ドライバー
第7戦 9月15日(日) HSR九州
全日本ジムカーナ初開催のHSR九州で
SCクラスの牧野タイソンがタイトル防衛!


初めての全日本戦開催となったHSR九州。コンパクトな敷地に設定されたテクニカルコースだった。

2013年全日本ジムカーナ選手権もいよいよ残り2戦。今季の第7戦「とびうめジムカーナフェスティバル in 九州」は、選手権イベントとしては初開催となる熊本県菊池郡にあるHSR九州が舞台となった。9月の連休開催となった今イベントだが、日本列島は大型台風が上陸間近と戦々恐々。この台風が与えた天候への影響が、少なからずバトルの展開にも及んだ。雨こそ降らず、決勝の15日は空には雲が広がっていたが、風が強く、第2ヒート時には隣接するダートコースから巻き上がった土がコース上に乗ったために路面コンディションがスリッピーに。さらに第2ヒート途中からは急に晴れ間が見え始めたため、気温も急上昇。タイヤの温度管理に慌てる場面も見られた。

今年も九州でタイトルを決めた牧野。混戦を抜け出しての2連覇を決めた!

タイトル争いが混迷している改造範囲の広いSCクラス。昨年王者の牧野タイソン(DL★PRS速心クスコランサー)は、今年仕事が忙しくなかなか金曜日からの現地入りが叶わず厳しいシーズンを続けていたのだが、今回は何とか日程調整を行い、気合いを入れて金曜日から練習を開始。その牧野は、1本目からハードプッシュ。ひとり11秒台を叩き出しての首位に立つ。一方、タイトル争いのライバル、高橋和浩(DLCB保険スタッフランサー)は3番手タイムで、タイムアップを目指す。しかし、路面がスリッピーになったヒート2は、タイムダウンする選手が続出。高橋も大幅にタイムを落とし、4位に後退。一方、牧野も0.955秒のタイムダウンとなったが、ヒート1のタイムを更新する者はなく、このまま今季2勝目を飾ると共に、タイトル2連覇を決めた。「最後までタイトル争いがもつれたら面白かったと思うけれど、決めさせていただきました。去年も九州戦でタイトルを決めることができたので、九州はゲンがいいですね。このクラスはライバルが強くなってきているので、シーズンオフの間に対策をしましたが、前半はマイナートラブルで苦戦しました。でも優勝を逃した時も2位、3位でまとめられたのがよかったですね」と喜びを語った。

両ヒートでトップに立った鈴木が完全勝利。タイトルチャンスも残し、最終戦に挑む。

シビックやZ34で争われるPN2クラスも、森田陽介、河本晃一、鈴木孝幸の間でタイトル争いが激化。その中で、見事な圧勝を飾ったのが、今季スカラシップに挑戦し、名阪で勝利を挙げている鈴木孝幸(DL正宗WMエボNTLシビック)。1本目で、それまでのベストを1.808秒も引き離してのタイムを叩き出す。一方の森田、河本(DLラボテックオーリンズZ)も、鈴木のタイムに届かず。ほとんどがタイムダウンに沈んだヒート2でも、鈴木は1本目でミスをした部分を修正し、0.129秒のタイムアップに成功。文句ナシの今季2勝目をマークし、タイトル争いに望みをつなげた。「1本目のミスをうまく修正できたのがよかったです。これで最終戦で勝った者がタイトルを獲得。次戦会場イオックスの経験はありませんが、がんばります」と力強く語った。

