第2戦 5月7日(金)~5月9日(日) ひむかラリー'10 IN 美郷
生存率50%の戦いをダンロップが全クラス掌握!
総合ではJN-4クラスの勝田が連勝を達成!


この晴れ渡った天候で開催前の雨を完全に拭い去った。

 全日本ラリー第2戦目は初戦の唐津に続き九州ラウンド第2戦の「ひむかラリー’10 in美郷」。今シーズン初のグラベルラリー(未舗装路)開催とあって、各チームは前回のターマック(舗装路)仕様からグラベル仕様へと車両の仕様を変更し再度この九州の地へ集結。このグラベルラリーは土の上を駆け抜けサーキット等ではなかなか味わう事のできないラリー。時には車体は大きくスライドし土煙が大きく舞い上がる走りにギャラリー達は大歓声を上げ、そんな熱狂的ファンが多く見られる。
 今回の「ひむかラリー’10 in美郷」は九州宮崎県北部の山間部美郷町を中心に昨年同様の2日間、全10SSで競われる。そのステージの構成は2.38kmの「八重原」、そして12.86kmの「珍神」とこのショートステージ「珍神S」11.45kmと翌DAY2の「珍神S」8.53km、今回の最長ステージとなる14.60kmの「山神上」とこれの下り「山神下」14.56km、大きく分けて5種類のステージを各2本、合計10のステージで総延長は100kmを越え108.78kmとなる。このステージに向けJN4クラスのダンロップ勢は、DIREZZA 86RとDIREZZA 86RWをそれぞれ履き分け今ラリーに挑む。

グラベルラリーの醍醐味と言える土煙舞う走りをみせる勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)。

 DAY1が始まり、午前9時SS1に向けCAR NO.1の奴田原文雄/佐藤忠宜(ランサー)から競技はスタート。前日に降った雨の影響は全く無く天候と路面共に良好で気温は既に23度程に上がり春先の寒さは何だったのかと思わせる暑さがステージ内には感じられていた。気温の暑さ同様に白熱した闘いがSS1から早くも展開。そのバトルを繰り広げるのは開幕戦を制したダンロップユーザーの勝田範彦/足立さやか(インプレッサ)とチャンプ奴田原だ。SS1、2.38kmの「八重原1」では前走者の巻き上げた土煙が残り視界を遮るなか、勝田が奴田原をコンマ2秒上回りステージベストをマーク。続くSS2 12.86kmの「珍神1」とSS3「八重原2」でも勝田がステージベストを奪い三連続ステージベスト獲得で奴田原を引き離しに掛かる。しかしこのステージで優勝候補の一角であったダンロップユーザーの石田正史/竹下紀子(ランサー)がエンジントラブルにより残念にもリタイヤとなってしまう。セクション1最終のSS4では奴田原が意地を見せ11分57秒5のステージベストで今までの差を吹き飛ばし逆に勝田に対して1.1秒差のマージンを築きトップに立つ。
 45分間のサービスが終わりSS5・6・7のセクション2がスタート。ここからついに勝田の猛チャージが始まる。気温が上昇するに連れてグラベル路面が乾燥し、土煙の激しさが増す状況ながらSS5の「山神下1」14.56kmでは12分56秒6の奴田原に対して9秒4も速い12分47秒2のステージベストですぐさまトップを奪い返す。続くSS6の「珍神S」11.45kmでは3番手に付けていたダンロップユーザーの福永修/奥村久継(ランサー)が10分44秒5のタイムで今ラリー初のステージベストを獲得。直ぐ後ろまで迫っているとプレッシャーを勝田と奴田原に対して与える。DAY1最終のSS7「山神下2」でも勝田が2位奴田原を1秒1上回りDAY1では5つのSSでステージベストを奪った勝田が2番手の奴田原に対して9秒1のアドバンテージを築きDAY1をトップで終えた。

