第8戦 9月12日(日) 鈴鹿サーキット 国際南コース
チャンピオン争いに踏みとどまった
SA1クラス川北忠とDクラス東山晃!


戦前から酷暑が予想された鈴鹿サーキット南コースでの第8戦。暑さは選手たちの体力を否応なく奪う。

 全9戦で争われる全日本ジムカーナ選手権。最終戦を前にした第8戦の舞台は、三重県にある鈴鹿サーキット南コースだ。9月に入っても続く猛暑と相まってシリーズチャンピオン争いも加熱! 全9戦中、ベスト6戦の有効得点で争われる戦い、各クラスでチャンピオンが決まってきた。ダンロップ勢では、PN3クラスに初参戦し初チャンピオンを獲得した野尻隆司が一番乗り。その後に続く選手が現れていない。今回の第8戦も含めて残る2戦で1ポイントを巡る戦いは激しさを増す。
 今回の鈴鹿ではスタートして1コーナー後にパイロンセクションを設置。そこから順走でのコースセクションへ。連続S字から高速の右コーナー、そしてトリッキーに現れるショートカットから180度ターン。コースに復帰して外周をゴールに向かうという構成。特に大きな差が付いたのがスタート後のパイロンセクション。ドライビングスタイルやセッティングも含め、各車の違いが見て取れるイベントとなった。

今回はFRレイアウトで戦うデメリットが出てしまったが、最終戦に向ける意欲は高い。「地元だし勝ちに行きますよ!」と川北。

 ここまでコンスタントにポイントを重ねてきたSA1クラスの川北忠。軽量FF勢に対してFRのRX-8で戦い、2位に1ポイント差ながらここまでシリーズトップを守ってきた。だが、1本目1分25秒573で8位と奮わない。2本目は意気込み過ぎたのかタイムアップできず結果は10位に終わってしまう。「今日はスタートしてすぐのパイロンセクションでタイムを落としてしまいました。コース部分では十分にトップ争いをしてたんですけどね。タイヤの温まりきっていない状態でのターンに上手くリズムがつかめなくて。対してFF勢は温まりきっていないリヤタイヤのグリップが低かったことでスムーズにターンしてましたね。駆動方式の差が出ちゃっかもしれませんね。最終戦本庄ですがチャンピオン候補が3人います。3人のうち上にいたもの勝ちという戦いになります。本庄は昨年唯一表彰台に上れたコースなので、相性がイイところです。もちろん勝ちに行きますよ!」と力強いコメントで締めてくれた川北。もちろん目指すはチャンピオンだ!

川脇、津川ともに相性の良さを上げる本庄サーキットでの戦い。今年1年の総決算となる走りを見せて欲しい!

 ニューマシンのランサーエボXを投入後、2人でマシン開発を進めてきた川脇一晃と津川信次。SA3クラスではここ数戦、津川3位で川脇4位というリザルトが続いている。今回も津川が1分20秒582で3位、川脇が1分20秒894で4位という結果に終わった。急ピッチで進んだマシン開発。まずはエボXでのトップを目指すというステップでここ最近は停滞が続いている。ライバルとの差はどんなところにあったのだろう?「今日のパイロンセクションなんかは顕著やったんやけど、グリップが低ければ一筆書きで走りきれる。グリップが上がると、そこに角ができる。さらに上のレベルの走りになるとまた一筆書きになる。本来であればその走りを求めなきゃならんのやけど、ドライバーの走り方も含めてそこまで行ってないのが現状やね。悔しいけど。でも最終戦の本庄はダンロップのタイヤが合っている。そういった意味でも期待してもらっていいと思うよ」と川脇。セッティングはどう進んでいるのだろう? 津川に聞いてみた。「パイロンコースのイオックス、そして今回のカートコースである鈴鹿。コース毎のセッティングの方向はすぐに見つけられるようになってきてるよ。そういった意味で、1年の進化は著しいものがあったね。今回はS2コンパウンドで行くことを決めてたけど、気温がポイントになったね。最終戦の行われる本庄では負けたことが無い(笑)。一回しか走ってないんだけど、その一回で勝ってるからね。相性の良さはあるはずだよ」
 ここまでSA3でトップを獲れていないふたりだが、最終戦に向ける期待は大きい。本庄での活躍に期待しよう。

今シーズン2回目の2位でシリーズポイントを84点に伸ばした大橋渡。最終戦でシリーズ2位に挑む。

 全日本ジムカーナで唯一のGRBインプレッサで参戦する、プレジャーレーシングの大橋渡。注目度とマシンの完成度の高さは、SCクラスでも1、2を争う。今シーズンは開幕戦で優勝、第2戦で2位と好調な出足を見せた。だがここ数戦、表彰台を逃すことが多かった。今回の鈴鹿ではそんな鬱憤を晴らす走りを見せる。1本目に1分21秒358を叩き出し2位につける。3位にはわずかコンマ002秒という僅差だったが、そのまま逃げ切り今シーズン2回目の2位ゲット。シリーズポイントも7点伸ばして2位に8点差まで迫る。最終戦の本庄で逆転してシリーズ2位に上がれるか? こちらも注目の戦いとなるだろう。

異次元のタイムで競われるDクラスのバトル。全く同ポイントで争われる最終戦、東山晃の走りに注目だ。

 第2戦の名阪から3連勝し、一躍チャンピオン争いの中心に立った東山晃。中盤戦は残念なながら仕事の都合で欠場となる。5年連続王者小林キュウテン選手のシリーズ途中からの参戦でにわかに変化が現れたチャンピオン争いだが、東山は後半戦に入ってラストスパートを掛けている。前戦のイオックスでは2位で15ポイントを加算。シリーズトップの斉藤孝行に4ポイント差の2位に付けている。それでもDクラス唯ひとり3勝を挙げている強みは大きい。初の全日本チャンピオン獲得の可能性が高まった今回の鈴鹿。東山の1本目のタイムは1分15秒551。それを最終ゼッケンの斉藤孝がコンマ089秒かわしトップに立つ。コンマ差を削りあう激しい戦い。2本目に入るとリズムを崩した東山は脱輪とパイロンタッチを犯してしまう。結果1本目のタイムで3位が確定した。これでシリーズトップの斉藤に若干差を広げられる形となったが最終戦で2台の完全な一騎打ちでチャンピオンが決まる。


 最終戦は、ストレートの強烈なトップスピードに高速での島周り、高速S字とすべてが高速で彩られる本庄サーキット。各クラスで繰り広げられるチャンピオン争いに終止符を打つのに、これほど適した会場は無いかもしれない。昨年は西川純一、茅野成樹、津川信次が優勝を飾るなどダンロップ勢には相性の良いサーキットとして知られている。2010年最後の全日本ジムカーナにぜひとも注目して欲しい。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014