DUNLOP MOTORSPORT
ドライバー
第2戦 5月3日(金)~5月5日(日) 久万高原ラリー
グラベルラリー開幕戦。ダンロップユーザーが2クラスで勝利!

スキー場跡地に設定される同ラリーの広大なギャラリーステージは、マシンの走りを長く見渡せることで人気があり、今年も2日間で1500人の観客を集めた。

2013年の全日本ラリー選手権第2戦は、今季初めてのグラベルラリーとなる「久万高原ラリー」。拠点となる愛媛県上浮穴郡久万高原町周辺は、ターマックラリーの設定も可能な恵まれた環境だが、全日本戦がグラベルイベントとなって、今年で3年目となる。今年は約9kmの林道SSが新たに追加され、計15SSの総ステージ走行距離は昨年から15km以上も延長しての74.08kmに。山頂から下るダウンヒルと、一気に駆け上るヒルクライムで構成される、シリーズ屈指のテクニカルラリーだ。ゴールデンウィーク後半の開催となった今戦は天候にも恵まれ、デイ1の日中に通り雨は 見られたが走行には影響のない程度。完全ドライだったため路面が荒れ、続出するパンクも勝負の行方を大いに翻弄させた。

序盤に喫したスピンでのタイムロスが最後まで響いた形の勝田だったが、選手権争いを睨んでの戦略はきっちり完遂した。

注目が集まるのは、舗装の開幕戦で快調な滑り出しを見せた現全日本チャンピオン、JN-4の勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)。開幕戦優勝の勢いを、今季のグラベル緒戦でもつなげていきたいところだ。6.31kmの開幕SSで飛び出したのは、グラベルを得意としている柳澤宏至/中原祥雅(インプレッサ)だったが、勝田も0.8秒差のセカンドベストで続く。8.35kmのSS2、ギャラリーステージの1.12kmと続く1セクションを終えて、勝田は柳澤に4.1秒差の3位につける。そして迎えたセクション2は、勝田のコ・ドライバー、足立が「DAY1は2ループ目(セクション2)が勝負どころだと考えていた」と語っていた山場。しかし「その最初のステージSS4(大谷支線2)で1回目の走行(SS1)より10秒程度のタイムアップを目指してアックを掛けたのだが、スピンをしてしまい約10秒のタイムロスを負ってしまった」と痛恨のミスを喫してしまう。次のSS5、東古味西谷線II(9.10km)ではベストタイムをマークしてすぐに取り戻しにかかった勝田は、スピンしたステージ3回目はベストタイムでまとめ、首位柳澤に16.7秒差の2位でデイ1を折り返した。

「デイ1の2ループ目は山場と位置づけていた」と語る足立と勝田のコンビも4年目。安定した強さは、タイトル連覇に向けて頼もしい限りだ。

デイ2は、3.22km、9.03km、1.12kmのギャラリーステージの3本を2回ずつ走行する6SSの構成。この日の山場と目されるのは、今ラリー最長の9.03kmステージ、大野ヶ原。この1回目の走行(SS11)で、勝田は渾身のベストタイムをマークする。しかし、「ここで柳澤選手との差を5~6秒は詰めたかったが、ベストタイムでも3秒しか縮めることが出来なかった」(足立)と、これで追いつくことが難しいと判断。昨年は最終戦までタイトル争いを展開した奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)がパンクで40秒以上もロスしているハプニングもあり、勝田は今年も選手権ライバルと目している 奴田原よりも上位でフィニッシュすることを優先し、2位キープの作戦に変更。「最終的に、DAY1のスピンで今回のラリーのすべてが決まった」(足立)となってしまったが、それでも勝田は、ロングステージ2回目の走行でも最速タイムをマークするなど貫禄も見せて、戦略狙い通り2位でのフィニッシュを果たした。

激戦の序盤で築いた大差が、ライバル脱落後、デイ2で見えない敵と戦った上原。それでも奮闘してクラス首位を守りきった!

16台と今回最多台数を集めたJN-3は序盤、悪路での強さに定評のある上原利宏/佐瀬拓野(シビック)と、小倉雅俊/平山真理(ブーンX4)が大接戦。開幕戦でベストを獲った上原に対し、SS2では小倉がベストで応戦。まさに差しつ差されつで、コンマ秒差レベルのバトルを展開となった。1.12kmのスーパーSS2回目の走行では、何と両車は全くの同タイム。しかし、その小倉がSS8でマシントラブルによりペースダウン。残るSS9まで走り切ったが、ここでリタイアとなってしまった。これで2位の三好秀昌/保井隆宏(86)との間が42.4秒と開いた状態でデイ2を迎えることになった上原は「そこからが自分との戦い。急に冷静になって、悪コンディションが走りにくくなった」と必死で集中。コ・ドライバーの佐瀬も「デイ1はコンマ秒差の接戦だったのでマキシムにアタックだったが、デイ2はモチベーションを維持するのが大変で、むしろこの日の方が危なかった」と語るが、それでも大きなマージンをうまく活用して、2位との差を16.4秒で抑えてのクラス優勝を飾った。フィニッシュ後は、ラリー北海道への参戦も表明した上原。今季の活躍が注目されるひとりだ。なお2位には香川秀樹/浦雅史(インテグラ)、3位には横尾芳則/中川亜希子(86)が入り、JN- 3クラスはダンロップ勢がポディウムを独占した。

チャンピオンの天野をもってしても、レベルの高さを痛感させられする激戦区となったJN2。今回も目まぐるしく順位が変わり、目の離せないクラスだ。

JN-2は11台エントリーの中に、ベテランから新進気鋭の若手まで注目選手が多く、戦況が興味深いクラス。チャンピオンの天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)は、通常は序盤から先行して逃げ切る形が多いが、今回は立ち上がりに苦戦。川名賢/安東貞敏(ヴィッツ)、岡田孝一/漆戸あゆみ(デミオ)らに先行を許し、クラス3位で第1セクションを終える。「序盤、マシンと自分とがズレていたところがあり、ペースアップがあげられず先行を許してしまった。ループ2からペースを上げたが、思った以上に周りのペースが速く、追いついていけなかった」という天野は、その第2セクションも SS4、SS6のセカンドベストが精一杯。それでも「一方で秒差の争いも楽しめた。コドラが聞いてくるタイムを聞いて、一ファンのように興奮できた。それを楽しめることがいい方向に動いたのかな」。と、SS7、6.31kmの(大谷支線2)で今回初のベストタイムをマーク。初日を終わってみれば、7.8秒差をつけてのクラス首位で折り返した。デイ2も、このマージンを巧みに維持して、最終的に川名に14.7秒差をつけて今季勝利 をマークした。3位には、同じくヴィッツの高橋悟志/箕作裕子が食い込んだ。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014