力みすぎてのシフトミスで勝利を逃した村井だが、地元で迎える最終決戦に向けてさらに気合いが入る。

SCP10ヴィッツのワンメイク状態となっているN1クラスも熾烈なタイトル争いが展開されている。鎌尾邦彦の連勝を仙台で止めた村井勝は、今季2勝目を狙う意識が強すぎたか、1本目で力が入りすぎてシフトミス。平田裕三に0.873秒差の2番手タイムに留まる。気合いを入れ直して挑んだヒート2では、このクラスで2人のみとなるタイムアップを果たしたが、平田のヒート1のタイムにコンマ489秒届かず2位。最終戦でのタイトル決戦に挑む。「タイトル争いを考えれば今回は勝ちたかったし、2本目はうまく走れたのですが、わずかに届きませんでした。でもタイヤは非常に調子が良いし、最終戦のイオックスは地元でもあるので、タイトル目指してがんばります!」と富山決戦への決意を新たにした。

スカラシップを活かして全日本でアピールしてみせた田辺。来季以降の活躍が楽しみなドライバーだ。

N4では今季全日本にスポット参戦している田辺剛(DL SP山田TRS戸田ランサー)が大健闘。地元北海道の千歳で慣らしたパイロンコースでのテクニックを活かし、1本目は王者・菱井将文に続く2番手タイムをマーク。選んだソフトタイヤを「前半稼いで後半は丁寧に」を心がけたという走りで、2本目には0.001秒タイムアップを果たして2位キープ。「いつもの練習通りの走りができました」と満足を見せながら、仙台に続く今季2度目の2位を飾った。今季のタイトルは既に菱井が決めてしまったが、来季は全日本をメインに活動していくという田辺の台頭が期待される。

手応えを感じながらわずかなミスで勝利を逃した川北。最終戦での勝利を狙う。

個性豊かな車種で人気のSA2は、川北忠(オートバックスDL RX-7)が王者を決めた柴田の連勝を止めるべく奮闘。しかし、1本目の前半でのターンミスで柴田に続く2番手タイムで1本目を終える。「タイヤはいい感じだったが、路面がスリッピーになった2本目はどのクラスもタイムダウンしていたようです。自分でも1本目が勝負と思っていたので」という言葉の通り、タイムアップは果たせなかったが、2位の座は死守。最終戦、イオックスでの健闘を誓った。

全日本初開催のコースで苦戦した津川だったが、経験を活かして2位を死守した。

全日本チャンピオン経験者が凌ぎを削るSA3クラス。シリーズ2位につける津川信次(DL☆itzz☆URGランサー)は、1本目の走行でベストだと読んでいたラインが違い、昨年王者の西原正樹に続く2番手タイム。路面がスリッピーになったヒート2ではタイムアップが難しく、今季2度目の2位となった。今戦で3位に入った天満清がタイトルを決めてしまったが「最終戦ではシリーズ2位堅守を目指してがんばります」と気合いを入れ直し た。

全力を尽くした村上が自身で納得した2位。Dクラスの戦いも、いよいよ残り1戦となった。

今季限りで廃止となるDクラスの戦いも、いよいよ残り2戦。Dクラス最後のシーズンの開幕戦で勝利を飾った村上仁 (LABOTEC☆DL☆TG)は、1本目の後半で痛恨のミス。それでもトップタイムを刻んでヒート2に備える。しかし、曇天のヒート1ではタイヤを温めていたコンディションが、ヒート2では次第に晴れ間が見えるようになり、気温が急上昇する波乱も。さらに路面もスリッピーとなりタイムアップを逃すが、1本目で4番手タイムに沈んでいた小川謙輔が、タイトルがかかる一戦で激走を見せて村上のベストを0.579秒更新。村上は惜しくも2位に留まったが、「1本目のミスがなければ勝てたかもしれませんが、全力を尽くしたので悔いはありません」と晴れ晴れと小川のタイトルを祝福した。


今季の全日本ジムカーナもいよいよ最終戦。第8戦の舞台は富山となる。「SUPER GYMKHANA IN IOX-AROSA」は10月12-13日、富山県にあるイオックスアローザスポーツランドで行われる。Dクラスにとっては、最後の全日本戦。今季の締めくくりとなる一戦でのダンロップ勢の活躍にご期待ください。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014