第2戦 4月26日(土)~4月27日(日) 久万高原ラリー/愛媛
終盤に見せたキングの意地!勝田総合2位を獲得!


 全10戦で争われる全日本ラリー選手権第2戦。舞台は九州唐津から豊後水道を超え、四国愛媛久万高原に移った。松山市と高知市を結ぶ国道33号線沿い、1500メートル級の山々に囲まれた久万高原町のアップダウンに富んだターマックコースを日本のトップドライバー達が疾駆する。冬は地元四国のスキー客で賑わう美川スキー場をメイン会場とし、最短2.84㎞、最長28.56㎞に及ぶ7つのSSを1日で走破する日程。総移動距離は243.65㎞、SS総延長は94.72㎞となっている。土曜日の久万高原は日差しも強く、とても数ヶ月前までスキーを行っていた場所とは思えない天候。さすがに高所だけあって最低気温は2℃近くまで冷え込むが、最高気温は18℃まで上昇した。決勝当日の日曜も気候は変わらず、雲が過ぎ去ると温度は20℃近くまで上昇、三つ設定された超長距離SSとあいまって、マシンのポテンシャルや信頼度が試されるラリーとなった。ダンロップユーザーは各車「DIREZZA 03G」SS1スタート時のコンパウンドはR1をチョイスする者とM1、S1をチョイスする者に割れた。

 決勝の序盤、イニシアチブをとったのは昨年度このラリーをWRC参加の為見送ったヴェテラン奴田原文雄 / 小田切順之(ランサー)SS1赤蔵ヶ池Ⅰ(5.08㎞)では石田正史 / 澤田茂(ランサー)との激しい争いに競り勝ち0.1秒差でトップ、25.16㎞に及ぶロングドライブSS2美川Ⅰ、そしてSS3日野浦Ⅰ(2.84㎞)でも連続でトップタイムをマークする。

 対するインプレッサ勢は北村和浩 / 竹下紀子(インプレッサ)に不運。SS2でトラブルに見舞われ、タイムを大きくロスしてしまう。このSSだけでもトップと7分以上の差をつけられてしまい、早くも優勝争いから脱落してしまった。その後のSSでは十分に上位を狙えるタイムを叩き出しただけに悔しいラリーになってしまった。

 また昨年このラリーを制し、年間総合優勝への足がかりを作った勝田範彦 / 晝田満彦(インプレッサ)も第1セクションは我慢のドライブ。ニューマシンの感触を確かめながらもSS2、SS3では2位を獲得し、上位を狙える位置をキープする。

勝田、猛追で2位

 勝田が反撃の狼煙を上げたのはSS4美川Ⅱ(25.16㎞)から。マシンのポテンシャルとコース特性、そして天候を把握すると猛ラッシュを仕掛け、好調な奴田原等を押さえてこのラリー初のトップタイムをマークした。

 だが勝利の女神は簡単には微笑んではくれない。このままタイムを縮めるかと思われたSS5赤蔵ヶ池Ⅱ(5.08㎞)SS6日野浦Ⅱ(2.84㎞)では好タイムを連発するもトップタイムを奪えず、思うようにタイムを縮められない。大勢は決したかと誰もが思った。

 しかし昨年チャンピオンに輝いた勝田は最後まで決して勝負を諦めてはいなかった。そして最終SSとなったSS7美川・日野浦はこのラリー最長の28.56㎞。奇跡を起こすに十分な距離が残されていた。天の時、地の利が揃っていた。

 かくして、最終SSのドライブが始まった。逃げる奴田原、追う勝田。安全マージンと思われていた約8秒の差がグングンと縮まっていく。ここまで不本意なドライブに終始していた鬱憤を晴らすような驚異的な走りで久万高原を切り裂いていく。明らかに次元の違う走りを見せつけ、結果を待つ。果たして結果は、トップと僅か1.3秒差の1時間12分14秒7、あと少し、もう一歩届かなかった。だがこの最終SSでのドライブによって今季第1戦から投入されている新型インプレッサの性能、ダンロップタイヤの信頼性は実証された。「今日はとても悔しかったなあ。でも収穫はありました。次(京都)は頑張りますよ」と語った勝田。次戦以降の反撃に期待したい。

激しいトップ争いに勝った岡田

 JN-3ではダンロップユーザー同士の激しいトップ争いが繰り広げられたが、岡田孝一 / 石田裕一(セリカ)が森博喜 / 藤綱和敏(MR-S)を0.1秒差でかわして優勝を勝ち取っている。第1戦では森が優勝、岡田が2位だっただけにリベンジを果たした格好だ。

安定した走りで表彰台に上り詰めた平塚

 JN-2でもダンロップユーザーが優勝。ブーンに搭乗する平塚忠博 / 山岸典将が序盤出遅れたものの、安定した走りで今季初勝利となった。

可愛くて強い!廣瀬に「萌え!」

 JN-1の勝者はメロンカラーのアニメキャラクターのカラーリングが眩しい廣瀬康宏 / 中村信博(シティ)同組は今季既に2連勝。ラリーにも「萌え」の時代が到来したのだろうか…。

 勝田は惜しくも優勝を逃したものの、終盤見事な走りで2位を獲得した。その他の3クラスでも各ドライバーが見事な走りで優勝を勝ち取り、ダンロップのポテンシャルをここでも見せ付ける結果となった。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014