表彰では優勝の勝田と足立が共に車両の上に登り二人そろってのシャンパンファイトを披露。

 翌、日曜日にはDAY2がスタート。このセクション3が最終となりSS8・9・10の3つのステージ計37.73kmで争われる。このDAY2は前日の成績を踏まえたスタート順で現在トップの勝田が最初にスタートを切りSS8「山神上1」14.60kmの最長ステージに挑む。通称「砂利かき」と呼ばれる1番走者だが前日に使われたステージの逆走だけにその心配は要らない。ここでなんと勝田は2位奴田原に7秒1もの差を加算する好調な走りを披露。大きく引き離す事に見事成功。続くSS9「珍神S」とSS10「山神上2」では奴田原との差をコントロールする様にミスの無い確実な走りでトップをキープし優勝を決めた。この優勝で勝田は開幕戦の唐津に続き連勝を達成、タイトル奪還に向け突き進む。表彰時では「2週間後に迫る次戦ラリー北海道に向け車両を整えたい」とコメント。言葉にはしなかったが次戦も優勝を狙う勢いが感じられた。また3位に福永修が表彰台を獲得。更に4位高山仁/広田沙貴子(ランサー)が、5位には堀江拓/松浦好晃(ランサー)が入賞とダンロップユーザーの活躍を見せた。

全日本初優勝と総合6位の好成績を残した香川秀樹/船木一祥(インテグラ)。

 エンジン排気量が1,500cc以上3,000cc以下と幅広い制限で多様な車種がエントリーするJN-3クラスではダンロップユーザーが大活躍。数多くのグラベルラリーに参戦経験を持つ小倉雅俊/平山真理(ブーン)がその経験を活かし、序盤でこのクラスを牽引。SS5で昨年クラス5位の香川秀樹/船木一祥(インテグラ)がクラスベストをマークし遂に小倉を捉えトップを奪う。これに岡田孝一/石田裕一(インテグラ)が続き、ダンロップワン・ツー・スリー体制を築く。
 香川が小倉に対して19秒5のアドバンテージを持って挑んだDAY2では、SS8・9と連続で小倉が香川のタイムを上回り、最終SSを残しその差は3秒6にまで詰め寄った。勝負所となった最終SSでは香川が小倉の追撃を振り払い念願の全日本初優勝を飾る。総合でもJN-4クラスに割って入り6位を獲得する大健闘を見せた。

クラスでは40%の生存競争を見事勝ち抜いた鷲尾俊一/鈴木隆司(スイフト)。

 全5台のエントリー中、ダンロップユーザーの2台だけが生き残るサバイバルレースとなったJN-2クラスでは、鷲尾俊一/鈴木隆司(スイフト)が全SSでクラスベストをマーク。オーバーオールウィンを達成。表彰時のコメントでは2週間後のラリー北海道にも参戦すると発表。その時にはニューマシンを投入すると連覇に向けての意気込みを語った。これに続き2戦連続で2位入賞を果たした天野智之/井上裕紀子(ヴィッツ)。昨年はポイントランキング2位と今年こそはタイトル獲得を是非とも実現させて欲しい。

小型の車両ながら土煙を上げる豪快な走りの山北研二/鶴田美香(マーチ)。

 前戦の唐津と同じくダンロップユーザーの山北研二/鶴田美香(マーチ)と中西昌人/北川紗衣(ストーリア)の2台でクラス優勝を争う展開。序盤から山北が好調に中西を各ステージ毎に引き離しDAY1を終えた時点でその差は10分以上のアドバンテージを確保。続くDAY2でも山北は大きなトラブルも無く中西を引き離しに掛かる。結果、全ステージを走り切って二人の差は14分以上もの大差に広がり、山北は中西に唐津での借りを返す形なった。この優勝で山北は昨年に続きひむかラリーを連覇。ポイントランキングのクラストップに立つ事となった。


 2週間後の第3戦はいよいよラリー北海道。そのステージの総距離は200kmを越え、ドライバーにもマシンにとっても過酷な戦いが予想される。秋には「RALLY JAPAN」も開催されるだけあって北海道は日本を代表する大自然の地。その雄大な舞台でのダンロップの活躍に期待が掛かる。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014