第9戦 9月28日(日) モビリティおおむた
混戦・激戦を繰り広げた最終戦!
SA3クラスの川脇一晃が1年ぶりのチャンピオン奪還!


上空から歓迎のパフォーマンスを披露!

 3月16日、岡山県の備北サーキットで開幕した2008年の全日本ジムカーナ選手権も
ついに最終戦を迎えた。既にチャンピオンの確定しているクラスもあるが、最終戦までもつれにもつれたクラスでは、終わるまで何があるかわからない、そんなドラマが起こり得るのが、モータースポーツである。
 2007年に続き今年も最終戦が行われたモビリティおおむたは、福岡県の最南端に位置し、熊本県に隣接した大牟田市にある。昨年に「三井三池オートスポーツランド」から「モビリティおおむた」へと名称が変更されたものの施設の充実度はそのままで、九州のモータースポーツファンやドライバーにも広く親しまれている。有明海を臨む敷地内には、ジムカーナやドリフト走行の専用コースのみならずダートコースまでも併設されているなど、十分な設備を誇る九州屈指のモータースポーツコースである。まさに、最終戦を行うのに打って付けの舞台だ。
 9月28日レース当日、総エントリー台数128台と本来より少なめではあったが、そこはやはり最終戦。気温19℃と秋らしい9月下旬の気候の中でさえ熱気を帯びた盛り上がりを見せ、薄曇りの空の下レースがスタートした。

最後までチャンピオン争いを繰り広げた川北忠(RX-8)

 熾烈なチャンピオン争いが最終戦までもつれたSA1クラス。チャンピオン獲得には今大会の優勝が絶対条件の森田陽介(CR-X)と、2位以上でチャンピオンが確定するダンロップユーザーの川北忠(RX-8)の戦いに注目が集まる中、1本目は先に出走した森田は1分37秒768の好タイムをマークし川北にプレッシャーを与える。このクラスのラストに走行した川北は1分38秒494とトップの森田に及ばずまさかの3位、2位以上でチャンピオン獲得という有利な条件のはずが、逆にプレッシャーとなって圧し掛かる。
午後からの2本目ではトップの森田、2位につける西野洋平(シビック)が共にタイムダウン。川北のチャンピオン獲得の最低条件として、西野の1本目のタイム1分37秒988をどうしても上回る必要がある。しかし、川北も森田や西野と同様にタイムダウンとなってしまう。1本目のタイムがベストタイムとなり結果、ライバル森田が優勝、川北が3位表彰台に立ち気になる有効ポイントは102点で森田と並んだが優勝回数の差(川北3回、森田4回)により、残念ながらチャンピオンを逃すかたちとなった。しかし、最終戦までチャンピオン争いを繰り広げた実力は来シーズンに向け大いに期待させる戦いぶりであった。来シーズンこそチャンピオンを獲得してくれるとおおきな希望を抱かせてくれた。

奮闘する地元福岡の松岡洋之(RX-7)

 SA2クラスでは、DIREZZA 03G コンパウンドM1をチョイスして挑んだ鰐部光二(RX-7)は3位入賞、総合でも3位に輝いた。鰐部とは対照的にコンパウンドS1で挑んだ、地元福岡の松岡洋之(RX-7)は地元の誇りを胸に、落ち着いた走りを見せ6位に入賞し、ダンロップユーザーが健闘した。

一年ぶりにチャンピオンの座に着いた着川脇一晃(ランサー)

 そしてこちらも熾烈なチャンピオン争いに注目を集めるSA3クラス。ダンロップユーザーの川脇一晃(ランサー)、西原正樹(ランサー)、川脇同様ダンロップユーザーの津川信次(ランサー)の3人にチャンピオンの可能性が残されている。
チャンピオン争いをする三人の中で、最初に走行する津川はDIREZZA 03G コンパウンドM1をチョイスしてこの闘いに挑む。その津川はミスを全く犯さず走り切り、気になるタイムは何と、それまでのベストタイムを大幅に上回る1分33秒835をマーク。この次に走行した西原は1分35秒086と津川のタイムに届かない。そして、優勝争いをする3人の中で1番チャンピオンに近い場所に位置する川脇は、津川同様にDIREZZA 03G コンパウンドM1をチョイスして1本目に向かった。しかし、順調な走り出しに見えた川脇だったがなんと脱輪のミスを犯してしまい7位にまで順位を下げてしまう。運命の2本目は津川、西原共にタイムダウン。この時点で津川が1本目にたたき出した1分33秒835がベストタイムとなり、残すは最終走者の川脇のみ。2本目に全てを託す事となった川脇は順調に走行を追え、そのタイムは1分34秒885。津川のベストタイムを上回る事は出来なかったが、見事2位につけ、津川の優勝に続きダンロップユーザーが1,2フィニッシュを飾った。

厳しかったチャンピオン争いを振り返る、王者!川脇一晃

 この結果により川脇と津川が有効ポイント105で並び、優勝回数も互いに3回と同数であったが、ベスト6戦のポイントの他に無効となるポイント(川脇37、津川32)の差が採用され、今大会の優勝こそ津川に譲る事となったが、見事厳しい戦いを制し川脇がチャンピオンの座に輝いたのだ。チャンピオンを獲得した川脇、そのチャンピオンと同ポイントを得た津川とダンロップユーザーの2人の活躍はとてつもなくすばらしいものだった。
「今シーズン、タイトル争いをした3人がそれぞれ3勝ずつする厳しいシーズンでした。」とこれまでの戦いを振り返り、そんな激戦を制し参戦以来2度目となるチャンピオンを獲得したうれしさが溢れていた。

すばらしい走りを見せ、圧倒的なタイムで優勝に輝いた津川(ランサー)

 そしてチャンピオンは逃したものの今シーズン3勝目を挙げた津川は「優勝はとてもうれしいがやはりタイトルを逃した事は悔しい、来シーズンはタイトルを獲ります」とまだまだ現状には満足していない様子で、更なる進化を期待させてくれた。

2戦連続優勝を獲得した古谷哲也(ランサー)

 N4クラスでは既に菱井将文(ランサー)のチャンピオンが確定しているものの、古谷哲也(ランサー)と2007年チャンピオンの茅野成樹(ランサー)のダンロップユーザー同士の戦いに注目が集まった。両者コンパウンドM1で挑んだ午前の1本目、茅野がミスによりペナルティーを受けてしまう。俄然有利になった古谷は1分33秒580と他を寄せ付けないタイムで駆け抜けた。いよいよ後のなくなった茅野だったが2本目でも本来の実力を発揮できず3位に終わる。2本目では、古谷本人も含めて誰も1分33秒580のタイムを超える事ができずに、見事意地をみせた古谷が鈴鹿サーキット・南コースでの前戦に続き、連続優勝で最終戦を締めくくった。
「1本目でトップタイムを出せたので、うまく逃げ切ることができました。」と勝因を語り、
「来シーズンはランサーエボリューションXを投入します」と宣言し注目を集めた。


 2008年の全日本ジムカーナ選手権も全日程が終了し、後は特別戦を残すのみ。
今シーズンはダンロップユーザーの活躍は目を見張るものがあり、大いにモータースポーツファンを楽しませた。 2009年はどんな戦いになるのか、ダンロップユーザーの更なる活躍が楽しみである。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014