第8戦 9月7日(日) 鈴鹿サーキット・南コース
強敵は他のドライバーでは無く、上昇する路面温度だった!

今年は爽快な晴れ間が広がる空のしたで開催を迎えた鈴鹿サーキット南コース。

 今年も全9戦で争われる全日本ジムカーナ選手権も残すはあと2戦。闘いの場はモータースポーツのメッカである三重県鈴鹿サーキット南コースだ。鈴鹿サーキット南コースは国際的レースやスーパーGTが開催される鈴鹿サーキット、メインコースのすぐ南に位置しており、普段はレーシングカートのレースや練習走行が行われ、また、二輪レースの開催コースとして、様々なレースで知られている。モータースポーツファンやドライバーにとっては馴染み深いコースである。そんな南コースをジムカーナで使用する場合はこのコースをベースに、各コーナーにパイロンが絶妙に設けられ、毎回、ドライバーにとっては難しい設定となっている。
 今年の決勝当日は朝から澄み渡るような晴天が広がり、厳しい陽射しも降り注ぐ中の開催となった。7日当日、1本目のアタック前の気温は30度、路面温度35度で気温も路面温度も上がるのが予想される。そんなコンディションに対してダンロップユーザーはDIREZZA 03Gを選択。 コンパウンドは選手それぞれの考えでS1、M1、どちらかの選択を強いられた。

前戦、浅間台に続き2戦連続で2位表彰台を獲得した西川純一(インテグラ)。

 既に飯島賢治(インテグラ)のタイトルが決まっているN2クラス。タイトル獲得に勢いに乗る飯島は1本目から1分27秒974でトップタイムマーク。このタイムを破るべく、2本目では各選手が果敢にアタックを慣行。そのアタックがまず成功したのはダンロップタイヤを履き前戦の浅間台で2位に入賞した西川純一(インテグラ)である。西川は1分27秒641のベストタイムでトップに立ち、その後の戦況を見つめる。西川の後を走る選手達がパイロンペナルティに苦しめられ、残る走者は後二人と優勝の時が近づいたその時、ポイントランキング2位の佐川和良(インテグラ)に惜しくもタイムを更新されてしまう。優勝までもう少しの所だった西川だが、前戦の浅間台から続く2位の好調ぶりを考えると、次戦の最終戦で優勝を獲得するのではなかろうか。

初っぱなから勢い良く飛び出し、トップタイムをマークした吉田隆司(RX-7)。

 午前の1本目で思わぬ伏兵が登場のSA2クラス。その伏兵とはダンロップユーザーである吉田隆司(RX-7)だ。吉田は16台中、6番目と早い順番で走行し1分26秒442のトップタイムをマーク。しかしこのタイムを誰もが更新可能なタイムと思いアタックするがポイントランキングの上位陣でさえも更新できず、午前の1本目をトップで折り返す。午後の2本目が始まり吉田は自身のタイムを更にタイムアップすべくアタックを慣行するが、上がりすぎる路面コンディションに苦戦しタイムダウンとなってしまう。吉田としてはこのタイムを越えられないのを祈るだけとなった。後を走る選手達も上がり過ぎる路面温度に苦戦を強いられ、殆どの選手がタイムを落とし、結局、吉田が最後までこのタイムを守り切り嬉しい全日本初優勝を手にする事となった。また同じ表彰台の3位にダンロップユーザーの鰐部光二(RX-7)が入る活躍を見せた。

全日本初優勝の嬉しさからか、息子と一緒に表彰台に上がる吉田隆司。

 優勝を果たした吉田本人は謙虚に「棚ぼたで優勝する事が出来ました。また支えてくれたスタッフ達のお陰だ」と関係する皆に感謝するコメントを残した。

2位表彰台を獲得した津川信次(ランサー)。タイトルを決めるには最終戦での優勝が絶対条件となった。

 タイトル争いがダンロップユーザーの川脇一晃(ランサー)、津川信次(ランサー)2人に加え、西原正樹(ランサー)の三つ巴状態のSA3クラス。ポイントランキングトップの川脇が勝てばタイトルが決り、残る二人もタイトル獲得する為には、是非ともここで勝ちたい。1本目では津川がチョイスしたダンロップタイヤDIREZZA 03G M1コンパウンドをうまく使い、トップタイムを叩き出し、それに川脇が続いてダンロップワン・ツー体制を築く。勝敗が決まる2本目、三人の内で最初に走る西原はタイムダウンも予想されたがタイトル争いに留まろうと気迫の走りで津川のタイムを破りトップを奪取。西原のタイムを更に塗り替えようと津川が2本目のアタックを開始するがタイムを延ばせず、1本目のタイムがベストタイムとなった。続く最終走者の川脇はタイムを上げるのが難しい中、タイムアップに成功するがわずかの差で西原と津川に届かない結果に。優勝は奪われたが2位に津川、3位に川脇が入る活躍を見せた。優勝を逃した川脇と津川だが、最終戦でのタイトル争いが優位になり、タイトル獲得の瞬間が待ち遠しい。是非ともSA3クラスは川脇か、津川のタイトル獲得で今シーズンを締めくくって欲しい。

開幕戦、備北サーキット以来の2勝目を飾った古谷哲也(ランサー)。

 すでに菱井将文(ランサー)のチャンピオンが確定しているN4クラス。やはりこのクラスでも午後の路面温度が上がり過ぎてしまう状態に苦戦を強いられた。現在ポイントランキングで2位に着けるダンロップユーザーの古谷哲也(ランサー)はこの第8戦までコンスタントにポイントを獲得しており、今季の優勝は1度ではあるが2位をキープしている。その古谷は午後から上がる路面温度を予想していたのか、1本目から攻めの走りで鈴鹿サーキット南コースに挑み、1本目のトップタイムを獲得。午後からは他のクラス同様にタイムアップは難しく古谷自身も2本目はタイムダウンとなってしまう。しかし1本目のタイムを最後まで死守した古谷が優勝を獲得、今季2勝目を飾った。2位の表彰台に上がったのは同じくダンロップユーザーで1本目に勝負を賭けた茅野成樹(ランサー)で、今季初のダンロップワン・ツーを達成した。

優勝した事で自身が使用していたタイヤのプレゼンターに決まった古谷哲也(ランサー)。

 「毎回、前日までの練習会ではトップの成績を残していたのですが、身を実を結びませんでした。しかし今回はそれがやっと身を結んだので大変嬉しいです。」とコメントを残している。

車両の特性を段々と掴み始めた中嶋務(ランサー)。

 普通乗用車がベースでナンバーが付かず改造範囲の制限が無いSCクラス。このクラスで今回注目を集めた選手がいる。その選手は車椅子のハンデを持ちながら全日本ジムカーナ選手権に挑む中嶋務(ランサー)だ。中嶋は午前の1本目で思った以上に走れた結果に自信を持ち、午後の2本目で更なるアタックを試みる。その結果、今シーズン初の6位入賞を果たした。この勢いに乗って、最終戦で是非とも活躍して欲しい。
Global Race Category
Domestic Race Category
Motercycle
ニュルブルクリンク2014