ドライバー
第8戦 10月13日(日) イオックスアローザ スポーツランド
PN2クラス鈴木孝幸が初のチャンピオン確定
ダンロップ勢は5クラス優勝で2013年最終戦を終える


チャンピオン争い、初優勝を目指す争い、最後の戦いと様々な思いが交錯した2013年の最終戦。1年間選手たちをサポートしたタイヤサービスにダンロップユーザーたちが集まっていた。

ダートトライアルに引き続き、2013年の最終戦を迎えた全日本ジムカーナ選手権。その戦いの場は富山県にあるイオックスアローザ。その広大なスキー場の駐車場に、高速セクションからターンまでバリエーションにあふれたコースが設定された。豪雨となった前日の公開練習から一転、決勝は快晴が広がる絶好のコンディション。チャンピオンが決まっていないクラスはPN2、PN3、N1、N2の4クラス。一方で今シーズンチャンピオンを決めた選手が、他のクラスにエントリーするなど事前の情報では混戦が予想された。さらに、N1とDは2014年のクラスから無くなるということもあり選手たちそれぞれの感慨が交錯する最終戦となった。では早速ダンロップ勢の活躍を見てみよう。

シリーズ参戦1年目で全日本チャンピオン獲得という偉業を達成した鈴木孝幸。ライバルたちを圧倒する走りにも「正直いけるなんて感じたことは無かったんですけど」と控えめなコメント。

PN2クラスは、ともに2勝ずつで最終戦を迎えたシビックを駆る森田陽介と鈴木孝幸、フェアレディZで走る河本晃一が三つ巴でのチャンピオン争い。シリーズポイントは森田の82ポイントをトップに鈴木が75ポイント、河本が68ポイント。今回のコースは、前半セクションに設けられた540度とゴール前の最終ターンが大きな攻略ポイントとなった。決勝一本目、まず先陣を切ってスタートした河本。それまでのトップタイムはシビックの松本悟がたたき出した1分19秒796だ。見事に前半の540度ターンをクリアした河本だったが中間タイムで松本を上回れない。今回のコースはシビックに有利か?タイムは1分19秒929で2位に。続いてスタートした鈴木も素早い旋回スピードで前半部分をクリアしてゆく。ゴールするとタイムは1分18秒421で逆転!これにはポイントトップの森田も1分19秒338と追いつくことができず、鈴木がトップで1本目を終える。そして迎えた2本目。太陽の位置が高く、気温も上がったコンディションだったがPN部門勢は思った以上にタイムを上げることができない。1本目の走行で路面に付着したタイヤのラバーが、思った以上にタイムに影響を与えていたようだ。河本は1分19秒477とわずかにタイムアップしたものの、鈴木と森田はタイムダウン。1本目のタイムで逃げ切り、鈴木が今シーズン3勝目を挙げ20ポイント加え85ポイントを獲得!逆転で初のシリーズチャンピオンを獲得した。「まだ実感が無いんですけど……。今年は初めての全日本シリーズ参戦だったんです。それでチャンピオンも獲得できて、これから実感できるのかな?」と語る鈴木。今シーズン速さを増してきたシビック勢の中から新たなヒーローが誕生した。

1000分の1秒を争う、これぞジムカーナという戦いを見せたPN4クラス。接戦をしのいだ掛札雄一は初の全日本優勝で、来年の活躍を期待させた。

前日の公開練習では激しい雨が降ったものの、日曜日には快晴となった今回のイベント。なかなか同じ条件で走ることができない天候に、慣熟歩行でも選手たちは真剣にデータ収集に励む。混戦となったPN4クラス、1本目から激しいトップ争いが繰り広げられた。トップから4台が1分16秒台に入り、そのうち3人が1分16秒8まで同タイムでまさに100分の1秒を競い合う。この中で抜け出したのがGVBのインプレッサでエントリーする掛札雄一。2位の小野田了との差はわずかに1000分の8秒という僅差!厳しく改造が規制されたPN部門の接戦の面白さが、各クラスで見られた。2本目に入るとこちらも路面に乗ったラバーが悪影響を与えたのか? 各選手わずかにタイムダウンしてしまい、1本目トップに立った掛札が逃げ切って初の全日本優勝を飾る。表彰式では「来年は岡野選手に勝って表彰台に上がれるようにがんばります」と力強く語った掛札。2014年に向けて活躍が楽しみなドライバーが増えてきた。

