第3戦 5月16(金)~5月18日(日) KYOTO南丹ラリー2008
14SS中、12のSSでトップタイムをマーク!
石田正史が得意とする南丹ラリーで今季初V!
見晴らし、風通しも良いギャラリーステージ会場の「府民の森ひよし」
今年も全日本ラリー第3戦は昨年と同じく開幕戦の唐津、第2戦目の久万高原に続いてターマック3連戦の最後となる「KYOTO南丹ラリー2008」は京都府中部に位置する南丹市日吉町を舞台に開催された。基本的に例年と同じく「府民の森ひよし」がサービスパークやギャラリーステージとなり全14SS、総延長56.93kmで競われる。今回のラリーで最も注目を集めるのは、ダンロップユーザーでありターマックを得意とするターマックキングこと勝田範彦/晝田満彦(インプレッサ)だ。勝田はここまでの2戦を優勝、そして2位を獲得しポイントリーダーでこの南丹ラリーに挑む。その勝田を初めとするダンロップ勢が今回選んだタイヤは全車「DIREZZA 03G」でコンパウンドはチームによってR1・S1・M1を使い分けている。
この南丹では既に敵なしの石田正史
17日のレグ1、セクション1のSS1 Rurikei1( 4.79km)から大きく競技が動く事に。トップスタート、JN4クラスの勝田は道幅が狭く曲がりくねった難しいこのステージを軽快に走り抜け、このラリーを引っ張ると思われたがゴール手前でまさかのコースアウト。コース復帰も難しくリタイヤとなり誰もが予想し得ない事態となってしまう。そこでトップに立ったのは昨年この南丹ラリー覇者であり、ダンロップユーザーの石田正史/澤田茂(ランサー)だ。石田はスタートから8つのSSでステージベストを立て続けにマークし、南丹ラリーとの相性の良さを見せ付ける。そんな好調の石田に離されず3.4秒の僅差で続く奴田原文雄/小田切順之(ランサー)は、SS1からSS8まで石田に続くセカンドベストをマーク、SS9 Rurikei2(4.79km)では初めて奴田原にステージベストを奪われてしまう。この時点で実質優勝はこの二人に絞られていた。
両者は2回目のサービス後、優勝を賭けてSS12 Tastunori Pass 3(5.61km)のナイトステージから戦いが再び始まった。ここでも石田が2位奴田原を5.2秒も引き離し、続くSS13 Rurikei3(4.79km)でも更に4.4秒差をプラス。最終のSS14 Amawaka West2(4.75km)の直前では14.1秒と大きくマージンを築いていた。残す最終SS、石田はこのステージ7位と無理をしない確実な走りでゴール。2位に12.4秒差で見事今季初優勝と南丹ラリー2連覇を獲得した。
表彰式では「夜のステージへのプレッシャーは確かにありました。その夜ステージ、まだ薄暗い状態でのSS12が一番の勝負どころと考えていたのでアタックを賭け成功したのが、この結果に繋がったと思います。また、今回はRurikeiやTastunori Passといった狭い道の峠をうまく走れた事が勝因です。」とコメント。
ここ地元京都で念願の全日本ラリー初参戦を果たした古谷哲也
全日本ジムカーナ選手権N4クラス、現在ポイントリーダーの古谷哲也がここ京都が地元とあり、この南丹ラリーに古谷哲也/横川紀仁(ランサー)としてエントリーを果たした。
古谷の序盤はJN4クラス、強豪のレギュラードライバー達に付いて行くのがやっとといった感じが見受けられたが、ラリーも中盤を越えた辺りからは常に上位にポジションをキープしていた。そして古谷は最終SSで奴田原や松岡孝典/木村裕介(ランサー)、石田等に8秒以上の差をつける渾身の走りで横尾芳則/安藤貞敏(ランサー)に続き、古谷自身、最高位のセカンドベストをマーク。初めての全日本ラリーを見事4位という好成績でゴールした。インタビューでの古谷は「まさか4位になれるとは思いませんでした。最終SSでの激しい3位争いは、今までの競技人生の中でも思い出に残ります。」とコメントを残している。
廣瀬康宏は特徴的なカラーリングを施す車両で開幕3連勝!
今シーズン、毎回3つ巴の争いを行うJN1クラスは、やはり今回も廣瀬康宏/中村信博(シティ)西山敏/大谷美紀夫(シティ)この2台のダンロップユーザーと明治慎太郎/足立さやか(スターレット)での戦いだ。廣瀬、西山はどちらも「DIREZZA 03G」を使用しコンパウンドは違う選択をしている。開幕2連勝中の廣瀬はS1、西山はR1を選択してのスタートだ。スタート後からのSS1からSS3を連続して西山がステージベストをマーク。続くSS4からSS7までは廣瀬が4連続ステージベストを出しクラストップに立った。しかしこの後のSS8 Tatsunori Pass2(5.61km)で2台はタイムを落とし明治にトップを奪われてしまう。午後からのセクション2・3では開幕2連勝中の廣瀬が勢いを取り戻し、明治と一騎打ちの戦いを繰り広げる。SS9終了時点で廣瀬が再度クラストップに返咲き、SS10・11と引き離しに掛かり、約10秒のマージンを築くが明治はSS12終わりでその差を4.9秒差まで縮めていた。そして残す最終SSでは明治がステージベストをマーク、縮めることができたのはわずかゼロコンマ2秒。これにより4.7秒差を築いた廣瀬が破竹の開幕3連勝を達成する事となった。表彰式のコメントで「苦手な狭い道を攻略できたのが、今回優勝できた勝因と思います。また上位3チームの実力は紙一重で、そんな中3連勝を達成できたのが大きな自信になりました。」更に大きく得た自信で4連勝に期待が掛かる。
見事2位を獲得したBOOBOWのゼッケン27番、福永 修
二輪駆動車勢と四輪駆動車ブーンX4勢の戦いとなったJN2クラス。BOOBOWのチームメイトとなる福永修/奥村久継(ブーンX4)と村田康介/地神潤(ブーンX4)が2位、3位と表彰台を獲得した。