勝田が今ラリー初のステージベスト獲得で勢いをつける。その後、問題だった霧もようやく晴れSS16・17では石田が連続でステージベストをマークし奴田原とのタイム差を縮めようとするが、その差はなかなか縮まらずそのまま最終のSS18「オビヒロ4」1.2kmを終えフィニッシュを迎える事となった。結果は石田が2位表彰台を獲得し、シリーズランキングトップの勝田も3位に入賞したことで順位は変らずそのままキープする事となった。
元全日本チャンピオンの若槻が過酷なラリー北海道で2位表彰台を獲得。
JN-3クラスは前戦の宮崎で見事、初優勝を飾った香川秀樹/船木一祥(インテグラ)が序盤は好調にSS2・3と連続でクラスベストをマークしクラストップに立つがSS6での転倒により惜しくもリタイヤとなってしまう。この後トップに立ったのは今シーズン初参戦でこの北海道が地元のベテラン田中伸幸/遠山裕美子(ミラージュ)。田中は着実に2位との差を広げ単独でクラストップをキープし続ける。そして2位に着けていた鎌田恭輔/早坂吉照(ミラージュ)がSS10終わり、マシンにトラブルが発生しリタイヤ。これまで3位だった若槻幸治郎/馬場裕之(パルサー)が2位、筒井/山内洋平(ミラージュ)が3位とダンロップユーザーの両名が表彰台圏内にポジションをアップ。続くDAY2ではトップの田中に追いつく事は出来なかったがトラブルの無い安定して走りで見事、若槻が2位、筒井が3位と表彰台の2つのポジションを獲得する活躍を見せた。また若槻はシリーズランキングでも一気に2位へとジャンプアップを果たした。
今シーズン初優勝でシリーズランキングもトップへと躍り出た天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)。
JN-2クラスは序盤からダンロップユーザー同士がクラスベストの奪い合いを展開。DAY1AのSS1を天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)が獲れば、DAY1BのSS2を和田誠/宗片さおり(ヴィッツ)が獲得。続くSS3・4・5と天野が3連続クラスベストで和田に対して1分00秒4のアドバンテージを築く。その後SS6・9と和田がクラスベストを獲得するが、SS7・8・10・11の4つステージでは天野がクラスベストをマーク。DAY1を終えて天野が8つのSSでクラスベストを獲得し2位和田との差を1分50秒5まで広げて最終日に向かう。
最終日のDAY2ではクラスベストを獲得するのは天野と和田だけかと思われたが、この争いに同じダンロップユーザーの鎌野賢志/竹平素信(ヴィッツ)がSS13・17の2つのステージでクラスベストを奪う。SS12・16では和田がSS14・15では天野がクラスベストを獲得しあう展開に。残る最終ステージのSS18では前戦の宮崎で優勝を飾った鷲尾俊一/鈴木隆司(スイフト)が前戦優勝の維持を見せクラスベストを獲得。これで全ステージのクラスベストをダンロップユーザーが獲得。結果、10のステージでクラスベストを獲得した天野がこのラリー北海道で今シーズン初優勝を手にする事となり、2位には和田、3位に増川智/赤木弥生(ヴィッツ)が続き、残る4位から6位もダンロップユーザーが入賞。結局1位から6位までダンロップユーザーが入賞と北の大地で大活躍を見せた。
1位~6位までダンロップイエローで染まったJN-2クラスの表彰式。そのトップに立った天野はこの優勝でシリーズランキングトップに立ち、念願のタイトル獲得に向け大きな一勝をその手に納めた。
次戦も本州を越え一気に四国は愛媛県久万高原町へと戦いの舞台を移す。ターマックラリーで競われる全日本ラリー選手権第4戦。その次戦でもダンロップ勢が各クラスの台風の目になるに違いないはずだ。