九州での2位から好調さを維持した田辺剛が全日本初優勝を遂げたN4クラス。来年はチャンピオンを蹴散らす活躍を期待したい。

こちらも激しい争いが展開された。1本目にトップに立ったのは北海道の田辺剛。1分13秒882とクラスただ一人の13秒台にタイムを叩き込み、堂々の1位で午前中を折り返した。2位には1分14秒567で飯坂忠司が、3位には石元啓介が1分15秒074でつけている。午後に入るとPN部門では多くの選手が路面に乗ったラバーに翻弄されタイムダウンしたが、Sタイヤを履くNクラスに競技が進むと状況は一変した。多くの選手が2本目にタイムアップを果たし、2本目勝負の様相を呈してきた。だが田辺の1本目のタイムは破られない。1本目3位の石元が1分14秒119とタイムアップするも届かない。田辺は2本目に入っても好調な走りを見せ、ゴールするとタイムは1分13秒853とわずかにタイムアップを果たす。最終ゼッケンの飯坂も1分14秒009まで追い上げるも届かない。田辺が1本目のタイムで逃げ切って全日本初優勝を達成した。「前回の九州で2位に入ることができて、その調子を最終戦まで維持することができました」と表彰式でニッコリ笑顔で語った田辺。PN2クラスに引き続きN4クラスでも来年の活躍が楽しみな選手が現れてきた。

チャンピオンの牧野タイソンが貫禄の走りを見せたSCクラス。最後は代表の大橋渡とのプレジャーワン・ツー・フィニッシュを飾り最高の形で2013年のシーズンを終えた。

図太いマフラー音が快晴の会場に響き渡ったSCクラス。会場には地元から多くの観客が訪れる。パイロンコースという間近に競技車の走りを見れるというコース環境に会場には親子連れの姿も多く見られ改造車の音も記憶に刻まれたはずだ。前戦の九州で今シーズン2勝目を挙げチャンピオンを確定した牧野タイソン。シリーズ3連覇を達成した要因を、「昨年までは上下動の激しかった順位が、今シーズンは優勝できなくて2位や3位に入れるなど比較的安定していました。チャンピオンを獲りたいという気持ちが結果につながっていたのかもしれませんね。それと安定した状態でマシンを走らせてくれたプレジャーさんに感謝したいですね」と語る。好調を維持しているタイソンは1本目からクラスただ一人の1分12秒台を叩き出し、ライバルたちを圧倒する。2位につけていた大橋渡も2本目に入って1分13秒082までタイムアップを果たすが届かない。最終ゼッケンのタイソンは、自己タイムをさらに更新し1分11秒459でゴール!タイソンのマシンを製作、メンテナンスする大橋氏とともにプレジャーレーシング勢がワン・ツー・フィニッシュを飾り、最高の形でシーズンが終了した。

最後の戦いとなったDクラスのウィナーは大ベテランの川村徹。「さすがにスタート前は色んな人の顔が浮かんできたね。でもDクラスはホント楽しいよ」とコメント。

2014年から実施される車両規定の変更で、今シーズンが最後の争いとなる全日本選手権のDクラス。クラスが無くなるということもあり、ここイオックスの最終戦には11台のエントリーが集まった。だが、D車のマシンたちにとって決勝は厳しいコース状況となってしまった。1本目はレコードラインに砂ボコリがたまり厳しいグリップ環境に、スピンする選手が続出。だが、そんななかでも大ベテランの川村徹はベテランらしい、いぶし銀の走りを見せる。きっちりとターンをこなすとタイムは1分11秒849でトップに立つ。川村は2本目に自己タイムを更新して1分11秒740までタイムを詰めて優勝を飾る。「特に感慨深いとかいうことは無かったんだけど、さすがにスタート前に並んでいる時はいろんな人の顔が思い浮かんだね。今日エントリーしてきた春田がゴーストでDクラスに出てきたとき、これは面白え!って思って軽自動車で作ったりいろんなことやったよね。それと山ちゃん(山本真宏)や古瀬(光男)とかとやり合っていた時とかね。最近じゃ少なくなったけど、クルマを楽しむってのは運転するだけじゃなく作って楽しむということもあったよね。今年久しぶりにエントリーすることになって、D車の楽しさを実感したね。こんなオヤジでも、走り終わって気分が高揚するほど興奮させてくれる。ホント楽しかったよ」と川村。Dクラスの最後のウィナーとなった。PN部門へのエントリーが増えた2013年。新たなウィナーたちと統合されるクラスなど、クラス編成も変わる。2014年も活躍を期待してください。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014