第7戦 8月22日(日) イオックスアローザ スポーツランド
 富山県南砺市の医王山麓。スキー場を中心とした総合施設イオックスアローザに全日本ジムカーナは後半戦の舞台を移す。天候は晴れ。熱中症に喚起を促すアナウンスが何度も繰り返される中、全11クラス148台がコンマ差を争う熱い戦いを繰り広げた。今回のイベント直前に発表された2011年の全日本ジムカーナカレンダー。その中にイオックスアローザの文字はない。本格的なパイロンコースでの開催が無くなることに寂しさを感じる選手も多かったようだ。だが閉会式では来年以降、再び開催を目指すとの主催者の言葉に会場から大きな拍手があがった。
それでは早速、各クラスの戦いを見てみよう。


その差わずか100分の28秒! 今シーズン3回目の2位となった福永裕介。好調なだけに欲しいのは優勝の二文字のみ!

 広大なパイロンコースを斜めに分割しハイスピードから中速テクニカル、そしてゴール前に設置されたターンセクションまで。自由なラインが取れるパイロンコースの特性を生かしたコースが設定された。毎戦多くの参加者を集めるN2クラス。その参加車両は100%がDC2インテグラtypeRで占められている。今季2位2回でシリーズ3位に付けているのが徳島の福永裕介。1993年以降、全日本ジムカーナに参戦しているベテラン選手だ。その福永が、昨年1年間全日本への参戦を取りやめていたが今シーズンより復活。1本目に1分7秒418をたたき出したものの、後続の選手にわずか100分の28秒かわされて2位に。熟成されたクルマ同士での僅差の戦い。十分逆転は可能と期待のかかった2本目だったが……。福永はパイロンタッチを犯してしまう。今回は、そのままの順位でフィニッシュし3回目の2位を獲得。残り2戦でぜひ優勝する姿を見たい。

今シーズン2回目の2位。ここ一番での高い集中力が茅野成樹の持ち味だ。残り2戦での活躍に期待しよう。

 第3戦SUGO、第4戦おおむたと連勝してシリーズトップに立つ梅村伸一郎。ここまでN4クラスで2勝を挙げているのは梅村のみ。ダンロップ勢では茅野成樹が北海道で待望の今季初優勝を挙げ、シリーズ奪還を虎視眈々と狙っている。後半戦に入ってもシリーズ上位勢にはすべてチャンピオンの可能性がある混戦状態だ。タイヤは梅村が前後S2コンパウンド、茅野が前後M2コンパウンドをチョイス。1本目1分5秒516で3位につけた茅野。梅村は6位と出遅れてしまう。2本目でコンマ5秒近くのタイムアップを果たした茅野が上位2台のエボX勢の間に割って入った。「1位のタイム(1分4秒782)は自分のミスなんかを計算すると、届くタイムだなと思ってました。残り2戦ですね。毎戦勝つつもりで来ているので、ポイント計算してないんですよ。でも本庄は昨年も勝ててるし相性的にも悪いわけじゃない。今回で2勝した選手がふたりになっちゃったんで、次の鈴鹿が山場ですね。頑張ります!」

SA1クラス唯一のFRレイアウト、RX-8で参戦する川北忠。今回の2位でシリーズ首位の座を守り残り2戦に挑む。

 パイロンコースでは、その軽量とコンパクトさから圧倒的に有利といわれるCR-X勢。今回も1本目終了時点でトップ2台はCR-X。RX-8を駆るシリーズトップの川北忠は前半セクションでパイロンタッチ。下位に沈んでしまう。しかし2本目にはしっかりと結果を残す。コンパクトにターンセクションを回り強大なトラクションで立ち上がる。M2コンパウンドは夏の暑さの中でも後半のトラクションは衰えない。たたき出したタイムは1分7秒816。逆転でトップに立つも最終ゼッケンの選手に逆転されてしまう。だが1本目上位2台のCR-Xの牙城を崩し2位に食い込んだ。ベスト6戦の有効得点で争われる全日本選手権。川北は第3戦5位の8ポイントを捨てて15点を加える。結果7ポイントのアップでシリーズポイントは92。2位に3ポイント差を付けてシリーズトップを守った。

エボXのポテンシャルアップにかける2010年。鈴鹿、本庄と残り2戦も川脇・津川のチャレンジは続く。

 前戦のもてぎでシリーズチャンピオン確定したSA3クラス。そんな中でも川脇一晃、津川信次のチャレンジは続いている。
「ちょっとした感覚のズレがイベントになると結果に大きく反映してるね。安定した走りができてない。もう少しやね」と川脇。今回で3戦連続の4位に手応えとともに、セッティングも詰まってきた。そこから必要なのはドライバーとのシンクロ度合いの高さか?
一方、3位表彰台を獲得した津川も「今回のイオックスはパイロンコースということで、ターン重視のセッティングにしてきました。方向性が見えなくて、手探りでやっていた開幕の頃より差は詰まってきている。N4クラスを見ていてもエボXが優勝してる。もう少し! ですね」残り2戦は高速のカートコースでの戦い。一矢を報いる結果を期待しよう。

ここ2戦、仕事の都合などで参加できなかったが東山晃が第7戦より参加。実戦感覚を取り戻しチャンピオンを目指す

 チャンピオン小林キュウテンの第4戦からの参戦で、流れが変わってきたDクラス。第5~6戦と、仕事の都合などで参戦できなかった東山晃が帰ってきた。この間ブランクを補おうと関東地区戦にも参戦。まだ多少実戦感覚へのズレはあったものの、1本目に1分1秒745をたたき出しトップを奪う活躍を見せる。だが、2本目に入って小林が1分0秒951で再逆転。これには東山も追いつくことはできなかった。
「仕事の都合などもあって参戦できなかったんです。だけど残り2戦は何があっても参戦します。小林(キュウテン)さんは残り全部勝つつもりで来ると思いますが、そんな簡単には勝たせませんよ。13インチタイヤと新しいエンジンにしたことを考えれば、まだ行けるはずです」と東山。チャンピオンを目指して残り2戦を戦う。


 毎年多くの参加者が集まる鈴鹿サーキット南コース。全日本戦屈指の高速テクニカルと連続S字の組み合わせは迫力充分。第8戦も激しい戦いが展開されることだろう。
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Motercycle
ニュルブルクリンク2014